もくじ
いろいろな吸入方法!
こんにちは、Il Duomoの店長の佐藤です。
万年筆を選ぶとき、いろいろな観点から選択することが出来ると思いますが、
今回は吸入方式に焦点を当ててみていきたいと思います。
それぞれにメリット・デメリットがあり
ご自身の生活スタイルに合った吸入方式を選ぶと
お手入れの気もちの面で楽になり
ちょうどいい付き合い方ができるかと思います。
手軽なカートリッジ式
いちばん簡単なのは、カートリッジ式。
インクの小さなタンクを挿して使います。
良い点
・一番手軽
・首軸や手が汚れない
・インク漏れの恐れが少ない(0ではない)
惜しい点
・インク量で換算するとコスパが悪い
・(当たり前だけど)吸入の喜びは無い
・いろいろなインクを使えない
・コンバーターが無いと綺麗に洗えない
…ということで、おすすめできるかたは
「なるべく手を汚したくない、手間をあまりかけたくないけど手軽に万年筆を使いたい」かたと言えるでしょう。
また、カートリッジの容量と、筆記量のバランスでいくと
筆記量が多い人は「あれ!?こんなにすぐ無くなるの?」となる可能性があります。
大容量インクカートリッジも存在しますので、そのあたりも調べながら選ぶと良いですね。
コンバーター式
次に身近なのがコンバーター式。
胴軸を開き、コンバーターという取り外し式のインクタンクにインクを吸入します。
コンバーター自体は首軸から取り外せる消耗品です。
ネジでくっつけるタイプと、ネジ無しタイプがあります。
また、これはピストン吸入式に近いかもしれませんが
首軸に合着していて取り外せないタイプも稀にあります。
良い点
・カートリッジ式の次に手軽
・いろいろなインクを入れることができる
・コンバーター自体が消耗品で取り換えられるので修理に出すリスクがひとつ減る
・インクボトルを使えるのでコスパ◎
・洗浄しやすい
惜しい点
・インクタンクが吸入式と比べるとやや少ないか
・手が汚れる可能性
・頻繁にコンバーターを取り外す場合、定期的にコンバーターを替える必要アリ
・インク漏れの可能性アリ
カートリッジ式と比べると万年筆の良さがグッと高まるコンバーター式!
お手入れのしやすさから、各メーカーとてもバリエーションが多い形式でもあります。
デメリットは致命的なものはありませんが、
特にヨーロッパでは限定生産品はピストン吸入式になる可能性が高く
コンバーターファンからすると、高級な限定生産品のなかでは選択肢が少し狭まってしまうのが現状です。
そうなんです。
万年筆はカートリッジ式<コンバーター式<吸入式
の順に手軽<<手間 になりますが
リーズナブル<<高級
という順でもあります。
(もちろん例外あり)
そうなりますと、例えばイタリアのセルロイド軸がほしいな、となった時
コンバーター式やカートリッジ式のセルロイド軸はあまり(ほとんど?)ありません。
いろいろな吸入式
そして、いろいろなタイプがあるのが
胴軸内のタンクに直接吸入するタイプです。
尻軸を動かす「ピストン吸入式」や、空気圧を利用する「プランジャー式」などいろいろなタイプが存在します。
胴軸内タンクに吸入するので、コンバーターと分けるためにいったん「タンク吸入式」と呼びます。
通常の吸入式と同様です。
おすすめできる方は、「インクを大容量で使いたい方・インク吸入が好きな方」と言えるでしょうか。
インク吸入って、手間ではあるのですが同時に代えがたい喜びでもあるのですよね。
良い点
・インクタンク量が大きいものが多い
・吸入する喜びを味わえるギミックが搭載されているものもある
惜しい点
・タンク内が壊れた時、メーカー修理になるので時間がかかる
・内部がどうなっているか見れないものが多い
・インク漏れの可能性アリ
・重くなりがち
先ほどのコンバーターの逆で、高級・限定生産品ラインナップはほとんどがこの吸入式ですので
そういった軸が好きな方はタンク吸入式を選ぶことになるでしょう。
ピストン吸入式
一番オーソドックスなピストン吸入式。
尻軸ピストンをくるくる回します。
原理はコンバーターと同じです。
尻軸があがってくるタイプと、上下しないロータリー式があります。
また、ピストン吸入式なのですが内部にタンクが2つあるダブルタンクリザーバー(アウロラ)など
機構はさまざまだったりします。
インク窓がある場合と無い場合があります。
ピストン吸入式亜種
ビスコンティやピナイダーに多いのですが
尻軸を引っ張って出してから吸入するプル&ターン式、
ノックしてから吸入するタイプなど
ピストン吸入式ではあるのですが、ちょっとギミックが足されている
遊び心満載な吸入式も存在します。
これはビスコンティのプル&ターン式。↑
プランジャー式
空気圧を利用して一気にインクを吸い上げる!という迫力ある吸入式。
尻軸のピストンを引っ張り出して、インクに浸けてから下げます。
すると一気にインクがタンク内に吸われます。
大容量のインクが使えるということ、
インク漏れのリスクの少なさなどがメリットとして挙げられます。
パイロット、ツイスビ―、ビスコンティ、ASCなどに多い吸入方式です。
アイドロッパー式
胴軸をそのままタンクとして使うやりかたで、
胴軸をさかさまにしてスポイトでそのままインクをIN!
これで大丈夫なの…?と少々心配になりますが
胴軸部と首軸部を接合するネジ部にパッキンがあるので漏れにくい構造になっています。
歴史は古く、かなり昔からある方法なのです。
一番大容量で使えるタイプです。
筆記量が多いかたにはおすすめ!
ただ、パッキンがあるといってもリスクは他の方式より高くなりますので
持ち歩く際は十分気を付けましょう。
イタリアでは、デルタやマイオーラでみられます。
その他・レバー式など
ヴィンテージ万年筆などにありますが
胴軸のレバーを使って吸入したり、プッシュして吸入するなどいろいろなタイプがあります。
あまり見ることはないかもしれません。
たまに限定生産品などで昔のレバー式が復活することもあります。
少々マニアックな方式ですね。
万年筆を選ぶときは、吸入方法にも着目してみてくださいね!
吸入方式から見る、おすすめのペン
ではいろいろな吸入方式のペンをご紹介します。
デルタ DV オリジナルミディアムサイズ 万年筆 (スチールニブ/シルバートリム) Delta DV Original Mid-Size Fountain Pen
カートリッジ/コンバーター両用式の有名なオレンジ軸!
デルタのDVミッドサイズ。
魅力的な太め軸と、手軽なコンバーター式の組み合わせが入門者にももってこい!
ビスコンティ ディヴィーナ エレガンス インペリアルブルー オーバーサイズ 万年筆
先ほど説明したプル&ターン式を採用している、黄金比を使ったなんとも高貴なペン!
ゆらいだマーブルと螺旋の黄金比の軸に、万年筆ファンからの熱い支持があります。
デルタ ライトバランス デューン 万年筆 Delta Write Balance Dune ST Fountain Pen
こちらも実はアイドロッパー式になる!
カートリッジ式/コンバーター式/アイドロッパー式と
三拍子そろった軸なのです。
さらにこちらのライトバランスは尻軸に重りがあって、バランスを変えることも可能。
アイドロッパー式のときは重量が重くなりますので重りは無しでもいいかもしれません。
それと、アイドロッパー式にするとインクの色が胴軸から透けて、印象が変わる場合がありますので、それを加味して色選びをしてくださいね。
マイオーラ アルファ アイドロッパー ネロ ローズゴールドトリム 万年筆 Maiora Alpha Eyedropper Nero RGT
マイオーラのアルファのスチールニブタイプはアイドロッパー式です。
▶レオナルド モザイコ キアロスクーロ 万年筆 14Kニブ(ゴールド/パラジウムトリム) Leonardo Mosaico Chiaroscuro Fountain Pen
レオナルドのモザイコシリーズやモーメントゼログランデはピストン吸入式で、タンクが大きく筆記量が多いかたに便利。
レオナルドはピストン吸入式のものを分解できるツールがあるのも必見!
▶スクリーボ 限定生産品 フィール インヴェルノ 万年筆 14Kフレックス/18K SCRIBO Feel Inverno (Winter) Fountain Pen
スクリーボはオーソドックスなピストン吸入式です。
凍てついた土を思い起こさせる色合いです。
朝の散歩のとき、しゃきしゃきと踏みたくなる霜柱や
硬い地面。でも、それはもうすぐ来る春を孕んでいる、冷たさ。
イタリアの大地も凍てついているのでしょうか。
さまざまな吸入方式が存在しますが、ご自身のライフスタイルや
どこに優先順位を置くかでぴったりのペンを選べるといいですね♩
Il Duomoでは「吸入方式で探す」というというページもありますので、ぜひ探してみてくださいね。
万年筆の使い方・選び方に困ったら
万年筆の使い方、ペン先の選び方などご相談に乗れますので、気になる方はぜひLINE@でお気軽にトークしてみてくださいね(*'▽')
使い方・選び方に困ったら 万年筆の使い方・選び方で困ることがあればLINE@からお気軽にご質問くださいね!
Il Duomoの店長があなたのお好みの色や予算などを聞いて、リストアップすることもできますよ。 LINE@で商品のお問い合わせを簡単に♪さらに、LINE@限定でお得なクーポンを配布中。友だち追加してね。
IDで検索↓
【@vfj5261w】
スマートフォン、タブレットの方はこちら↓