カテゴリー: 万年筆の楽しみかた

  • 万年筆の歴史 【書く道具の歴史】ペンドクターから伝授

    万年筆の歴史 【書く道具の歴史】ペンドクターから伝授

    ペンの歴史

    こんにちは、Il Duomo(イル・ドゥオモ)新方です。

    今回は先日ペン調整で研修をしていただいたペンドクターのあまり知られていないペンの歴史をまとめてみました。

    とてつもなく昔からあった書きものの歴史

    万年筆の歴史 【書く道具の歴史】ペンドクターから伝授

    万年筆の歴史で言うと、そもそも筆記具って古代エジプトまで遡って5~6000年前、パピルスに葦の茎を削ったものをペン先にして、顔料みたいなものを砕いたものをつけて書いていたところが出発点にあるんですね。 で、さらに前のメソポタミア文明シュメールの方だと、同じように葦の茎は使ってるんですけど、紙がないので粘土板に押し付ける形だった。 だから「インクをつけてペンとして書く」っていう意味では、エジプトあたりが一番古いんじゃないか、っていう話になります。

    そこから時代が下ると、中世ヨーロッパで映画とかでも見る羽根ペンですね。 鳥の羽根の軸が中空構造になってるのを利用して、専用のナイフ(クイルナイフ)で削り出して使ってた。 ただ羽根は摩耗するから、書き味が悪くなったら削り直しになるし、いい羽根がいつも入手できるかって問題もあった。

    ペンが生まれた瞬間

    万年筆の歴史 【書く道具の歴史】ペンドクターから伝授 - 関連画像2

    イギリスの産業革命前夜くらいに鉄をだいぶ薄くできるようになって、「じゃあ鉄でペンの形作って使えるようにしてしまえ」ということで鉄ペンが生まれた。 ただこの段階で、インクとの相性問題が出てくるんですよね。 当時一般的に使われてたのが、いま「古典インク」として販売されているタイプで、鉄を酸に溶かし込んで作るインク。 書いた直後は色が薄くて、鉄分が酸化して定着して黒くなる。 さらに、書いた線が見えないと困るから藍(インディゴ)を加えて最初は青く書けるようにして、あとから黒ずむ。 これが「ブルーブラック」の語源で、公文書はブルーブラックで書け、っていう話にもつながってた。

    ただ、この「水に強い」「長期保存に向く」っていう長所が、万年筆側ではトラブルにもなった。 放っておくと万年筆の中で古典インクが乾いて固まってしまって、普通の水洗いで落ちない。 そういうケースが増えて、結果として「普段ほったらかしでも固まりにくい」「油性インクで水に強い」ボールペンがどんどん増えていった。 万年筆がボールペンに取って代わられた大きな理由はそこですね。

    ボールペン 時代の転換期

    万年筆の歴史 【書く道具の歴史】ペンドクターから伝授 - 関連画像3

    しかもボールペンは、先端にボールがあって、そのボールが真球に近いか、抜け落ちないようにしつつインクが流れるようにするか、っていう精密加工が必要で、国の工業力が出る筆記具でもある、っていう話がある。 ベアリングを作る技術と重なるんですね。 なので日本のボールペンは世界トップの一つで、逆に中国は伸びてきてるけどリフィルの評価は高くない、という見方もある。

    で、その古典インクが「洗えない・溶かせない」って弱点に対して、固定インクはビタミン c 水溶液です。 酸化還元反応で酸化で定着固まった鉄分を還元反応で溶かしてるんですね。 それでこう対応しています。 開発したのは日本人のインク愛好家ですね。 ご自分で古典インク作っている方ですごいですね。 すごい。 この方の協力でプラチナさんが古典インクのカラーバリエーションを出したのがきっかけで、古典インクっていうのが再評価されてブームちょっとね、来た形になってるんですね。 溶かせるから安心して使えるよみたいな感じで そう それで流行ったんですね 。

    インクブームの流れへ

    ミッドナイトインフローレンス ビスコンティ ヴィスコンティ Visconti 万年筆これが近代に至って、再評価されるように至ったっていうのは、本当にインクブームに乗っかったってところと、個人個人が使い続けることによって、その人の手に馴染む、要はペン先のところがすり減って、その人の書き癖を覚えてくれる。 使うことでその人に合わせて育ってくれるっていうところが、受けてるという部分はかなり大きいと思うんですよ エージングみたいなものが変わってくるそうです。

    このペン先のところの方も、まあこれはステンレスですけれども、古典インクっていうのは酸、硫酸とか塩酸がものによって使われているので、すぐ錆びちゃうわけですよ、鉄ペンは。 なので錆びない金属ということで金が使われるようになりました そこからが金なんですね そう、それまでは一応あの貴族階級とか上流階級の方では、もうサビないから金で作ったペンをっていうふうなのはあったんです。 ただ、金は擦り減るのが早い、柔らかいです。 なので、金があるところしか使えなかったわけですね。 で、そこに対して、ペン先のところにイリジウム、プラチナ系の耐摩耗性が高い金属ですね。 それをくっつけることを考案したやつがいまして すごい で、じゃあ金の先端のところにそのイリジウムをつけたら、こう摩耗しないで長く使えて、酸にも強い最高のペンできるんじゃないかっていう風な形で作られたわけですね。 ちなみにこのイリジウム、日本国内でも産出しています。 北海道で産出されてるんですね。 あの漫画原作でアニメあの、映画にもなったゴールデンカムイっていう作品がありますけれども、あれの中で北海道編で金掘りしてる連中が、あの金以外でもあの都会の方に売れる金属があるんだっていう風に騒いでたのはこのイリジウムですね。 で、その北海道産のイリジウムを購入してメインで使ってたのがパイロットなんです。北海道産のイリジウムってめっちゃ硬かったらしいんですよ。 パイロットが万年筆に使うようになって、当初毎日筆記具としてね、公式に使われるのが万年筆だった時代に、購入してから三年後にそろそろお手になじんだ頃でしょうかっていう伺いのハガキをパイロットが顧客に出してたんですよ。

    現在と過去の使い方の違い

    万年筆イラスト

     

     

     

     

     

    今と比較にならないくらい使い込んでいる時代で、 三年経ってようやく手になじんだかっていうね。 ちなみに現代だったらヶ月使えば手になじみ始めるって言われてます 3ヶ月か。 ちょっと話ずれるんですけど はい その結構最初の時点でベストの状態にしておく方がいい説と、様子見てなじませた方がいい説と二つあるじゃないですか。それ調整師の間でも意見分かれてるんです。

    ただ結論から言っちゃうと、あの書き味のピークっていうのが種類あるっていう言い方が一番正しいと思うんです。 僕らの調整の方で、その人その人の書き癖に合わせてピークを本当にピークにピッっていう風に上げる形はできます。 ただ、そうすると使い込むとそのトップのピークの書き味っていうのはすぐ劣化し始めちゃうわけです。

    そのペン先のところの最良の状態が劣化し始めると同時に、その人の書き癖っていうのもペンに馴染んでいって、こう使い手として調和が取れる書き味っていうのがこういう風に上がってくるんですね。 グラフの方の書き味のピークがこういう 二種類の山になるんです。 で、その人の手癖と、あの万年筆の方の状態が一致した後のピークっていうのはかなり長続きするんです おー本来、調整師が調整しないで自分で育てるっていうのは、この赤穂者の方を持続する。 書き味を長引かせるっていうふうな、そっちの方を育てるっていうふうちょうになっていくんですね。

    参考文献

    東京大学大学院 総合文化研究科|紙の手帳の脳科学的効用について ~使用するメディアによって記憶力や脳活動に差~

    国際生命情報科学会誌:色彩の生体心理効果(木戸 眞美) 

    一般社団法人映像情報メディア学会|青色のストレス反応抑制効果~唾液コルチゾールによる検証~ 

    University of Waterloo による実験(2017年)

    Journal of Human Environmental Studies :伝達先記憶はソースメモリーより脆弱なのか?

    ▼ あわせてお読みください
    集中力と記憶力を高める!勉強におすすめの万年筆と青インク活用術
    万年筆のいろいろな吸入方法。どれを選ぶか?
    ペン先調整講座に参加してきました。レポ

    Il Duomoで万年筆の世界を体験する

    万年筆の歴史を知ると、その背景にあるイタリア・ドイツ・日本それぞれのクラフトマンシップにも興味が湧いてきます。Il Duomoでは、各国の万年筆を実際に手にとってお試しいただけます。

    アウロラ(イタリアの伝統派)
    ビスコンティ(芸術系)
    モンテグラッパ(老舗ブランド)
    Il Duomoのショップで万年筆をみる

    関連記事

  • 集中力と記憶力を高める!勉強におすすめの万年筆と青インク活用術

    集中力と記憶力を高める!勉強におすすめの万年筆と青インク活用術

    学びをもっと快適に。疲れにくい万年筆のススメ

    学習に最適な万年筆 

    こんにちは、Il Duomo(イル・ドゥオモ)です。

    大人も子どもも、学びがますます重要になっているこの時代。
    受験勉強はもちろん、リスキリング…社会人のスキルアップや資格取得など、日々の努力が求められる場面は多いですよね。

    例えばTOEICでスコアを100点上げるには200〜300時間、宅建士の試験合格には最大500時間もの学習が必要だと言われています。
    これだけの長時間、少しでも負担を減らしたい…さらには学習に効果的な道具が欲しい!
    そんなときにおすすめしたいのが「万年筆」です。

     長時間の筆記でも疲れにくい理由

    万年筆の最大の魅力は、書くときの手の負担が少ないこと。

    ペン先が紙に軽く触れるだけでインクがスムーズに出る構造なので、強い筆圧をかけずに済みます。
    特に軸が太めのモデルでは筆圧が下がり、持ちやすいのも特徴。

    万年筆は長時間の勉強やノート作成でも手が痛くなりにくいのです。

    社会人の方からは「長時間使っても手が疲れにくく、集中力が続く」といった嬉しい声もいただいています。

    「書いて覚える」には、科学的な理由がある

    学習に最適な万年筆

    昔ながらの学習法、「手で書いて覚える」。実はこれ、ただの気合い論ではありません。

    東京大学の研究によれば、手書きでノートを取った学生は、デジタルデバイスでタイピングした学生よりも記憶の定着率が高かったというデータがあります。

    言語聴覚士さんから聞いた話ですが、特に文字のかたちや語彙などを覚える際、「指の感触」が非常に重要で、
    書字障害のお子さんなどに砂に文字をゆっくり書くワークをすることで文字の形を覚えやすくするアプローチがあるとのこと。
    手書きには「書く」という動作と「見る」という視覚的情報がセットになっており、脳の広範囲が活性化されるそうです。
    書字障害へのアプローチとしても「手で書く」ことの重要性が認められていることから、やはり手書きは記憶力を高めるうえで大きな効果があると言えるでしょう。

    青インクが記憶を助ける?

    学習に最適な万年筆

    さらに注目されているのが、「青色のインク」の効果です。

    青は“集中”や“冷静さ”を引き出す色として、心理学的にも高い評価を得ています。青色を見ることでストレスホルモンの分泌が抑えられ、リラックスした状態で学習に取り組めるとも言われています。

    実際に「青インクでノートを取ると記憶に残りやすい」という声も多数。脳が“普段と違う刺激”に反応しやすいため、黒ではなく青を使うことで印象が強く残るのです。

    あの有名な「青ペン書きなぐり勉強法」も、まさにこの発想から生まれています。書いたページが青で埋まっていく達成感は、モチベーションアップにもつながりますよ。

    万年筆ユーザーに向いている!効果的な勉強法4選

    せっかくなら効果的な勉強法をしたいもの。
    筆記ならではの五感をくすぐる方法や、インクの色を活用した勉強法をご紹介します。

    1. コーネルノート法(Cornell Method)

    学習に最適な万年筆 コーネル法

    記憶の整理と復習に最適なノートレイアウト法。

    やり方:

    ノートを以下の3つの領域に分けます:

    1. メインノート欄(講義や読書内容などを記録)
    2. 左:キーワード・質問欄(復習時に使う)
    3. 下:要約欄(復習後に内容をまとめる)

     

    学習に最適な万年筆 コーネル法

    なぜ記憶に効く?

    ・情報を自分の言葉で整理することで、理解が深まる
    ・後日見返すときに効率的
    ・「問いを立てる」習慣が定着しやすい

    🖋おすすめ万年筆活用法:
    左欄と右欄で色(インク)を分けると、視覚的に情報を分類しやすくなります。青系インクでメイン、疑問に思ったことを赤インク、など。

    2.マッピング法(マインドマップ)

    学習に最適な万年筆 マインドマップ法

    関連づけて覚えるのが得意な人におすすめ。

    やり方:

    中央にテーマを書き、そこから放射状に枝を伸ばして関連キーワードをつなげていきます。

    もし対立する分野があれば視覚的にも対立させたり、仲間同士を近づけたりすると連想しやすいです。

    なぜ記憶に効く?

    ・脳の“連想記憶”に働きかける構造
    ・図と文字の組み合わせで視覚的に記憶しやすい
    ・理解・発想・記憶を同時に促進

    🖋おすすめ万年筆活用法:
    複数色のインクを使って枝の階層ごとに色分けすると、構造がはっきりします。ブルーブラック・ターコイズ・セピアなども映えます。

    3. Feynman(ファインマン)テクニックノート

    学習に最適な万年筆 ファインマンテクニック 学習に最適な万年筆 ファインマンテクニック

    「教えるように書く」ことで、記憶も理解も深まる!

    やり方:

    1. 学習したこと(これから書くこと)のタイトルを書く
    2. 学んだ内容をノートに「人に教えるつもり」で書く(難しい言葉を使わず、自分の言葉で説明する)
      実際に声に出して説明するのが大事!
    3. 説明しきれなかった部分や疑問に思ったことをメモしておく
    4. ③のうまく説明できなかったところを見直して再学習

    学習に最適な万年筆 ファインマンテクニック

    学習に最適な万年筆 ファインマンテクニック

    なぜ記憶に効く?

    ・「教えようと書く」ことによって、理解があいまいな箇所を可視化

    🖋おすすめ万年筆活用法:
    重要な部分は赤インク、それ以外はブルー系など分けるとわかりやすい。声に出してみて、重要なキーワードが出てきたら違う色にしてもいいでしょう。

    4. 青ペン暗記ノート法(応用編)

    語彙ノート 学習に最適な万年筆 

    「青インクで書くと記憶に残る」をさらに活かす方法。

    黙読・他人に読まれる・自分の録音を聞く・リアルタイム音読の4条件を比較し、リアルタイムの音読が記憶において最も有効であることがわかっています。

    やり方:

    ・覚えたい内容は青ペンで書く
    ・繰り返し書きながら声に出す!

    なぜ記憶に効く?

    ・青色の心理効果(集中・リラックス)
    ・繰り返しのアウトプットで学習強化
    ・声に出すことでより「生産効果」が高まり、記憶に残る

    🖋おすすめ万年筆活用法:
    視認性の良いブルー・ターコイズ・ロイヤルブルーなどを使うと記憶に残りやすく、色の美しさがモチベーションにも。

     万年筆が特におすすめな方

    こんな方には、ぜひ万年筆を学習のお供にしてみていただきたいです。

    • 長期間の受験勉強を頑張る学生の方
    • 資格試験に挑戦する社会人の方
    • 語学学習に取り組む方
    • 記憶力を高めたい中高生
      …などなど

     

     万年筆選びで注目すべきポイント

    「どんな万年筆が勉強向きなの?」と迷われる方のために、以下のような基準で選ぶと安心です。

    • 軽くて持ちやすいデザイン(手の大きさや筋力にもよりますが40gくらいまでが扱いやすい)

    • 筆圧に左右されない滑らかな書き心地

    • カートリッジ式でインクの扱いが簡単

    • 青インクが映えるインク窓付きモデル(青ペン勉強法の場合)

    初心者向けのモデルでも、驚くほど快適に書ける万年筆がたくさんあります。

    字幅は?

    ビスコンティ 字幅サンプル

    一般的なノートのサイズ、漢字を書くこと、それと視認性のことを考えると、EFかFがおすすめです。

    特に舶来品であれば、EFがよいでしょう。

    (字を大きく書く方はMやBでもよいと思います。)

    長時間筆記のことを鑑みると、フレックスや柔らかすぎるペンなど特殊なペン先(スタブ、イタリック、ミュージックニブなど)は避けた方がよいです。

    あると便利!吸い取り紙やブロッター、おすすめノート

    大量の文字を書くと、インクが手に付きがち。

    ブロッターを使ってインクを適宜吸い取ってあげると快適です。

    ブロッター 勉強 学習に最適な万年筆の道具
    ブロッター

    吸い取り紙
    ブロッティングぺーパー 吸い取り紙

    ノートは、紙の質感によっていろいろな種類があるのでお好みですが、五感をより刺激するなら「ざらざら系」ノートがおすすめ。

    コクヨが出しているペルパネプ ザラザラという商品は、絶妙にザラザラな質感の紙を採用しており、
    記憶に残りやすいノートと言えるでしょう。
    ザラザラな分、滲みは出ますのでお好みで。

    万年筆に向いている 学習用ノート

    ノート ペルパネプ ザラザラ

    ツバメノートも適度な質感で勉強に向いています。

    ツバメノート 学習に適したノート

    ツバメノート  B5

     好きなペンと色で、学びの時間が変わる! 学びに寄り添う、特別な一本を

    「お気に入りのペンがあるだけで、自然と書きたくなる」

    そんな経験、ありませんか?わたしはあります…!

    お気に入りの万年筆を手にすることで、書くこと自体が楽しくなり、勉強にも前向きになれるという声は多く聞かれます。
    インクの香り、ペン先が紙を滑る感触、美しい発色…。万年筆は五感を心地よく刺激してくれるツールでもあるのです。

    気分によってインクの色を変えたり、ペンのデザインを選んだりと、まるで毎日を彩るファッションのような楽しみ方もできます。

    毎日の学習は、時に辛くなることもありますよね。
    そんなときでも、「この万年筆があるから、もう少し頑張ってみよう」と思えるような一本が、きっとあなたの背中を押してくれます。

    学びの相棒として、あなたにぴったりの万年筆を探してみませんか?
    集中力と記憶力を高めるお手伝いができたら、私たちも嬉しいです。

    🖋 勉強におすすめの万年筆と青インクは、こちらのページ↓でご紹介しています。
    自分だけの“特別な一本”を、ぜひ見つけてみてください。

    学習に最適な万年筆

    参考文献

    東京大学大学院 総合文化研究科|紙の手帳の脳科学的効用について ~使用するメディアによって記憶力や脳活動に差~

    国際生命情報科学会誌:色彩の生体心理効果(木戸 眞美) 

    一般社団法人映像情報メディア学会|青色のストレス反応抑制効果~唾液コルチゾールによる検証~ 

    University of Waterloo による実験(2017年)

    Journal of Human Environmental Studies :伝達先記憶はソースメモリーより脆弱なのか?

    ▼ あわせてお読みください
    万年筆の歴史 【書く道具の歴史】ペンドクターから伝授
    万年筆で 読書記録のススメ
    それぞれのメーカーの書き味の違いを最大限感じるために

    ▶ 試験で長時間書く方に向けた一本選びはこちら。
    【万年筆屋が選ぶ】司法書士試験にぴったりな万年筆、ボールペンの特徴は?

  • 万年筆の基礎知識|インクの種類やインクが出る仕組みを徹底解説

    万年筆の基礎知識|インクの種類やインクが出る仕組みを徹底解説

    【注意】

    本サイトに掲載されているすべての内容の著作権は当社または正当な権利者に帰属します。無断での複製、転載、転用、改変を固く禁じます。

    1.はじめに|このコラムについて

    こんにちは、わたしはつくしと申します。
    先日、Il Duomoでモンテグラッパのインクを購入して、レビューを書いたのですが、
    モンテグラッパのユーザーだけでなく万年筆の幅広いユーザーの方にインクのことを伝えたいという想いがあり、
    この記事を書くことにしました。

    万年筆インクとひと口に言っても、とてもバラエティーが豊かです。
    たくさんあって選ぶのが難しい、とか、どういう基準でメーカーがインクづくりをしているか気になる、という意見もあるかと思います。

    こちらの記事では、万年筆インクについてもっと詳しく知りたい!
    基礎知識をできるだけ専門的に知りたいというかた向けに説明しています。

    もちろんボトルのデザイン、インクの色、インクの粘度などの要素は人によって感覚が異なりますが、
    このコラムは私の主観も入りつつ、なるべく客観的な意見を中心にしてみました。

    とはいえ、1人のユーザーの意見なので、メーカーの見解と異なる場合もあります。

    様々なメーカーのインクの購入を検討する上で、参考資料として読んでいただけたら光栄です。

    このコラムを執筆することで、万年筆の文化に貢献できればと考えています。

    (長文なので目次から拾い読みしていただいても大丈夫です。)

    2.ボトルのデザインいろいろ

    万年筆インクは、ボトルも魅力の一つと言えましょう。ボトルのデザインはメーカーやレーベルによって様々です。
    インクが少なくなっても吸入しやすいようにデザインされていたり、芸術的な意匠のボトルもあります。

    素材はガラスが主ですが、まれにプラスチックも存在します。

    モンテグラッパ インク
    図1 モンテグラッパ インクボトル ブルー

    ビスコンティ インクボトル

    図2 ビスコンティの現行型ボトル

    図3 モンテグラッパのボトル


    図4 ビスコンティの旧ボトル


    図5 モンブランのボトル

    3.インクの種類(染料インク・顔料インク・古典インク)

    さて、本題のインクの種類について学んでいきましょう。

    万年筆のインクには染料インク、顔料インク、古典インクの3種類があります1)

    インクブームでいろいろなインクをコレクションしている方もいらっしゃいますが、
    この3種類は用途やメンテナンス方法が異なるため、どのインクがどの種類に属するのかは、きちんと把握しておく必要があります。

    染料インク

    • 色材に染料が使われていて、水に溶けやすい。
    • 水に濡れるとにじみやすくて、光に弱く退色 (色あせ) するので、文章の長期保存には適していない。
    • 用紙の繊維の中まで入り込むので、筆跡に濃淡が出やすい。
    • ペン先で詰まったインクを洗い流しやすく、万年筆内部のトラブルは起きにくいので、万年筆のメンテナンスをしやすい。
    • 最も一般的なインクで、色のバリエーションが豊富にある。
    • モンテグラッパのインク、パイロットの色彩雫、セーラー万年筆の四季織などは染料インクである。

    顔料インク

    • 色材に顔料が使われていて、耐水性、耐光性に優れている。
    • 染料インクと比べると、筆跡がはっきりとしていて、にじみにくくて、裏抜けしにくい。
    • 用紙の表面に付着するので、筆跡に濃淡が出にくい。
    • ペン先および万年筆内部で詰まったり、固まってしまうこともある。
    • しばらく使わない場合やインクを入れ替える場合は、ペン先と首軸をインククリーナーキットできれいに洗浄する必要がある。
    • 染料インクと比べて色のバリエーションが少ない。
    • セーラー万年筆のストーリア、プラチナ万年筆の水性顔料インクなどが顔料インクである。

    古典インク (没食子もっしょくしインク)

    • 染料インクに鉄分と酸性分を加えて作られたインクである。
    • 初めは染料の青色で、時間が経過すると染料は退色するが、鉄分は酸化して黒くなり用紙に定着する。
    • 耐水性・耐光性に優れていて、文章の長期保存に適している。
    • 染料インクの成分が含まれているので、筆跡に濃淡が出やすい。
    • ペン先や万年筆の内部でインクが乾燥したり固まると、洗浄することが困難になる。
    • ペン先と首軸の金属リングの腐食を防ぐために、インク吸入後はペン先と首軸をきれいに拭く必要がある。
    • 染料インクと比べて色のバリエーションが少ない。
    • ペリカンのブルーブラック、プラチナ万年筆のブルーブラック、クラシックインクなどが古典インクである。

    このように、まったく性質が異なるインクが3種類あるのです。

    古典インクは、色が変化するのもおもしろく近年人気が再燃していますが、メンテナンスには注意が必要です。
    インクの使い方の注意事項、インクの吸入方法などについてはこちらの記事をお読みください。

    あわせて読みたい:インクの 洗わないとインク漏れも! カートリッジ式・コンバーター式万年筆の洗い方

    あわせて読みたい:インクの 混ぜない、足さない! 万年筆インクの正しい使い方―古典インク、顔料インク、染料インクとは

    あわせて読みたい:インクの 【万年筆入門③】万年筆へのインクの入れ方を丁寧に解説!コツは?

    この章のまとめ:
    ・万年筆インクには主に3種類のインクがあり、それぞれに注意点があるので、用法を守って使いましょう!

    4.ブルーインクの色の比較

    さて、インクにはいろいろな色が存在します。この色の絶妙な違いがインク集めの楽しみとも言えます。
    ここではモンテグラッパ、モンブラン、ペリカンの3社のブルーインクの色を比較します。

    モンテグラッパのブルー、モンブランのロイヤルブルーは乾くと濃い紺色になります (図6、7)。

    この青色はイタリア人のイメージする海を形にして表したものだと私は考えています。Il Duomoのホームページに掲載されているサンプルよりも若干明るい色になります。

    ペリカンのロイヤルブルーは乾くと、若干紫色が入った鮮やかな青色になります。 (図8)。

    一言でブルーと言ってもメーカーごとに色彩が異なるのはインクの魅力ですね。

    図6 モンテグラッパ ブルー 万年筆:モンテグラッパ 1930エキストラ(旧型) (極細EF)

    図7 モンブラン ロイヤルブルー 万年筆:モンブラン マイスターシュテュック シルバー・バーリー (細字F)


    図8 ペリカン ロイヤルブルー 万年筆:ペリカン スーベレーンM800 (中字M)

    この章のまとめ:ブルーのインクとひとくちにいってもメーカーごとに色彩が異なる。

    5.インクと紙には相性がある!

    インクと万年筆の相性、ということはよく言われますが、インクと紙の取り合わせにも相性がある、
    ということも実は重要な点です。(インクと万年筆の関係性については6,7,8章で説明しますね)

    用紙によって線幅 (筆跡の太さ) が変化するのかモンテグラッパのブルーインクをエキストラ (EF) に入れて検証します。

    ミドリのMDノート、LIFE (ライフ) のSCHOPFER (シェプフェル)、マルマンのMnemosyne (ニーモシネ)、コピー用紙の4つの紙で試筆します。

    にじみとは、用紙の表面においてインクが紙の繊維に染み込んで広がること、

    裏抜けとは、用紙の裏面の繊維までインクの染み込みが到達することです。

    コピー用紙はにじみやすくて、4つの紙の中でコピー用紙だけインクが裏抜けします。

    このことから、コピー用紙は他の用紙より吸水性が高いことがわかりました。

    対して、他の3つの紙はにじみにくくて、EFらしい細い筆跡になりました。

    総じてみると、モンテグラッパのブルーインクは、4つの紙の中でニーモシネが1番自分に合いました。

    図9 ミドリのMDノートにモンテグラッパのブルーインクで試筆

    図10 ライフのシェプフェルにモンテグラッパのブルーインクで試筆

    図11 マルマンのニーモシネにモンテグラッパのブルーインクで試筆

    図12 コピー用紙にモンテグラッパのブルーインクで試筆

    インクフローとは

    そもそもインクフローとは何でしょうか?

    インクフローはペン芯からペン先へ送るインクの供給量のことで、用紙のインクを引っ張る力ではありません
    同じ万年筆・同じインクを使用したとき用紙を変えてもインクフローは変化しませんが、
    用紙のインクを引っ張る力 (吸水性) によりにじみやすさ及び裏抜けの程度が変化します。

    用紙の吸水性が高いとき、にじみやすくて裏抜けしやすくなり、

    用紙の吸水性が低いとき、にじみにくくて裏抜けしづらくなることが示されました。

    この章のまとめ:
    ・にじみとは、用紙の表面においてインクが用紙の繊維に染み込んで広がることである。
    ・裏抜けとは、用紙の裏面の繊維までインクの染み込みが到達することである。
    ・インクフローとは、ペン芯からペン先へ送るインクの供給量のことで、用紙のインクを引っ張る力ではない。
    ・用紙の吸水性が高いとき、にじみやすくて裏抜けしやすくなる。
    ・用紙の吸水性が低いとき、にじみにくくて裏抜けしづらくなる。

    6.粘度と書き味の関係

    さて、ここからは、よく言われる「インクの粘度」について書いていきます。
    粘度は物質の粘り気を表しています。粘度が高いときドロドロしていて、粘度が低いときサラサラしています

    例えば、絵の具を想像するとわかりやすいですが、水をあまり含まない絵の具で絵を描いた時、
    水をたっぷり加えた絵の具で絵を描いた時、筆の進み具合が違いますね (図A)。

    図A 絵の具のスケッチ

    それを踏まえて読んでいただければと思います。

    インクの粘度の違いが書き味に及ぼす影響はどのようなものでしょうか。

    『趣味の文具箱 vol.40』の「万年筆のインクの表面張力と粘度の値」を参考にして、
    インクはモンテグラッパのブルー、ブラック及びペリカンのロイヤルブルー、ブラックを選びました2)。(表1)

    表面張力の単位はmN/m (ミリニュートン毎メートル)、粘度の単位はmPa・s (ミリパスカル秒) です。

    単位は難しいので覚えておかなくても大丈夫ですが、表面張力も粘度も、
    数値が高ければ高いほど表面張力や粘度が高くなるということです。
    (この雑誌内ではモンテグラッパのブラックのインクは表面張力と粘度の値を記載されていませんでした。)

    表1には、今回のコラムで使用したメーカーのインク、20℃の水 (基準値) における粘度・表面張力・pH値を載せました1) 2) 3)

    ペリカンのブラックは粘度が高く (20℃の水の約1.5倍)、ペンポイントと用紙の間に生じる摩擦が小さいため、滑らかな書き味になります(図13)。

    モンテグラッパのブルー、ペリカンのロイヤルブルーの粘度は低くてペンポイントと用紙の間に生じる摩擦が大きいため、しっかりとした書き味になります(図14,15)。

    ペリカンのロイヤルブルーの粘度は水に近くてサラサラでニブを洗浄しやすいので、実店舗において万年筆の試筆で頻繫に使用されます。

    モンテグラッパのブラックは、ブルーと同様に粘度が低くてしっかりとした書き味です(図16)。

    従って、万年筆のインクは粘度が高いとき、ペンポイントと用紙の間に生じる摩擦が小さいため、滑らかな書き味になり、
    粘度が低いとき、ペンポイントと用紙の間に生じる摩擦が大きいため、しっかりとした書き味になることが示されました。


    図13 インク:ペリカン ブラック 万年筆:トレドM900 (極細EF)


    図14 インク:モンテグラッパ ブルー 万年筆:エキストラ地中海ブルー (極細EF)

    図15 インク:ペリカン ロイヤルブルー 万年筆:スーベレーンM800 (中字M)


    図16 インク:モンテグラッパ ブラック 万年筆:フェリチータ (細字F)

    この章のまとめ:
    ・粘度は物質の粘り気を表していて、粘度が高いときドロドロしていて、粘度が低いときサラサラしている。
    ・粘度が高いとき、ペンポイントと用紙の間に生じる摩擦が小さいため、滑らかな書き味になる。
    ・粘度が低いとき、ペンポイントと用紙の間に生じる摩擦が大きいため、しっかりとした書き味になる。

    7.粘度とインクフローの関係

    今度は、インクの粘度の違いが乾きやすさに及ぼす影響について検証します。再び表1を見てみましょう。

    粘度 表面張力 インク

    ペリカンのブラックは粘度が高くて、モンテグラッパのブル-は粘度が低いです。

    ペリカンのブラックとモンテグラッパのブル-の表面張力は近いですね。

    この2種類のインクをモンテグラッパのフェリチータ (F) に入れてインクの乾きやすさを比較します。

    このフェリチータのような両用式の万年筆は、コンバーターに色のついたインクを入れると色彩を楽しむことができます(図17)。

    図17 フェリチータのコンバーターにモンテグラッパのブル-インクが入っている様子

    透明な吸入式万年筆(デモンストレーターなど)もインクの色を楽しめますね。

    用紙はマルマンのMnemosyne (ニーモシネ)を使用します。

    図18 粘度と乾きやすさの関係 (5秒)ペリカン ブラック(上)、モンテグラッパ ブル-(下)

    図18はペリカンのブラック、モンテグラッパのブル-で文字を書いて、それぞれ5秒後に指で擦った様子です。

    ペリカンのブラックで書いた文字はモンテグラッパのブル-で書いた文字よりインクが広がり汚れています。

    ペリカンのブラックのように粘度が高いとき乾きづらくて、モンテグラッパのブル-のように粘度が低いとき乾きやすいことが示されました。

    粘度が高いインクを使用して、縦書きで文字を書く場合、左利きのユーザーが横書きで文字を書く場合は手で擦って用紙を汚さないように気をつけるべきですね。

    次に粘度の違いが用紙のインクフローに及ぼす影響について検証します。
    万年筆はペリカン トレドM900 (極細EF) を使用して、ペリカン ブラックとペリカン ロイヤルブルーのインクフロー、
    にじみやすさ及び裏抜けを観察します (ペリカン トレドM900は図13を参照)。

    ペリカン ブラックはペリカン ロイヤルブルーの約1.5倍も粘度が高くて、両者の表面張力は近いです (表1参照)。

    ただし、私が所有しているトレド (極細EF) のインクフローは多くて、ペリカンの細字Fの字幅に相当します。
    紙は吸水性の良いコピー用紙を使用します。筆圧、筆記角度、筆記速度、用紙により、にじみやすさ及び裏抜けの程度は変わることをご了承願います。

    粘度は流体の流れやすさを表わします。
    粘度が高いときインクは流れにくいので、インクフローは少ないです。
    しかし、用紙の表面において、ペリカン ブラックはペリカン ロイヤルブルーよりにじみが多いので、筆跡が太くなっています (図19a)。
    粘度が高くなっても、インクフローの減少より、にじみの方が筆跡の太さに影響しています。用紙の裏面において、ペリカン ブラックはペリカン ロイヤルブルーより裏抜けが多いです (図19b)。

    今度は、万年筆はフェリチータ (細字F) を使用して、モンテグラッパのブラックとモンテグラッパのブルーのインクフロー、にじみやすさ及び裏抜けを観察します。
    ただし、粘度の大小によるインクフロー、にじみやすさ及び裏抜けの違いをはっきりさせるために、モンテグラッパのブラックは水分をできるだけ蒸発させて粘度を上げて煮詰まった状態のインク (粘度 (強)) を使用します。

    用紙の表面において、モンテグラッパのブラック粘度 (強) の筆跡が細いことは、粘度が高いとき、

    インクの流速は遅いので、インクフローが渋くなることを表しています。

    モンテグラッパ ブルーの筆跡が太いことは、粘度が低いとき、インクの流速は速いので、インクフローが良くなることを表しています。

    しかし、モンテグラッパのブラック粘度 (強) はモンテグラッパ ブルーよりにじみが多いです(図20a)。

    用紙の裏面においては、モンテグラッパのブラック粘度 (強) はモンテグラッパ ブルーより裏抜けが多いです(図20b)。


    図19a 粘度の高低によるにじみやすさの比較1 (表面)ペリカン ブラック (上)、ペリカン ロイヤルブルー (下)  万年筆:トレドM900 (極細EF)

    図19b 粘度の高低による裏抜けの比較1 (裏面)ペリカン ブラック (上)、ペリカン ロイヤルブルー (下)  万年筆:トレドM900 (極細EF)

    インク 粘度 万年筆

    図20a 粘度の高低によるにじみやすさの比較2 (表面) モンテグラッパ ブラック 粘度 (強)(上)、モンテグラッパ ブルー (下)  万年筆:フェリチータ (細字F)

    インク 粘度 万年筆

    図20b 粘度の高低による裏抜けの比較2 (裏面) モンテグラッパ ブラック 粘度 (強)(上)、モンテグラッパ ブルー (下)  万年筆:フェリチータ (細字F)

    従って、粘度が高いときインクは乾きづらくて、にじみやすく裏抜けしやすく、粘度が低いときインクは乾きやすくて、にじみにくく裏抜けしにくいことが示されました。

    普段、煮詰まるまで水分を蒸発させたインクを使うことはほぼないです。
    よって、通常の使用では、粘度が高いとき、インクフローの減少より、にじみ・裏抜けの増加する影響力が強いので、筆跡は太くなると考えてインクを使っていただきたいです。

    粘度が高いとき、流速は遅いので、インクフローが渋くなり、粘度が低いとき、流速は速いので、インクフローが良くなることを確認できました。

    また、8章でも説明しますが、ペン芯と表面張力や粘度の関係性は深いですので、「粘度とインクフローの関係」は覚えておくとよいでしょう。

    この章のまとめ:
    ・粘度が高いとき、インクは乾きづらくて、にじみやすく裏抜けしやすい。
    ・粘度が低いとき、インクは乾きやすくて、にじみにくく裏抜けしにくい。
    ・粘度が高いとき、インクの流速は遅いので、インクフローが渋くなる。
    ・粘度が低いとき、インクの流速は速いので、インクフローが良くなる。
    ・通常の使用では、粘度が高いとき、インクフローの減少より、にじみ・裏抜けの増加する影響力が強いので、筆跡は太くなる。

    8.表面張力とインクフローの関係

    さて、次は、あまり馴染みがないかもしれない表面張力について説明します。

    万年筆インクにおいては、粘度だけでなく表面張力も重要な点になります。
    表面張力とは液体の分子同士がまとまって表面積をできるだけ小さくしようとする性質のことです。水滴が球状をしているのは表面張力によって縮まろうとするからですね。
    シャボン玉の表面張力について考えてみましょう。

    ストローの先にただの水をつけて吹いても膨らみません。

    ストローの先に洗剤を入れた水をつけて吹くと膨らんでシャボン玉になります。

    水だけでは表面張力が大きすぎて膜を作れませんが、洗剤に含まれている界面活性剤が水の表面張力を小さくするためシャボン玉を作ることができます (図B)。

    図B シャボン玉のスケッチ

    実は万年筆のインクにも界面活性剤が含まれていて、界面活性剤が少ないとき表面張力は大きくなり、界面活性剤が多いとき表面張力は小さくなります (表1)。

    万年筆のインクには界面活性剤が含まれているので、水 (20℃) よりも表面張力が低くなっています。

    一般的に、万年筆インクの表面張力が高いと、ペン芯の櫛 (くし) から櫛へ流れていく力が強い、ということになりますから「流れやすくなる」と言えます。

    ここからはかなり専門的な話になりますので、難しすぎる~!という方は枠の下まで飛んでください。

    表面張力と毛細管現象、そしてペン先スリットの関係性

    液体の表面に細管を立てると、液体は管内を上昇または下降する現象を毛細管現象と呼びます4) (図21a)。

    図21a 毛細管現象のスケッチ


    図21b 毛細管現象のスケッチ       表面張力Tが大 (左)、表面張力Tが小 (右)

    図21c 毛細管現象のスケッチ 円管の直径dが小 (左)、円管の直径dが大 (右)

    円管の直径をd、液体の壁に対する接触角をθ(シータ)、液体の密度をρ(ロー)、重力加速度をg、液面の平均の高さをh、表面張力をTとすると、

    h=(4T cosθ)÷(ρgd)

    この式は表面張力Tが大きいとき液面の高さhは高くなり、表面張力Tが小さいとき液面の高さhは低くなることを表わしています (図21b)。
    液面の高さhだけ上昇または下降したとき管内の液体の容積は、万年筆においてインクフローに相当します。
    よって、上式は表面張力が大きいときインクフローは良くなり、表面張力が小さいときインクフローは渋くなることを表わしています。

    上式は円管の直径dが小さいとき液面の高さhは高くなり、円管の直径dが大きいとき液面の高さhは低くなることを表わしています (図21c)。
    万年筆において、円管の直径dはニブの切り割り (スリット) の間隔に相当します。

    よって、スリットの間隔が狭いとき、毛細管現象の働きやすさにより、インクフローは良くなります。
    スリットの間隔が広いとき、毛細管現象の働きにくさにより、インクフローは渋くなります。

    ただし、ハート穴からペンポイントに向かってスリットの間隔が平行にならずに狭くなっていかないと、
    毛細管現象の働きにより、インクをペンポイントまで送ることができません (図22)。

    図22 スリットの間隔 万年筆:モンテグラッパ フェリチータ (細字F)

    ペン先調整において、インクフローを良くするときは、

    ハート穴からペンポイントに向かってスリットの間隔が狭くなるように、スリットの間隔を広げたりして調整します。

    つまりは、毛細管現象により、表面張力が高ければインクフローは良くなり、低ければインクフローは渋くなるはず、ということですね。

    それでは、表面張力の大きさがインクフローに及ぼす影響について検証していきます。

    表面張力が大きいインク及び表面張力が小さいインクをそれぞれ万年筆に入れて用紙に文字を書いて、上の理論計算が実際に成り立つのか考察します。

    なお、実際のインクフローでは、粘度と表面張力のバランスがありますから、粘度の影響を小さくするために、粘度が近くて表面張力が異なるインクでインクフローを比較します。

    求める条件を満たすインクとして、モンテグラッパのブルーとペリカンのエーデルシュタイン トパーズ (ターコイズ・ブルー) を選びました (表1)。

    表面張力に関してモンテグラッパのブルーは高く、ペリカンのエーデルシュタイン トパーズは低いです。

    ちなみにエーデルシュタインはペリカンの高級ラインのインクで、ロイヤルブルーと比べるとボトルのデザインが洗練されています(図23)。

    図23 ペリカンのインクボトルデザインの比較 ロイヤルブルー(左)、エーデルシュタイントパーズ(右)

    図24a 表面張力によるにじみやすさの比較 (表面)モンテグラッパ ブルー (上)エーデルシュタイン トパーズ (下) 万年筆:エキストラ地中海ブルー (極細EF)

    図24b 表面張力による裏抜けの比較 (裏面 )モンテグラッパ ブルー (上)エーデルシュタイン トパーズ (下) 万年筆:エキストラ地中海ブルー (極細EF)

    万年筆はエキストラ (EF) を使用して、モンテグラッパのブルーとペリカンのエーデルシュタイン トパーズのインクフロー、にじみやすさ及び裏抜けを観察します(エキストラは図6、14を参照)。
    にじみやすさ及び裏抜けを明確にするために、紙は吸水性の良いコピー用紙を使用します。

    筆圧、筆記角度、筆記速度、用紙により、にじみやすさ及び裏抜けの程度は変わることをご了承願います。

    用紙の表面において、モンテグラッパのブルーの筆跡が太くて、エーデルシュタイン トパーズの筆跡が細いことは、
    表面張力が大きいときインクフローは良くて、表面張力が小さいときインクフローは渋くなることを表しています(図24a)。

    モンテグラッパのブルーはエーデルシュタイン トパーズよりにじんでいます。

    用紙の裏面において、モンテグラッパ ブルーの裏抜けは多いですが、エーデルシュタイン トパーズの裏抜けは少ないです(図24b)。

    従って、モンテグラッパのブルーのように表面張力が大きいとき、毛細管現象の働きやすさにより、
    インクフローは良くなって、にじみやすく裏抜けしやすい
    ことが示されました。

    一方、エーデルシュタイン トパーズのように表面張力が小さいときは、毛細管現象の働きにくさにより、
    インクフローは渋くなって、にじみにくく裏抜けしにくいことが示されました。

    にじみ及び裏抜けが多いときは、表面張力の高いインクから低いインクに替えたり、
    吸水性の低い用紙を使うことにより、にじみ及び裏抜けを少なくすることができます (「5. インクと紙には相性がある!」参照)。

    また、このあとの章でも説明しますが、ペン芯と表面張力や粘度の関係性は深いですので、「表面張力とインクフローの関係」は覚えておくとよいでしょう。

    この章のまとめ:
    ・表面張力とは液体の分子同士がまとまって表面積をできるだけ小さくしようとする性質のこと。
    ・万年筆のインクには界面活性剤が含まれていて、界面活性剤が少ないとき表面張力は大きくなり、界面活性剤が多いとき表面張力は小さくなる。
    ・液体の表面に細管を立てると、液体は管内を上昇または下降する現象を毛細管現象と呼ぶ。
    ・ハート穴からペンポイントに向かってスリットの間隔が狭くなっていかないと、毛細管現象の働きにより、インクをペンポイントまで送ることができない。
    ・表面張力が大きいとき、毛細管現象の働きやすさにより、インクフローは良くなって、にじみやすく裏抜けしやすい。
    ・表面張力が小さいとき、毛細管現象の働きづらさにより、インクフローは渋くなって、にじみにくく裏抜けしにくい。

    9.気液交換とインクフローの関係 -ペン芯の構造がインクフローに影響を及ぼす-

    気液交換の仕組み

    ここでは、ペン芯の構造(万年筆のインクが出てくる心臓部!)について説明してきます(図C)。
    万年筆を使う上でとても重要な部分になりますので、この構造についてはぜひ知っておくとよいでしょう。

    ペン先から用紙に流れたインクの体積と同じ量の空気を胴軸内部のインクタンクに吸い込むことを気液交換と呼びます4)  (図25、26)。

    タンクの容積は変わらないので、インクの無くなった部分が真空にならないように、空気を取り込みます。

    インク溝は毛細管現象の働きにより、インクをタンク内から引き出して、ペン先まで導きます。(毛細管現象は「8. 1表面張力と毛細管現象、そして、ペン先スリットの関係性」参照)。

    インク溝は胴軸からペン先に向かって間隔が狭くなっていかないと、毛細管現象がうまく働かず、インクをペン先まで送ることができません5)

    ペン先のスリットの間隔よりも用紙の繊維の隙間の方が狭いので、毛細管現象によりペン先から用紙へインクが流れます。

    よって、ペン芯には、インクが通るインク溝、空気を取り入れる空気溝、余分なインクを溜めておく櫛溝、櫛溝 (くしみぞ) の空気を逃がす空気逃げ溝があります。
    醤油差しと同様に、空気溝が塞がってしまうとインクは出て来なくなります。

    ここで、気液交換において、インクが減った分だけペン芯の空気溝から胴軸内部のインクタンクへ空気 (気泡) を吸い込む仕組みを説明します。

    ペン先分解 万年筆
    図C 万年筆 ペン先分解図

    ※万年筆を分解して壊してしまった場合、メーカー保証の対象外となるので、個人の判断で分解をしないでください。

    では万年筆で線が書ける仕組みをおさらいしておきましょう!
    ペン先から用紙に流れたインクの容積と同じ量の空気を胴軸内部のインクタンクに吸い込むことを「気液交換」と呼びます5) (図26、27)。

    図25 ペン芯の構造


    図26 気液交換のモデル


    図27 ペン先の乾きを呼び水で解消


    図28 インク:セーラー 染料インク ブルー
    万年筆:セーラー万年筆 キングプロフィット
    ブライヤー ブラック (中字M)

    圧力の用語の解説

    気体の圧力を気圧と呼びます。また、大気の重量により地上にかかる圧力を大気圧と呼びます。大気圧 (1気圧) は標準圧力とも呼ばれていて、1気圧=101325[Pa(パスカル)]です3)  。空間内の気圧が外部よりも高い状態を正圧 (陽圧) と呼びます。対して、空間内の気圧が外部よりも低い状態を負圧 (陰圧) と呼びます。また、容器の内側の圧力を内圧と呼び、容器の外側から加わる圧力を外圧と呼びます。

    飛行機に万年筆を持ち込むとインク漏れする理由

    飛行機に搭乗したとき上空でインク漏れを起こす仕組みを考察します。

    飛行機の中において、上空では気圧が低いので (例:0.8気圧)、インクタンク内の空気の圧力 (内圧) は機内の圧力 (外圧) より高くて、正圧 (陽圧) になります。内圧と外圧の圧力差が大きいので、タンク内の空気は膨張して、タンク内の空気がインクを強く押します。たいていの場合は押し出されるインクが少ないことにより櫛溝で溜められますが、押されるインクの量が多いとインク漏れを起こします(図C、25、29)。
    飛行機に搭乗していて上空でインク漏れを起こすと、タンクでインクの無くなった部分が真空にならないように気液交換が起こり、ペン先からインク漏れした体積と同じ量の空気 (気泡) をタンクに吸い込みます。

    従って、高度差などの影響により外圧が下がった場合、タンク内の空気により押されるインクの量が櫛溝で溜められる量を超えるとインク漏れを起こします5)
    飛行機に乗る際はタンク内を空にするか、タンク内の空気をできる限り少なくするためにタンク内をインクで満たすと、上空でインク漏れを起こしません。

    図29 飛行機 (上空) でのインク漏れ

    筆記しないときの万年筆の保管

    地上においても飛行機の中でも万年筆を下に向けて保管すると重力の影響によりペン先からインクが出てくることがあるので、
    筆記しないときはペン先が上向きになるように万年筆を保管します。

    ペン芯の空気溝とインクフローの関係

    ペン芯の空気溝とインクフローの関係を考えます。
    インクフローを良くするには、たくさんの空気をインクタンクに送る必要があるので、空気溝を大きくします
    インクフローを渋くするには、インクタンクに送る空気を減らす必要があるので、空気溝を小さくします5)
    よって、空気溝の大きさはインクフローを決める重要な要素になっています。
    従って、同じモデルでもペン芯は字幅ごとにインクフローの差があります。
    例えば、ペリカンのスーベレーンM800の細字 (F)、中字 (M)、太字 (B) におけるペン芯はそれぞれ異なるペン芯を使用しています。

    櫛溝の間隔は一定ではありません6)(図C、25、30)。

    首軸付近において、櫛溝の間隔は狭く毛細管現象が働きやすいので、余分なインクは櫛溝に吸い寄せられますが、

    ペン先付近において、櫛溝の間隔は広く毛細管現象が働きにくいので、水圧が一定の高さ以上にならないと、インクは櫛溝に吸い寄せられません。

    首軸からペン先に向かうほど水圧は高くなるので、櫛溝の間隔を調整することにより、ペン芯からペン先へ供給されるインクの量を一定に保ち、インクのボタ落ちを防いでいます5)


    図30 櫛溝の間隔 インク:モンブラン ロイヤルブルー 万年筆:マイスターシュテュック シルバー・バーリー(F)

    インクフローを決める要因

    インクフローはインクの粘度、表面張力、気液交換などの条件により決まります (「7. 粘度とインクフローの関係」「8. 表面張力とインクフローの関係」参照)。

    毛細管現象、用紙によるインクの吸水、気液交換の3つがそろって、インクは途切れることなく用紙に出てきます (用紙によるインクの吸水は「5. インクと紙には相性がある!」参照)。

    粘度が高いとき、粘度が低いとき、途切れることなくインクが出るインクフローのことをそれぞれぬらぬら、サラサラと表現します。

    いろいろな条件のバランスがあるために、例えばイタリアのペンに国産のインクを入れたらボタ落ちしてしまった…とか、あるいはパーカーに○○のインクを入れたらインクが出てこない!ということなんかが起こるわけです。

    この章のまとめ:

    • ペン先から用紙に流れたインクの体積と同じ量の空気をタンクに吸い込むことを気液交換と呼ぶ。
    • インク溝は毛細管現象の働きにより、インクをタンク内から引き出して、ペン先まで導く。
    • インク溝は胴軸からペン先に向かって間隔が狭くなっていかないと、毛細管現象の働きにより、インクをペン先まで送ることができない。
    • ペン先のスリットの間隔よりも用紙の繊維の隙間の方が狭いので、毛細管現象によりペン先から用紙へインクが流れる。
    • 飛行機に搭乗していて上空でインク漏れを起こすと、タンクでインクの無くなった部分が真空にならないように気液交換が起こり、ペン先からインク漏れした体積と同じ量の空気 (気泡) をタンクに吸い込む。
    • 高度差などの影響により外圧が下がった場合、タンク内の空気により押されるインクの量が櫛溝で溜められる量を超えるとインク漏れを起こす。
    • ピストン吸入式およびコンバーター式のインク吸入は、ピストンを下げるとタンクは陽圧になり空気を吐き出して、ピストンを上げるとタンクは陰圧になりインクを吸い上げる。
    • インクフローを良くするには、たくさんの空気をインクタンクに送る必要があるので、空気溝を大きくする。
    • インクフローを渋くするには、インクタンクに送る空気を減らす必要があるので、空気溝を小さくする。
    • 首軸からペン先に向かうほど水圧は高くなるので、櫛溝の間隔を調整することにより、ペン芯からペン先へ供給されるインクの量を一定に保ち、インクのボタ落ちを防いでいる。
    • インクの粘度、表面張力、気液交換などの条件により、インクフローが決まる。
    • 毛細管現象、用紙による吸水、気液交換の3つがそろって、インクは途切れることなく用紙に出てくる。
    • 粘度が高いとき、粘度が低いとき、途切れることなくインクが出るインクフローのことをそれぞれぬらぬら、サラサラと表現する。

    10.万年筆のインク吸入の仕組み

    万年筆の様々なインク吸入の方式

    万年筆はカートリッジまたはボトルインクからインクを補充します。現行の万年筆で主に採用されているカートリッジ式、コンバーター式、ピストン吸入式、プランジャー式の4つの方式において、インク吸入の仕組みを考察します。
    コンバーター式、ピストン吸入式、プランジャー式はボトルインクからインクを吸入します。カートリッジ式、コンバーター式の両方を使える万年筆を両用式と呼びます。

    カートリッジ式

    カートリッジ式において、インクの補充を考察します。
    万年筆の胴軸を外すと、首軸にカートリッジを取り付ける受け口が現れます。この受け口にカートリッジを真っ直ぐ差し込むと、結合時に突起 (槍) がカートリッジを破り、インクがペン先に流れ始めます5) (図31)。初めてインクを入れる際、またはしばらく使っていなくてペン芯が乾いてインクが出て来ない場合は、カートリッジの側面を押したり、あるいはカートリッジを差し込んで数十分経過するとインクが出てきます。インクが切れたときはカートリッジを引き抜いて、新しいカートリッジと交換します。

    図31 カートリッジ式におけるインクの吸入

    コンバーター式

    コンバーター式におけるインクの吸入の仕組みを考察します。ノブを左 (反時計回り) に回転させてピストンを下げると、コンバーター内部は正圧 (陽圧) になるので、コンバーター内部の空気をボトルに吐き出します。ピストンが下がりきった所で、コンバーター内部の圧力は均衡状態、即ちゼロになります。ノブを右 (時計回り) に回転させてピストンを引き上げると、コンバーター内部は負圧 (陰圧) になるので、ボトルからインクを吸い上げます (図32、「9.2 圧力の用語の解説」参照)。従って、コンバーター式のインク吸入は、ピストンを下げるとコンバーター内部は正圧になり空気を吐き出して、ピストンを上げるとコンバーター内部は負圧になりインクを吸い上げます。

    図32 コンバーター式におけるインクの吸入

    ピストン吸入式

    ピストン吸入式におけるインクの吸入の仕組みを考察します。尻軸を左 (反時計回り) に回転させてピストンを下げると、インクタンクは正圧 (陽圧) になるので、タンク内部の空気をボトルに吐き出します。ピストンが下がりきった所で、タンク内部の圧力は均衡状態、即ちゼロになります。尻軸を右 (時計回り) に回転させてピストンを引き上げると、タンク内部は負圧 (陰圧) になるので、ボトルからインクを吸い上げます (図33)。従って、ピストン吸入式のインク吸入は、ピストンを下げるとタンクは正圧になり空気を吐き出して、ピストンを上げるとタンクは負圧になりインクを吸い上げます。

    図33 ピストン吸入式におけるインクの吸入

    プランジャー式

    プランジャー式におけるインクの吸入の仕組みを考察します。ネジを緩めて尾栓を最後まで引き出してから、尾栓を真っ直ぐ押し込みます。ピストンを下げていくと、インクタンクの空気はペン先からボトルに吐き出されて真空になるので、タンク内の圧力は下がります。圧力が下がることによりタンク内は負圧 (陰圧) になりますが、タンク (シリンダー) の先端部がピストンの直径よりも広いので、タンク (シリンダー) とピストンの隙間からタンクへ、インクが一気に流れ込みます5) (図34)。インクを吸入したら尾栓のネジを締めます。プランジャー式はタンクの容積が大きいので、他の吸入方式と比べて多量のインクを吸入することができます。
    筆記するときは尾栓のネジを緩めて胴軸と尾栓の間に2mmほど隙間を開けて、タンク内の気密性を解放してから使用します。従って、コンバーター式およびピストン吸入式ではピストンを上げるときタンクは負圧になりインクを吸入しますが、プランジャー式ではピストンを下げるときタンクは負圧になりインクを吸入します。

    ちなみにパイロットのカスタム823、ツイスビーのバキューム 700Rなどがプランジャー式万年筆です。

    図34 プランジャー式におけるインクの吸入

    この章のまとめ:

    • カートリッジ式、コンバーター式の両方を使える万年筆を両用式と呼ぶ。
    • カートリッジ万年筆は首軸の受け口にカートリッジを真っ直ぐ差し込むと、結合時に突起 (槍) がカートリッジを破り、インクがペン先に流れ始める。
    • コンバーター式は、ピストンを下げるとコンバーター内部は正圧になり空気を吐き出して、ピストンを上げるとコンバーター内部は負圧になりインクを吸い上げる
    • ピストン吸入式は、ピストンを下げるとタンクは正圧になり空気を吐き出して、ピストンを上げるとタンクは負圧になりインクを吸い上げる。
    • プランジャー式は、ピストンを下げるとタンク内の空気が吐き出されて真空になることで負圧になり、タンクの先端部がピストンの直径よりも広いので、インクがタンクへ一気に流れ込む。
    • コンバーター式およびピストン吸入式ではピストンを上げるときタンクは負圧になりインクを吸入しているが、プランジャー式ではピストンを下げるときタンクは負圧になりインクを吸入している。

    11.インクタンク内のパッキンの役割

    コンバーターのパッキンは空気漏れを防いで、コンバーター内の気密性を保持して、インクタンク内の圧力を一定に保つ役割があります (図35)。吸入式万年筆のパッキンも同様の働きをします (図36)。コンバーターおよび万年筆本体から空気が漏れているか調べるには、万年筆メーカーが行なう水中検査で確認できます。従って、タンク内のパッキンが気密性を保持して、タンク内の圧力を一定に保つことにより、十分な量のインクを吸入することができて、タンク内でインクを保持することができるのでペン先からインク漏れを起こしません。ただし、パッキンの経年劣化でタンクの気密性が低下したら、コンバーターを交換したり、吸入式万年筆は内部部品の交換が必要です

    図35 コンバーターのパッキン

    セーラー万年筆 インク吸入器コンバーター ゴールド

    図36 吸入式万年筆におけるタンク内のパッキン

    万年筆:ペリカン トレド M900 (極細EF)

    この章のまとめ:

    • タンク内のパッキンが気密性を保持して、タンク内の圧力を一定に保つことにより、十分な量のインクを吸入することができて、タンク内でインクを保持することができるのでペン先からインク漏れを起こさない。
    • パッキンの経年劣化でタンクの気密性が低下したら、コンバーターを交換したり、吸入式万年筆は内部部品の交換が必要である。

      12.万年筆の棚吊りについて

      インクタンクの中のインクの量が少なくなると、インクが壁面に貼り付いてしまい、ペン先の方に流れて来なくなる状態を棚吊り (たなつり) と呼びます (図37)。
      コンバーター式や透明な軸だとわかりやすいですが、どのユーザーでも起こる可能性がある現象です。

      棚吊り
      図37 棚吊り インク:ペリカン ブラック 万年筆:フェリチータ(細字F)

      なぜ棚吊りが起こるのでしょうか?分子同士が引き合う力を分子間力と呼びます。インクの分子間力は網のようなバリアーを形成して、他の分子が入ってくることを防いでいます。分子間力が強いとき、網の目が細かくなり、バリアーは強くなります。

      分子間力が弱いとき、網の目が粗くなり、バリアーは弱くなります (図38)。

      インクの棚吊り 分子間バリアー
      図38 分子間力とバリアー

      表面張力が強いとき、タンクの中の空気はインクの分子間力のバリアーを破ることはできず、インクは落ちて来なくなります5)
      つまり、気液交換が行なわれず、インクが流れなくなります (気液交換は「9.気液交換とインクフローの関係」参照)。

      カートリッジの中には、内部の表面がギザギザになっていたり、少し突起した縦筋が入っているものもありますが、
      このような工夫をすることで表面張力は働きにくくなります。パイロットのコンバーター「CON-40」にはインク小さな金属球が4個入っています。

      この金属球が動くことにより、インクを撹拌して、インクの表面張力を下げて、分子間力のバリアーを壊して、
      気液交換が行なわれるようになり、インクがスムーズに流れるようになります5)

      パイロットのコンバーター「CON-70N」に入っている金属パイプも金属球と同様の働きをします (図39)。

      パイロットのコンバーター
      図39 PILOTのコンバーター 上:CON-40,下:CON-70N

      棚吊りが発生したら、コンバーターを軽く叩いてインクを落としたり、あるいは万年筆を軽く振って金属球を動かして、
      コンバーターの壁面に貼り付いたインクを下部に落とすことにより、再びインクが流れるようになります。


      もし、このような操作を行なってもインクが流れなかったら、インクを入れ直して、コンバーターの中をインクで満たします。

      この章のまとめ:

      • インクタンクの中のインクの量が少なくなると、インクが壁面に貼り付いてしまい、ペン先の方に流れて来なくなる状態を棚吊りと呼ぶ。
      • 棚吊りが発生したら、コンバーターを軽く叩いてインクを落としたり、あるいは万年筆を軽く振って金属球を動かして、コンバーターの壁面に貼り付いたインクを下部に落とすことにより、インクが流れるようになる。

      13.万年筆インクの水素イオン指数pH (酸性・中性・アルカリ性)

      万年筆インクの特徴を表すときに、「酸性・アルカリ性」というのを聞いたことはありますか?
      水素イオン指数pH (ペーハーまたはピーエッチ) は、液体の酸性・アルカリ性 (塩基性) の程度を表わす指数です。

      ここからpHについて説明しますが、難しい!という方は枠の下まで飛んでください。

      6.02×1023 個の粒子の集団を物質量と呼び、1mol  (モル) と表わします。
      モル濃度は溶液1L (リットル) あたり溶質が何mol溶けているかを表わして、単位はmol/Lです。

      水素イオンH+のモル濃度を水素イオン濃度と呼び、[H+ ]と表わします。

      水酸化物イオンOH-のモル濃度を水酸化物イオン濃度と呼び、[OH]と表わします6)

      [H+]と[OH]の単位は共にmol/Lです。水素イオン濃度[H+]と水酸化物イオン濃度[OH]の積は一定です。
      [H+] [OH] =1.0×10-14

      水素イオン指数pHと水素イオン濃度[H+ ]の関係は、常用対数log (ログ) を用いると

      pH=-log10 [H+]

      万年筆インクはインクごとに組成が変わるため、pHが異なります。

      pHの範囲は0から14です (図32)。[H+]が高くて、[OH]が低いとき、pHは小さくなり、酸性になります。

      [H+]と[OH]がほぼ等しいとき、pHは7前後になり、中性になります。

      [H+]が低くて、[OH]が高いとき、pHは大きくなり、アルカリ性になります。

      pH

      図40 水素イオン指数pHと水素イオン濃度[H+]の関係のグラフ

      水素イオン指数pHは、酸性では7より小さく、中性では7前後、アルカリ性では7より大きいです (図40)。
      青色のリトマス紙が赤色に変わるとき酸性です。青色・赤色のリトマス紙ともに色が変わらないとき中性です。
      赤色のリトマス紙が青色に変わるときアルカリ性です。

      pHの目安は、0以上3未満だと強酸性、3以上6未満だと弱酸性、8以上11未満だと弱アルカリ性、11以上だと強アルカリ性です (図41)。

      図41 水素イオン指数pH (酸性・中性・アルカリ性) (強酸性、弱酸性、弱アルカリ性、強アルカリ性)

      例えば、プラチナ万年筆の場合、インクの大半が中性から弱アルカリ性 (pHは7前後から11)、ブルーブラックとクラシックインクはpH2前後の強酸性です1) (表1参照)ペリカンのロイヤルブルーは強酸性、エーデルシュタイントパーズは弱酸性です (表1参照)。

      古典インクは酸性でインクに天然の成分を使用しているため微細な沈殿を生じることがありますが、筆記に影響はありません。

      酸性のインクはステンレスや金ペンのペン先や首軸のリングを腐食させてしまうことがあるので、インク吸入後はペン先と首軸をきれいに拭いておきましょう。

      一方、アルカリ性のインクはアルカリ域で使える防カビ剤が限られているので、防腐対策が難しいです1)
      酸性のインクを使用した後に万年筆を洗浄せずにアルカリ性のインクを使用すると、生成された塩 (えん) がぬめりとして現れて、インクの流れが止まってしまうので注意が必要です。

      ただし、プラチナ万年筆の染料インクであるミクサブルインクは、表面張力・粘度・pH値を揃えているので混合可能です。ちなみに、セーラー万年筆のストーリアは混合可能な顔料インクです。

      この章のまとめ:

      • 水素イオン指数pHは、液体の酸性・アルカリ性 (塩基性) の程度を表わす指数である。
      • 水素イオン指数pHは、酸性では7より小さく、中性では7前後、アルカリ性では7より大きい。
      • pHの目安は、0以上3未満だと強酸性、3以上6未満だと弱酸性、8以上11未満だと弱アルカリ性、11以上だと強アルカリ性である。
      • 国産万年筆 (パイロット、プラチナ、セーラー万年筆) の場合、インクの大半が中性から弱アルカリ性 (pHは7前後から11)、プラチナ万年筆の場合はブルーブラックとクラシックインクはpH2前後の強酸性である。

      14.万年筆インクの濃淡

      万年筆のインクの醍醐味ともいえる、色の濃淡。これはいったいどうして起こるのでしょうか?万年筆インクで書いた用紙の筆跡において、濃い部分と薄い部分が現れることを濃淡と呼びます。
      筆跡が微小な点のとき、濃淡は出ません。筆跡が線のとき、始点と終点があるので、インクが溜まる部分とそうでない部分で濃淡が出ます。気液交換によりペン先まで導かれたインクは、ペン先のスリットの間隔よりも用紙の繊維の隙間の方が狭いので、毛細管現象によりペン先から用紙へインクが流れます。(「9. 気液交換とインクフローの関係」参照)。よって、用紙の平面上でインクがどのように動くかによって濃淡の出方が変わります。

      プラチナ万年筆の銀無垢鍛金磨き鍛金磨き (太字B) に純正の染料インクであるブラック、レッド、および古典インクのブルーブラックを入れて濃淡を確認すると、濃淡はブルーブラック>レッド>ブラックの順にはっきりしています (図42)。

      図42 染料インク、古典インクの濃淡 インク:黒(左)、赤(中)、ブルーブラック(右) 万年筆:プラチナ万年筆 銀無垢鍛金磨き (太字B)

      染料インクは、用紙の中まで入り込むので、濃淡が出やすいです。古典インクも、染料インクの成分を含んでいるので、濃淡が出やすいです。

      顔料インクは固まると内部部品を交換したり、ペン芯の櫛溝で固まるとペン芯を交換することになります。スリップシール機構が搭載してインクが乾きにくいプラチナ万年筆のプロシオン (中字M) に、純正の顔料インクのカーボンブラック、顔料ブルーを入れて濃淡を確認すると、共に濃淡が出にくいです (図43)。

      顔料インクは、用紙の表面に付着するので、濃淡が出にくいですが、筆跡がはっきりとしていて、にじみにくくて、裏抜けしにくいです。用紙上の顔料インクは乾くと水に強いので、大切なスケジュールを記録する手帳などで活躍します。

      染料インクは、用紙の中まで入り込むので、濃淡が出やすいです。
      古典インクも、染料インクの成分を含んでいるので、濃淡が出やすいです。

      顔料インクは固まると内部部品を交換したり、ペン芯の櫛溝で固まるとペン芯を交換することになります。スリップシール機構が搭載してインクが乾きにくいプラチナ万年筆のプロシオン (中字M) に、純正の顔料インクのカーボンブラック、顔料ブルーを入れて濃淡を確認すると、共に濃淡が出にくいです (図42)。

      図43 顔料インクの濃淡 インク:カーボンブラック(左)、顔料ブルー(右)万年筆:プラチナ万年筆 プロシオン (中字M)

      顔料インクは、用紙の表面に付着するので、濃淡が出にくいのですが、筆跡がはっきりとしていて、にじみにくくて、裏抜けしにくいです。用紙上の顔料インクは乾くと水に強いので、大切なスケジュールを記録する手帳などで活躍できます。

      今度はペリカンのトレドM900 (極細EF) とスーベレーンM800 (中字M) でインクの濃淡を比較します (図44)。
      字幅が太くなるとインクフローが多いので、筆跡に濃淡が出やすいです。字幅が細くなるとインクフローが少ないので、筆跡に濃淡が出にくいです。ただし、用紙ごとにインクの吸収性は異なるので、用紙によって筆跡の濃淡は変わります (「5. 用紙とインクの相性」参照)。

      図44 字幅による濃淡の比較 インク:ペリカン ロイヤルブルー 万年筆:トレドM900 極細EF (上)、スーベレーンM800 中字M (下)用紙:マルマン ニーモシネ

      この章のまとめ:

      • 万年筆インクで書いた用紙の筆跡において、濃い部分と薄い部分が現れることを濃淡と呼ぶ。
      • 染料インクは、用紙の中まで入り込むので、濃淡が出やすい。
      • 顔料インクは、用紙の表面に付着するので、濃淡が出にくい。
      • 古典インクは、染料インクの成分を含んでいるので、濃淡が出やすい。
      • 字幅が太くなるとインクフローが多いので、筆跡に濃淡が出やすい。
      • 字幅が細くなるとインクフローが少ないので、筆跡に濃淡が出にくい。
      • 用紙ごとにインクの吸収性は異なるので、用紙によって筆跡の濃淡は変わる。

      15.パイロットインクのレビュー

      このコラムでは、インクの種類、用紙と紙の相性、粘度、表面張力、毛細管現象、気液交換、インクの吸入の仕組み、インクタンク内のパッキンの役割、棚吊り、pH、濃淡などの話をしてきました。

      これらの要素を踏まえて、PILOTのインクの黒 (ブラック)、色彩雫の3色 (冬柿、紺碧、深緑) をレビューします (図44abc)。

      万年筆はPILOTのカスタム URUSHI 茜朱 (中細FM) 、用紙はコピー用紙を使用します。

      色彩雫は様々な色のバリエーションが存在して、それぞれ成分が異なるので、このレビューの結果がすべての色彩雫に適用されるわけではないことをご了承願います。

      カスタム URUSHI 茜朱には大型の30号のニブが付いています。

      このニブは柔らかくてしなりがあり、インクフローがなめらかなので、ふわふわな書き味を持っていることに魅力を感じます。

      ただし、柔らかなニブに対して筆圧が強すぎると、切り割り (スリット) が開いてペンポイントの左右の高さに食い違いが起こり、インクフローが悪くなることがあるので、筆圧に注意です。

      また、カスタム URUSHIのコンバーターはCON-70Nで、棚吊りは起こりにくいです。

      図44a インク:パイロット ブラック、色彩雫 冬柿、紺碧、深縁万年筆:パイロット カスタム URUSHI 茜朱 (中細FM)

      図44b PILOTインクのにじみやすさの比較 (表面)インク:パイロット 黒 (ブラック)、色彩雫 冬柿、紺碧、深縁万年筆:パイロット カスタム URUSHI 茜朱 (中細FM)

      図44c PILOTインクの裏抜けの比較 (裏面)インク:パイロット 黒 (ブラック)、色彩雫 冬柿、紺碧、深縁万年筆:パイロット カスタム URUSHI 茜朱 (中細FM)

      パイロットの高級ラインのインクである色彩雫はおしゃれなボトルデザインで、色の名前も和風で特徴があり、赤、青、緑という単純な色ではないことに色の深みを感じます。

      冬柿は柿のオレンジ色が入った赤、紺碧は夏の青空、深緑は山の緑のような色彩です (図44abc)。

      色彩雫 (冬柿、紺碧、深緑) の表面張力は低くて、インクフローが渋めなので、筆跡が細くて、にじみにくく裏抜けしにくいです。

      黒 (ブラック) は筆跡がさらに細くて、にじみやすく裏抜けしやすいので、色彩雫 (冬柿、紺碧、深緑) より粘度が高いのではないかと考えています。

      黒 (ブラック)、色彩雫 (冬柿、紺碧、深緑) は水素イオン指数pHより、弱アルカリ性です。

      色彩雫 (冬柿、紺碧、深緑) は黒 (ブラック) と比べると、筆跡に濃淡が出ています。

      なお、黒 (ブラック)、色彩雫 (冬柿、紺碧、深緑) の表面張力・粘度・pHは表1に記載しています。

      この章のまとめ:

      • ニブは柔らかくてしなりがあり、インクフローがなめらかな場合に、ふわふわな書き味になる。
      • 色彩雫 (冬柿、紺碧、深緑) の表面張力は低くて、インクフローが渋めなので、にじみにくく裏抜けしにくい。
      • パイロットの場合、インクの大半は弱アルカリ性である。
      • 色彩雫 (冬柿、紺碧、深緑) は筆跡に濃淡が出やすい。

      16.終わりに

      さて、ちょっと専門的ではありますが、インクの基礎知識についての記事はいかがでしたでしょうか?

      難しい部分もあったかもしれませんが、こういった知識をある程度頭に入れておくと、インクトラブルが発生したときに的確に対処できるかと思いますし、万年筆を大切に長く使っていく上で大事なTipsになりますので、ぜひ知っておいていただければと思います。

      1883年にルイス・エドソン・ウォーターマンが毛細管現象を応用して万年筆を創り出して、その後様々なメーカーで設計者や職人さんが試行錯誤を繰り返して、デザインや機能性の優れた万年筆を製作したことにより、万年筆はお客様にとって魅力的な製品になっているのだと思います。

      万年筆、インク、用紙の三者の組み合わせにより万年筆の世界は広がります。例えば、インクをブラックからブルーに変えて、用紙をMDノートからニーモシネに変えると、異なる万年筆の魅力を引き出せます (図9~16参照)。

      機会があればモンテグラッパに限らず、様々なメーカーの色彩のインクを使ってみたいところです (図24ab、45abc、46ab)。

      図46a モンテグラッパ インクボトル2020 -50ml

      図46b モンテグラッパ インク サンプル

      例えば、現在では書類を作成するのにWord、Excelなどパソコンが主流ですが、万年筆に赤色のインクを入れて書類の添削をすると、万年筆の活躍の幅が広がります。
      何色か色分けして、細字の万年筆で手帳に予定を書き込むことも楽しいです。

      各メーカーの万年筆にそれぞれの純正のインクを入れて筆記すると、自社の万年筆に合うインクを熱心に研究している様子が伝わってきます。

      メーカーは万年筆に自社のインクを入れることを推奨していますが、様々なメーカーのインクを入れて、書き味やインクフローの変化を楽しむことも万年筆の魅力のひとつ!

      ただし、純正のインクを使用しないで他のメーカーのインクを入れて万年筆が故障した場合、メーカーの保証を受けられなくなる可能性があるので注意が必要です。

      特に高額品および限定品の万年筆には、顔料インク、古典インクの使用を避けて、染料インクを入れるべきです (「3. インクの種類」14.万年筆インクの濃淡」参照)。

      どこのメーカーのインクを選択すればよいのか、何色のインクを選べばよいのか悩んだら、万年筆の知識が豊富な佐藤店長に相談して決めるといいですね。

      15. 万年筆調整師より、インクについてミニコラム

      Il Duomo提携の調整師さんが、インクについて追記をしてくれたので
      ぜひこちらも併せて読んでみてくださいね!

      幾つかユーザー視点では見えにくいため触れられていなかった部分がありましたので、少し書かせていただきます。
      国産三社、特にパイロットがわかりやすいのですが、パイロットのブルーブラックやブルー系は染料インクであるにもかかわらず耐水性が高く、
      またシャバシャバ系のインクとして知られています。
      これはキャップレスという看板モデル用にインクの粘性を調整したと言われています。

      また通常モデルでのペン芯の設計構造上の都合で、古典インクでの使用を切り捨てる方向性になっており、
      染料インクでの耐水性を上げる必要性からきています。
      このように、万年筆とインクを同時に一社で製造している場合、
      自社の万年筆に合ったインクの設計、インクに合った万年筆の設計がされていたりします。

      近年増えている顔料インクなども、万年筆メーカーが作っているものは、
      自社製品での使用が前提となっているため自社の万年筆のペン芯の設計で対応できる粘性表面張力、インク中の顔料粒子のサイズ等の研究がなされたものになっています。
      インクメーカーが出している顔料インクもありますが、顔料インクとしては優れた特性を持っていて万年筆で使用ができると謳っていても、
      実際に自分が持っているメーカーの万年筆で使用テストをされたかはわかりません。自己責任で使用してみるべきでしょう。

      また、これはプラチナ万年筆の社長さんの講演で言われていたことなのですが、
      顔料インクたとえカートリッジだったとしてもインクの鮮度というものは色や書き味に影響するとのことです。
      出来立てのインクは違うんですよ!と力説しておられました。
      確かにボトル開けたてと、暫く経ってからでだと、書き味も違いますし、色味も微妙に違う感じがします。

      保存環境に注意しても古典インクは、色合いが変化していきます。染料インクも保存次第で全然違ってきます。
      勿体無いからと、あまりに劣化してしまったインクを使っていると、
      インク中にカビが発生し、万年筆のペン芯にカビがはびこることすらあります。
      鮮度が良いインクを使って、楽しい万年筆ライフを送りたいものです。

      16.参考文献

      1)趣味の文具箱編集部:INK 万年筆インクを楽しむ本 (エイムック4617)、株式会社 ヘリテージ (出版当時は枻出版社) (2020)、pp.6-7、pp.30-33、pp.36-39、pp.140-141
      2)趣味の文具箱編集部:趣味の文具箱 vol.40、株式会社 ヘリテージ (出版当時は枻出版社) (2016)、pp.49
      3)中山泰喜:改訂版 流体の力学、株式会社 養賢堂 (1998)、pp.13-14、pp.20-27
      4)パイロットコーポレーション:かく、がスキ
      5)伊東道風:万年筆バイブル、株式会社 講談社 (2019)、pp.30-44、pp.52-58、pp.102-110
      6)加賀屋愛:NHK高校講座 テレビ学習メモ 第27回 水素イオン濃度とpH

      インクを探す
      万年筆を探す

      つくしさん、インクの解説をありがとうございました!
      物理的な側面、化学的な側面からの解説は、知っているようで知らないことがたくさんあり、とても勉強になりました。
      インクの知識を深めると、メーカーのインクとペン芯、ペン体製作の切磋琢磨を想像することができ、よりいっそうリスペクトできそうです。
      インクの注意すべき点や特徴を知り、安全に長く万年筆を使っていきたいですね。

      万年筆の使い方・選び方に困ったら

      万年筆の使い方、ペン先の選び方などご相談に乗れますので、気になる方はぜひLINE@でお気軽にトークしてみてくださいね(*’▽’)

      使い方・選び方に困ったら 万年筆の使い方・選び方で困ることがあればLINE@からお気軽にご質問くださいね!

      Il Duomoの店長があなたのお好みの色や予算などを聞いて、リストアップすることもできますよ。 LINE@で商品のお問い合わせを簡単に♪さらに、LINE@限定でお得なクーポンを配布中。友だち追加してね。

      IDで検索↓

      【@vfj5261w】

      スマートフォン、タブレットの方はこちら↓

    • 2023年の万年筆を振り返り。

      2023年の万年筆を振り返り。

      こんにちは、Il Duomoの佐藤です。

      もう早いもので2023年も終わりですね。みなさま、今年はどんな年でしたか?

      わたしは昨日、今年新たにお迎えした万年筆で今年の振り返りをしました。

      やはりお気に入りのペンで書くと、気持ちも整い、心に素直に向き合える気がします。

       

      2023年を振り返る。印象的だったペンたち

       

      さて、2023年もたくさんのペンが私たちの前を通り過ぎていきました…。

      そのなかでも特に人気だったペンや、店長やスタッフお気に入りのペンなど

      2023年で印象的だったペンをご紹介します。

       

      デルタ DV オリジナルミッドサイズ 万年筆 ゴールドトリム

      さて一投目は、やっぱり今年の顔!デルタ・オリジナルミッドサイズ。

      以前のデルタに最も近いサイズ感ということで、人気を集めました。

      ぽってりとした太い軸にストンと切り落とされた天冠と尻軸が、かわいいのです。

      ゴールドとシルバーがありますが、当店ではどちらかというとゴールドトリムが人気でした。オレンジに映えるからでしょうか。

      (でもほとんど同じくらいの数が出ていると思います。お好みでお選びください♪)

      デルタ DV オリジナルミディアムサイズ 万年筆 (スチールニブ/シルバートリム) Delta DV Original Mid-Size Fountain Pen

       

       

      デルタ イル・ペルジーノ 限定生産品 万年筆

       

      最近入荷したのですが、あまりの迫力に滑り込みで入ってきました!

      ルネサンス初期の画家をイメージしたイル・ペルジーノ。

      赤い模様が薔薇のようにも見えますが、

      よくみるとルネサンス独特の文様。

      格調高いしつらえが、まさにルネサンス…!

      クラシカルな服を着て、このイル・ペルジーノさんを連れてパーティーに出かけたい。

      持っている人間側がむしろこの万年筆に合わせにいかねばならないような、そんな誇りの高さを感じさせるすごいペンです。

       

      デルタ イル・ペルジーノ

       

      デルタ アレッサンドロ・マンゾーニ 万年筆

       

      もう欠品してしまっていますが、こちらも印象的でしたので。

      アレッサンドロ・マンゾーニは19世紀イタリアの国民的作家。

      1827年に発表した長編小説「いいなづけ」は、古いイタリアの風俗を表した名作ですが、ペストの流行などを描いているため、コロナ禍で話題になりました。

      マンゾーニの深い洞察力をあらわしたかのような深い緑にルネサンス後半らしいキャップリングの文様が魅力的で、人気となりました。

      デルタの限定生産品は、人気なのですが本数がほんとうにわずかなことが多いので、気になったらお早めにどうぞ!

      デルタ アレッサンドロ・マンゾーニ 万年筆

       

      アウロラ 限定生産品 イタリア神秘の旅 マントヴァ  万年筆

       

      北イタリアの水の街、マントヴァをイメージしたモデル。

      蓮の花や水辺のイメージで、ピンク色やうす緑色、青色のクラックが美しい!

      透けるアウロロイド樹脂なので、軸からインクは透けます。

      イタリア神秘の旅シリーズは、それぞれの街のコンセプトを色で表現しますが、毎度、どこを深掘りしたのかをみるのが楽しみです。

      いつか行ってみたいな〜、と思いをはせるのも一興。

      アウロラ イタリア神秘の旅 マントヴァ

       

       

      アウロラ インテルナツィオナーレ サンド 万年筆

       

      エボナイト軸の「サンド」も、じわじわと人気を集めました。

      今年はエボナイト軸をよく検品した気がしています。

      たくさんエボナイト軸を見ていると、やはりエボナイトという素材の持つ温かさや奥深さ、精密さが伝わってきて…

      やっぱりエボナイトっていいなあ、と思うのでした。

      レジンはレジンで良いのですが、なんというか、エボナイトはゴムの一種だからか、漆のような有機的なかんじがあり、レジンとは全く違った良さがあります。

      アウロラ インテルナツィオナーレ サンド

      商品をみる

       

      ビスコンティ 限定生産品 ホモサピエンス アースオリジン-ウォーター/アース 万年筆

      ビスコンティの、肝いりのこちら。

      ホモサピエンスシリーズのかたちで、レジンはジョナサン・ブルックス氏のもの。

      4元素(土・水・風・火)をコンセプトにしているので2024年は風と火が出てくるかと思います。

      西洋では未だに生活に根付いている4元素の考え方。調べてみて、ご自身に合うエレメントを選んでみてもいいかもしれませんね。

       

      ビスコンティ アースオリジン ウォーター アース

       

      レオナルド モーメントゼロ アロハ 万年筆 スチールニブ

       

      レオナルドからはこちらをピックアップ。

      レオナルドのモーメントゼロシリーズは使いやすい形と色とりどりのレジンで人気がありますが、今年はこちらが人気でした!

      爽やかなソーダのような青、海の青…
      アロハというだけあって夏の雰囲気ですが、寒色で雪にも合うかも?年中通して人気でした。

      レオナルドのモーメントゼロシリーズ アロハ

       

      モンテグラッパ 限定生産品 ワイルド-アークティック 万年筆

       

      モンテグラッパからはこちら。モンテグラッパイトというモンテグラッパ独自の樹脂を使用した、環境を考える契機になりそうな1本。

      こちらは北極の自然をイメージして作られています。

      シロフクロウのクリップが、他のペンとは一線を画していますね。

      天冠には二人を象徴するワイルドエクスプローラーのバッジがかたどられており、

      先のモットー「WHAT YOU LOVE – YOU WILL PROTECT あなたが愛するものをあなたが守る」の文字が刻まれています。

      ちなみに前作「ワイルド-バオバブ」もまだご注文可能!

      モンテグラッパ ワイルド アークティック

       

      スクリーボ 限定生産品 フィール グラニリャ 万年筆 14Kフレックス/18K

       

      こちらも印象的でした。このグラリニャとヴェルデアンティコは、アールヌーヴォーをコンセプトにした2本でした。

      スクリーボのグラリニャ。グラニリャは、19世紀に登場した、建築物などに使われる、大理石の粉末などを固め天然酸化物などで着色した素材のことです。

      このペンを見てから、街で見かける床素材が気になって仕方ありません。ちょっと古い建築ですと、このグラリニャをよく発見することができます。

      スクリーボのペンは、安定感があり、誠実なものづくりをしているなと日々感じています。ボローニャのブランドらしいカラーで、2024年も推していきたいと思います!

      スクリーボ グラリニャ

      オマス パラゴンシリーズ 万年筆

      さて、最後にオマス。

      2023年に復活したオマス!あのパラゴンシリーズも蘇りました。

      グリーンサフトがこの中ですと人気だったように思いますが、

      ワイルドもヴィンテージ感があって素敵。

      サリサリ感のあるペン先は、同オーナーのASCとはまた違った書き味。ペン芯やペン体のつくりもまったく違い、オマスのほうがやや硬めに仕上がっています。

      2024年はどのようなモデルが登場するのでしょうか?楽しみです!

      2023年の万年筆を振り返り。

      いかがでしょうか?2023年の振り返りをしてきました。

      今年も多くのお客様にペンをお届けすることができ、ありがたい1年でした。

      また、今年は数年ぶりにお買い物をされる方もあり、やっとコロナ禍が終わったのだな…と思える年でもありました。

      まだまだざわざわとすることの多い世間ですが

      自分の羅針盤としてペンとノートをいつも携えていたいものです。

      では、2024年もどうぞよろしくお願いいたします。

       

      おまけ:今年のベスト読書

      毎年恒例?となりつつある店長の今年のベスト本。

      今年はあまり読書ができなかったのですが、積読はいつも以上に増えました(笑)

      積読棚(笑)には大好きな新潮クレストブックスさんの海外文学などが並んでいます。(帰れない山冬の犬世界の果てのビートルズなど)

      来年はイタリア文学を中心に読んでいきたいと思っております。

       

      さて、いくつかご紹介します。

       

      1. 大地の五億年 藤井一至・著

      2023年の万年筆を振り返り。 - 関連画像2

      世界中を這いずり回りながら土の研究をしている著者が、わかりやすく・かつロマンたっぷりに土の歴史、土の不思議さを語っている話題作。

      研究者ではありながら、エッセイストとしても素晴らしい文才の持ち主!

      土って、意外にも歴史は新しく、地上の生命活動が活発になってから、何億・何兆…もの生き物たちが食べては分解してを繰り返して、やっとこさできたものなのです。

      いまのところ土が確認されている惑星は地球だけ。土を見る目が変わる1冊です。

       

      2. 塩一トンの読書 須賀敦子・著

      2023年の万年筆を振り返り。 - 関連画像3

      須賀敦子さんを読んだら?と勧められたのが昨年で、今年は須賀敦子さんの良さがだんだんわかってきました。

      さっぱり簡潔な文章のなかに滋味深さがあります。

      これは書評のまとめ本で、ご自身が翻訳した本のことなどがエッセイ調で描かれています。

      このなかに出てきた、イタリア文学「インド夜想曲」(イタリア文学なのにインドって…?)はいま挑戦中。須賀敦子絶賛インド夜想曲、来年の1冊になるかもしれません!

       

      3. アフリカの白い呪術師 ライアル・ワトソン著

      2023年の万年筆を振り返り。 - 関連画像4

      メルマガでも紹介したかもしれない、タイトルは怪しいこの1冊。読んでみると文化人類学ベースのルポ風小説となっています。

      昔、まだ人類学の研究も若かったころ、サバイバル道具を何も持たずにサバンナの村に分け入って、村人と同じ暮らしをする白人がいた…という。

      彼はそのうちに人類学の研究者にもなり、村人から呪術師としての修行を授かることになります。

      そんな彼の一生を追った、冒険譚でもあります。

      人類学が好きな方にはおすすめ!

       

      4. 本が語ること、語らせること 単行本  青木海青子・著

      2023年の万年筆を振り返り。 - 関連画像5

      私設図書館「ルチャ・リブロ」を奈良県東吉野村にひらいた著者が、初のエッセイを刊行!

      おなじく私設図書館をひらいた友人が、開設記念に?贈ってくれました。

      本を前にすると、普段語れないことも語れたりする。

      私設図書館をひらき、お悩み相談をうけたりしている著者が、日常の中では「いいひと」になれないのに、「司書」として人の悩みに対峙できる不思議さ…など。

      さくっと読めるのですが、含蓄のある言葉が並んでおり、読み返したくなります。

       

      5. LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる ケイト・マーフィ著

      2023年の万年筆を振り返り。 - 関連画像6

      「聴く技術」を期待して読むと期待外れかもしれませんが、「傾聴」に焦点を当てて、その可能性を探った1冊。

      聴いているだけなのに、なんでも話したくなってしまう諜報員の聴く技術や、社会実験の話などが盛りだくさんの分厚い本ですが、軽く読むことができます。

      いかに「発信するか」にフォーカスされがちなSNS時代ですが、たんねんに聴くと世界が開けてくる、という話。

       

      6. 水と原生林のはざまで  シュヴァイツァー・著

      2023年の万年筆を振り返り。 - 関連画像7

      わたしの青春の一冊でもありますが、ひさびさにまた出会いたくなって、年の瀬に購入。1875年に生まれたシュバイツァーは37歳のとき熱帯のガボンで伝道と医療活動をします。

      聖者のように評されるシュバイツァーですが、この本を読むと、ドリフのコントのように、患者とアフリカの大自然に振り回されて翻弄されて奪われて…「もう本当に嫌だ!こいつら最低!」と言いながら、それでもなぜか医療活動を続けてしまう、ちょっと滑稽な愛おしいシュバイツァーの様子がありありと想像できるのです。

      一番最高なのは、死にかけかと思われた患者が、診療所のヤシの実を、さっさと木に登り取って盗み食い(?)し、シュバイツァーがあきれるシーン。

      確かに大変な当時の医療現場の様子が描かれているのですが、シュバイツァーの振り回されっぷりが、リアルで人間味があり、おもしろくもあるエッセイです。

       

      7.働くことの人類学【活字版】 仕事と自由をめぐる8つの対話   コクヨ野外学習センター

      2023年の万年筆を振り返り。 - 関連画像8

      おっと、忘れていました、こちら…!瀬戸の本屋さん「ひとしずく」さんで購入した本。
      コクヨさんの人気ポッドキャストを活字化した1冊。
      ビジュアル的にも読みやすいのに、なかなか衝撃的!?刺激的な…様々な民族の「仕事観」。
      自分の仕事観をやすやすと飛び越えていく、○○族のみなさんたちには脱帽です。
      いかに狭い価値観で生きているか、ということをまざまざと感じさせられる1冊となっています。
      これはみなさんにおすすめできます!

       

      2024年も素敵な本と、素敵なペンに出会えますよう…!

       

      万年筆の使い方・選び方に困ったら

      万年筆の使い方、ペン先の選び方などご相談に乗れますので、気になる方はぜひLINE@でお気軽にトークしてみてくださいね(*’▽’)

      使い方・選び方に困ったら 万年筆の使い方・選び方で困ることがあればLINE@からお気軽にご質問くださいね!

      Il Duomoの店長があなたのお好みの色や予算などを聞いて、リストアップすることもできますよ。 LINE@で商品のお問い合わせを簡単に♪さらに、LINE@限定でお得なクーポンを配布中。友だち追加してね。

      IDで検索↓

      【@vfj5261w】

      スマートフォン、タブレットの方はこちら↓

      友だち追加

      ▼ あわせてお読みください
      2024年、人気だったペン・おっ!と思ったペン
      万年筆のいろいろな吸入方法。どれを選ぶか?
      万年筆で 読書記録のススメ

      取り上げた各ブランドについて、もっと詳しく知りたいかたはこちらの記事もどうぞ。
      どうなる?体制変更後のVisconti(ビスコンティ)。本社から現地レポ
      アウロラの88(オッタントット)シガロ・ブルー!外観と書き味は?
      Leonardoレオナルドの万年筆の特徴!書き味は?おすすめペン&気を付けること
      【モンテグラッパの書き味とは?】エキストラ1930とフェリチタの比較
      DELTAデルタ・DVの各種モデルのサイズ・仕様の違いを説明します
      スクリーボ(Scribo)万年筆の特徴とおすすめのモデル。書き味は?

      ※この記事でご紹介しているモデルは、現在 Il Duomo でのお取り扱いがありません。いまお選びいただけるアウロラ Auroraの万年筆・ボールペンはアウロラ Aurora の商品一覧でご覧いただけます。

    • 万年筆のいろいろな吸入方法。どれを選ぶか?

      万年筆のいろいろな吸入方法。どれを選ぶか?

      いろいろな吸入方法!

      こんにちは、Il Duomoの店長の佐藤です。

      万年筆を選ぶとき、いろいろな観点から選択することが出来ると思いますが、
      今回は吸入方式に焦点を当ててみていきたいと思います。

      それぞれにメリット・デメリットがあり
      ご自身の生活スタイルに合った吸入方式を選ぶと
      お手入れの気もちの面で楽になり
      ちょうどいい付き合い方ができるかと思います。

       

      手軽なカートリッジ式

      万年筆のいろいろな吸入方法。どれを選ぶか?

      いちばん簡単なのは、カートリッジ式。
      インクの小さなタンクを挿して使います。

      カートリッジ式

      良い点
      ・一番手軽
      ・首軸や手が汚れない
      ・インク漏れの恐れが少ない(0ではない)

      惜しい点
      ・インク量で換算するとコスパが悪い
      ・(当たり前だけど)吸入の喜びは無い
      ・いろいろなインクを使えない
      ・コンバーターが無いと綺麗に洗えない

      …ということで、おすすめできるかたは

      「なるべく手を汚したくない、手間をあまりかけたくないけど手軽に万年筆を使いたい」かたと言えるでしょう。

      また、カートリッジの容量と、筆記量のバランスでいくと
      筆記量が多い人は「あれ!?こんなにすぐ無くなるの?」となる可能性があります。

      大容量インクカートリッジも存在しますので、そのあたりも調べながら選ぶと良いですね。

       

      コンバーター式

      万年筆のいろいろな吸入方法。どれを選ぶか? - 関連画像2

      次に身近なのがコンバーター式。
      胴軸を開き、コンバーターという取り外し式のインクタンクにインクを吸入します。

      コンバーター自体は首軸から取り外せる消耗品です。
      ネジでくっつけるタイプと、ネジ無しタイプがあります。

      また、これはピストン吸入式に近いかもしれませんが
      首軸に合着していて取り外せないタイプも稀にあります。

       

      コンバーター式

      良い点
      ・カートリッジ式の次に手軽
      ・いろいろなインクを入れることができる
      ・コンバーター自体が消耗品で取り換えられるので修理に出すリスクがひとつ減る
      ・インクボトルを使えるのでコスパ◎
      ・洗浄しやすい

      惜しい点
      ・インクタンクが吸入式と比べるとやや少ないか
      ・手が汚れる可能性
      ・頻繁にコンバーターを取り外す場合、定期的にコンバーターを替える必要アリ
      ・インク漏れの可能性アリ

      カートリッジ式と比べると万年筆の良さがグッと高まるコンバーター式!

      お手入れのしやすさから、各メーカーとてもバリエーションが多い形式でもあります。

      デメリットは致命的なものはありませんが、
      特にヨーロッパでは限定生産品はピストン吸入式になる可能性が高く
      コンバーターファンからすると、高級な限定生産品のなかでは選択肢が少し狭まってしまうのが現状です。

      そうなんです。

      万年筆はカートリッジ式<コンバーター式<吸入式
      の順に手軽<<手間 になりますが
      リーズナブル<<高級
      という順でもあります。

      (もちろん例外あり)

      そうなりますと、例えばイタリアのセルロイド軸がほしいな、となった時
      コンバーター式やカートリッジ式のセルロイド軸はあまり(ほとんど?)ありません。

       

      いろいろな吸入式

      ビスコンティ トスカーナヒルズ

      そして、いろいろなタイプがあるのが
      胴軸内のタンクに直接吸入するタイプです。
      尻軸を動かす「ピストン吸入式」や、空気圧を利用する「プランジャー式」などいろいろなタイプが存在します。

      胴軸内タンクに吸入するので、コンバーターと分けるためにいったん「タンク吸入式」と呼びます。

      通常の吸入式と同様です。

       

      おすすめできる方は、「インクを大容量で使いたい方・インク吸入が好きな方」と言えるでしょうか。
      インク吸入って、手間ではあるのですが同時に代えがたい喜びでもあるのですよね。

      いろいろなタンク吸入式

      良い点
      ・インクタンク量が大きいものが多い
      ・吸入する喜びを味わえるギミックが搭載されているものもある

      惜しい点
      ・タンク内が壊れた時、メーカー修理になるので時間がかかる
      ・内部がどうなっているか見れないものが多い
      ・インク漏れの可能性アリ
      ・重くなりがち

      先ほどのコンバーターの逆で、高級・限定生産品ラインナップはほとんどがこの吸入式ですので
      そういった軸が好きな方はタンク吸入式を選ぶことになるでしょう。

       

      ピストン吸入式

      一番オーソドックスなピストン吸入式。
      尻軸ピストンをくるくる回します。
      原理はコンバーターと同じです。

      尻軸があがってくるタイプと、上下しないロータリー式があります。

      また、ピストン吸入式なのですが内部にタンクが2つあるダブルタンクリザーバー(アウロラ)など
      機構はさまざまだったりします。

      インク窓がある場合と無い場合があります。

      ピストン吸入式亜種

      ビスコンティやピナイダーに多いのですが
      尻軸を引っ張って出してから吸入するプル&ターン式、
      ノックしてから吸入するタイプなど
      ピストン吸入式ではあるのですが、ちょっとギミックが足されている
      遊び心満載な吸入式も存在します。

      万年筆のいろいろな吸入方法。どれを選ぶか? - 関連画像3

      これはビスコンティのプル&ターン式。↑

      プランジャー式

      空気圧を利用して一気にインクを吸い上げる!という迫力ある吸入式。
      尻軸のピストンを引っ張り出して、インクに浸けてから下げます。
      すると一気にインクがタンク内に吸われます。
      大容量のインクが使えるということ、
      インク漏れのリスクの少なさなどがメリットとして挙げられます。

      ミッドナイトインフローレンス ビスコンティ ヴィスコンティ Visconti 万年筆

      パイロット、ツイスビ―、ビスコンティ、ASCなどに多い吸入方式です。

      アイドロッパー式

      胴軸をそのままタンクとして使うやりかたで、
      胴軸をさかさまにしてスポイトでそのままインクをIN!
      これで大丈夫なの…?と少々心配になりますが
      胴軸部と首軸部を接合するネジ部にパッキンがあるので漏れにくい構造になっています。

      歴史は古く、かなり昔からある方法なのです。

      一番大容量で使えるタイプです。
      筆記量が多いかたにはおすすめ!
      ただ、パッキンがあるといってもリスクは他の方式より高くなりますので
      持ち歩く際は十分気を付けましょう。

      イタリアでは、デルタやマイオーラでみられます。

      その他・レバー式など

      ヴィンテージ万年筆などにありますが
      胴軸のレバーを使って吸入したり、プッシュして吸入するなどいろいろなタイプがあります。

      あまり見ることはないかもしれません。

      たまに限定生産品などで昔のレバー式が復活することもあります。
      少々マニアックな方式ですね。

       

      万年筆を選ぶときは、吸入方法にも着目してみてくださいね!

      吸入方式から見る、おすすめのペン

      ではいろいろな吸入方式のペンをご紹介します。

       

      デルタ DV オリジナルミディアムサイズ 万年筆 (スチールニブ/シルバートリム) Delta DV Original Mid-Size Fountain Pen
      デルタ DV オリジナルミディアムサイズ 万年筆  (スチールニブ/シルバートリム) Delta DV Original Mid-Size Fountain Pen

      カートリッジ/コンバーター両用式の有名なオレンジ軸!
      デルタのDVミッドサイズ。
      魅力的な太め軸と、手軽なコンバーター式の組み合わせが入門者にももってこい!

      Divina Elagance Visconti

      ビスコンティ ディヴィーナ エレガンス インペリアルブルー オーバーサイズ 万年筆

      先ほど説明したプル&ターン式を採用している、黄金比を使ったなんとも高貴なペン!
      ゆらいだマーブルと螺旋の黄金比の軸に、万年筆ファンからの熱い支持があります。

       

      万年筆のいろいろな吸入方法。どれを選ぶか? - 関連画像4

      デルタ ライトバランス デューン 万年筆 Delta Write Balance Dune ST Fountain Pen

      こちらも実はアイドロッパー式になる!
      カートリッジ式/コンバーター式/アイドロッパー式と
      三拍子そろった軸なのです。
      さらにこちらのライトバランスは尻軸に重りがあって、バランスを変えることも可能。
      アイドロッパー式のときは重量が重くなりますので重りは無しでもいいかもしれません。
      それと、アイドロッパー式にするとインクの色が胴軸から透けて、印象が変わる場合がありますので、それを加味して色選びをしてくださいね。

       

       

      ▶ マイオーラ アルファ アイドロッパー ネロ ローズゴールドトリム 万年筆 Maiora Alpha Eyedropper Nero RGT
      マイオーラ アルファ アイドロッパー ネロ ローズゴールドトリム 万年筆 Maiora Alpha Eyedropper Nero RGT
      マイオーラのアルファのスチールニブタイプはアイドロッパー式です。

      キアロスクーロ
      ▶レオナルド モザイコ キアロスクーロ 万年筆 14Kニブ(ゴールド/パラジウムトリム) Leonardo Mosaico Chiaroscuro Fountain Pen
      レオナルドのモザイコシリーズやモーメントゼログランデはピストン吸入式で、タンクが大きく筆記量が多いかたに便利。
      レオナルドはピストン吸入式のものを分解できるツールがあるのも必見!

       

      ▶ スクリーボ 限定生産品 フィール インヴェルノ 万年筆 14Kフレックス/18K SCRIBO Feel Inverno (Winter) Fountain Pen
      ▶スクリーボ 限定生産品 フィール インヴェルノ  万年筆 14Kフレックス/18K SCRIBO Feel Inverno (Winter) Fountain Pen
      スクリーボはオーソドックスなピストン吸入式です。
      凍てついた土を思い起こさせる色合いです。
      朝の散歩のとき、しゃきしゃきと踏みたくなる霜柱や
      硬い地面。でも、それはもうすぐ来る春を孕んでいる、冷たさ。
      イタリアの大地も凍てついているのでしょうか。

       

      さまざまな吸入方式が存在しますが、ご自身のライフスタイルや
      どこに優先順位を置くかでぴったりのペンを選べるといいですね♩
      Il Duomoでは「吸入方式で探す」というというページもありますので、ぜひ探してみてくださいね。

       

      万年筆の使い方・選び方に困ったら

      万年筆の使い方、ペン先の選び方などご相談に乗れますので、気になる方はぜひLINE@でお気軽にトークしてみてくださいね(*’▽’)

      使い方・選び方に困ったら 万年筆の使い方・選び方で困ることがあればLINE@からお気軽にご質問くださいね!

      Il Duomoの店長があなたのお好みの色や予算などを聞いて、リストアップすることもできますよ。 LINE@で商品のお問い合わせを簡単に♪さらに、LINE@限定でお得なクーポンを配布中。友だち追加してね。

      IDで検索↓

      【@vfj5261w】

      スマートフォン、タブレットの方はこちら↓

      友だち追加

      関連記事

      ※この記事でご紹介しているモデルは、現在 Il Duomo でのお取り扱いがありません。いまお選びいただける万年筆・ボールペンはIl Duomo の取扱ブランド一覧でご覧いただけます。

    • それぞれのメーカーの書き味の違いを最大限感じるために

      それぞれのメーカーの書き味の違いを最大限感じるために

      それぞれのメーカーの書き味の違い、のその前に

      ビスコンティ ディヴィーナ エレガンス インペリアルブルー オーバーサイズ 万年筆

      こんにちは、Il Duomoの佐藤です。

      万年筆に関してよくあるご質問でいただくのが
      「○○(メーカー)の【商品名A】と△△()の【商品名B】の書き味はどう違いますか?」というもの。

      「ほしいペンがあるのですが、すでに持っている◆◆(別メーカー)の【商品名】と比較するとどうですか?」
      というお問い合わせも多いです。

       

      例えばビスコンティのゴッホシリーズのようなスチールニブと、ペリカンM600との比較‥‥など。

       

      もちろんすぐに違いが明確に答えられることもあるのですが、
      わたしもすべての万年筆を試したことがあるわけではないので、
      非常に難しいこともあります。

       

      それは、以下のような理由からです。

       

      書き味の表現の難しさ

      ぬらぬらイメージ画像

      ひとくちに書き味、と言っても
      その感じ方・好みがそれぞれなこと、
      それと使用環境がみなさん違うということで難しさが生じます。

       

      書き味は使用環境(筆記角度や姿勢)や紙、インクにけっこう左右されます。

      このメーカーはこういう特徴がある!ということも言えるのですが、
      お客様のお使いになる環境によっては同じような体験ができない可能性もあります。
      とはいえ、質問するなという意味ではなく、できる限り感触が伝わるようにお答えしたいなとは思っています。
      わたしの回答が100%とは限らないということをご理解いただきたいのです。

       

      そしてそして、複雑なことにメーカーも日々ニブの特徴を変えてきているなと思います。

       

      例えばビスコンティ…
      以前は金ペンはコシはありつつも柔らかめな個体も多かったのですが、
      最近ではEFやFは意識的に硬めに、国産に匹敵するほど細めに仕上げてきています。
      もちろんその中で個体差はあります。
      生産ロットによっても、全然違うこともあり。
      もちろん方針は同じなのですが、
      「あれ、今回は柔らかいな…」とか「今回はフロードバドバ系だな。」ということも。

       

      アウロラは以前よりもフローが増えて、使いやすくなった感触はあります。
      以前はまさに鉛筆のようなサリサリ感でしたが、カリカリと感じることもままあったので、
      それを改善してきているのでしょう。

       

      モデルによってニブが違うメーカーもあります。
      モンテグラッパは、金ペンでも3種類ほどあり、それぞれに特徴が違います。
      比較的新しく出来たニブはやはり細めに出るように、かっちりした硬めのニブです。
      恐らくですがアジア圏に向けたマーケットの拡大で、なるべく問題なく細い字幅が出るようなニブが求められているのではないでしょうか。

       

      モンテグラッパ スコルピオ

       

      万年筆の書き味を最大限楽しむには

      レオナルド モザイコ ハワイ Mosaico Hawaii

      こういった細かな書き味の違いは、やはり何本も書いていないと分からないと思います。
      紙からペン先へ、ペン先から手へと伝わってくる感触を
      手が記憶して、比較ができるようになります。

       

      蛇足ですが、万年筆を何千本も検品してきた私は、手が肥えて(?)しまって
      標準的な判断がむしろ難しいときもあります。
      (細かなことにも反応してしまうときがあり)
      そういったときはスタッフ何人かで確認をします。
      意外にスタッフによっては、わたしが微妙にNGかなと思ったものが「めっちゃいいですね!」というときもあります。
      万年筆は育てるという一面もありますから、あまりに厳しくしすぎるとつまらなくなってしまう。
      そのあたりを加味して検品しています。
      万年筆の妙ですね。

       

      さてこの上で、書き味の違いを最大限味わうのに必要なことがあります。
      それは

       

      ①筆圧をなるべく無くして書くこと
      ②適切な筆記角度、良い姿勢、良い持ち方で書くこと
      ③純正インクで書くこと
      ④万年筆に適した紙で書くこと

       

      です。

      基本的なことになりますが、これを繰り返していくことでいずれ素晴らしい筆記体験ができると思います!

       

      ①筆圧をなるべく無くして書くこと

      基本的に万年筆というのは、筆圧がなくても使えます。
      紙に触れるとじわ~とインクが出てきます。
      メーカーも、それを基準に作っているため、筆圧が高い状態では良いパフォーマンスが得られません。
      ぜひ筆圧を下げて書いてください。

       

      ②適切な筆記角度、良い姿勢、良い持ち方で書くこと

      これも同様に、適切な書き方、筆記角度でメーカーは検品していますから
      寝かせすぎたりねじって書いたりするとあまりよくありません。
      ぜひこちらもご覧ください。

       

      ③純正インクで書くこと

      メーカーとインクの関係性は、非常に重要です。
      プリンタも純正インクを使わないと詰まってしまうように…
      インクが合わないとザリザリした書き味になることもあったり、
      最悪の場合インクが出ないこともあります。
      ぜひインクがかすれたり、うまくいかない場合は純正インクで試してみてください。

       

      ④万年筆に適した紙で書くこと

      万年筆は、わりとつるつるした紙が相性が良いことが多く
      逆にザラザラの紙ですと、カリカリ感が目立つことがあります。
      万年筆そのものの滑らかさをかんじたい場合は万年筆用、
      そうでなくても万年筆向きの紙をお使いになるとパフォーマンスがさらに上がりますよ。
      (わたしはザラザラの紙も好きですし、コピー用紙も使いますが…ふだんは万年筆向きの紙を使用しています。)

       

      もちろん、万年筆は感覚だ!とにかく直感で合うものを探すんだ!というタイプの方も
      万年筆との付き合い方として素敵だと思います。

       

      あくまで書き味体験の話では、↑のようなことがおすすめです。

       

      書き味パフォーマンスを最大限にして、違いを楽しもう

      そんな書き味に関するお話でした。

      もしも、ざっくりでいいから傾向を知りたい、という方がいらしたら、

      こちらをお読みいただき、さらに疑問があるかたはぜひLINEやメールでお知らせください。

       

      では!

      あわせて読みたい

      各メーカーの書き味について、もっと詳しく知りたいかたはこちらの記事もどうぞ。

      どうなる?体制変更後のVisconti(ビスコンティ)。本社から現地レポ
      アウロラの88(オッタントット)シガロ・ブルー!外観と書き味は?
      【モンテグラッパの書き味とは?】エキストラ1930とフェリチタの比較
      世界的人気を誇るペリカンの【スーベレーン】の魅力とは?

      ペン先のサイズ(字幅)の選び方や、ペン先素材の違いについてはこちらをどうぞ。

      【初心者向け】万年筆のペン先のサイズはどうやって選ぶ?
      はじめての万年筆を選ぶポイントとは?②(ペン先編)

      「結局どれを選べば一生使えるの?」というかたには、こちらもおすすめです。

      一生ものの万年筆はどう選ぶ?万年筆屋が思う一生使えるペン

       

      万年筆の使い方・選び方に困ったら

      万年筆の使い方、ペン先の選び方などご相談に乗れますので、気になる方はぜひLINE@でお気軽にトークしてみてくださいね(*’▽’)

      使い方・選び方に困ったら 万年筆の使い方・選び方で困ることがあればLINE@からお気軽にご質問くださいね!

      Il Duomoの店長があなたのお好みの色や予算などを聞いて、リストアップすることもできますよ。 LINE@で商品のお問い合わせを簡単に♪さらに、LINE@限定でお得なクーポンを配布中。友だち追加してね。

      IDで検索↓

      【@vfj5261w】

      スマートフォン、タブレットの方はこちら↓

      友だち追加

       

       

       

    • 万年筆で 読書記録のススメ

      万年筆で 読書記録のススメ

      読書記録のススメ

      こんにちは、三度の飯より本とペンが好き?なIl Duomoの店長佐藤です。

       

      さて、蝉の声もちいさくなり、涼しくなってきました。

      読書の秋、といいますが由来は古く漢詩の
      「時秋積雨霽 新涼入郊墟 燈火稍可親 簡編可卷舒」 
      という一節から来ているとされています。

       

      時秋にして積雨霽(は)れ
      新涼 郊墟に入る
      燈火稍(ようや)く親しむべく
      簡編 卷舒(けんじょ)すべし
      (韓愈の書いた符読書城南詩より)

       

       

      秋になって涼しくなってきたので、良い季節だから書物に親しみ学問に励みなさい、という
      息子に学問をすすめる詩なのです。

       

      実際に夏は蒸し暑く勉強する気も起こりにくいかもしれません。
      涼しくなってくるとせわしい日々も少し落ち着き、
      本でも開こうかという気持ちも湧いてくるのではないでしょうか。

       

       

      実際に読書記録を書いてみました。

      万年筆で読書記録

      「シェルコレクター」という本なので、貝を添えてみました。

      万年筆で読書記録

      詩や純文学などであれば、読書をした感動や、心の動きを…あるいは心惹かれる一文を、
      引用したりして書いておけば
      後でノートを見返すと心の動きが蘇りますし、
      読書記録を貯めるうちに「自分はこういうところに感動しやすいな、こういう文章が好きだな」
      などがわかるかもしれません。

       

      万年筆で読書記録

      実用書であれば、メソッドや気付き、ポイントを
      しっかりとノートに書き留めることによって、
      もう一度頭の中が整理されます。
      さらには実用書であれば、実生活でやることまでに落とし込むことも可能かもしれません。

       

      万年筆で書くと、インクの色を分けたり、本のイメージでインクを選んだり…
      インクだまりのグラデーションを楽しんだり♩
      何をしてもわくわくさせてくれそうです。

       

      読書記録と語彙ノート

      実はこの画像↑は昨年の秋のもので…

      いま、実際に運用している「読書記録ノート」は
      このように綺麗に書いていません笑。

      (学生時代、板書が綺麗なタイプではなく、とにかく書きなぐる人だったので…読書記録については書く速さと量を重視しています。)

       

      また別のブログで書きますが
      わたしは「読書記録」と「語彙ノート」と一緒にしています。

      読書記録はあらすじとか概要、気づきを書きます。

      同時に、「この著者の言い回し、いいなあ!」とか「この文章構成すごいなあ」とか「この単語ってなんだっけ」というような
      文章力に直結するようなことは、読書記録とは別のページに書いています。
      でも同じバインダー内に書き込んでいます。

      分けてもいいかなと思ったのですが、
      同じ本からの抜粋もあるかな~と思って、同じ次元に書き込んでいます。

      読書記録を万年筆で

      はい。こちらは須賀敦子さん「塩一トンの読書」

      と、アウロラ デゼルトさん。

      須賀敦子さんの読書記録、書評、翻訳の裏側…などがエッセイになっています。

      エッセイストの先駆けといっても過言ではない須賀敦子さん、やはり書評もハッとする言い回しが多くて恐れ入ります。

       

      だいたい2Pか4Pくらいにわたって一冊の本を記録します。

      読書記録を万年筆で
      ライアル・ワトソン「アフリカの白い呪術師」
      (なんだか怪しいタイトルですが、民俗学のドキュメンタリー、と言ったらいいのかな…
      現代はLightning Birdというもので、邦題がちょっとエンタメに振っている感じでしょうか。
      ほんとうにおもしろいです。名著だと思うのですがもう刷られていません。)

      というわけで、あんまり綺麗なノートではありませんが
      参考までに。

       

       

      読書記録を万年筆で

      手帳と雑記用ノートは別にあるのと

      読書記録&語彙ノート用バインダーは仮運用中なのでかんたんにAmazonでポチりました。

      こちら→ バインダーノート A5  6穴 システム手帳

      これに、LIFEのA5方眼6穴を入れて使っています。

      最近はA5がちょうどよく、持ち歩きにも便利なので好きです。

      そんなわけで、いま運用しているノート類は3冊。
      バイブルサイズの手帳兼モーニングノート(バイブルサイズLIFE6穴)と、
      気づきやアイデアをしたためるバインダー(ファイロファックスのクリップブック+A5LIFE6穴
      と、この読書記録バインダーですね。

      紆余曲折ありましたが…
      いまはこれでかなり落ち着いています。このままの運用方法で使い続けたい。

       

      読書記録を万年筆で

      読み終わったけど読書記録待ちのかたがた(本)も、記録されることを待ちわびていますね…。

      どれも、読みごたえがあったので読書記録をきちんとつけて知識を血肉にしていきたいところ。

       

      せっかくなので、ここ最近で読んだ本をずらっと羅列してしまいます。

      志村ふくみ 晩祷―リルケを読む

      人類の地平から―生きること死ぬこと 川田順造

      働くことの人類学【活字版】 仕事と自由をめぐる8つの対話 松村 圭一郎 (編集), コクヨ野外学習センター

      宮脇昭、果てなき闘い 魂の森を行け-新版- 一志 治夫

      ヤマケイ文庫 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち 藤井 一至

      死んだらどうなるのか?――死生観をめぐる6つの哲学 伊佐敷 隆弘

      文にあたる  牟田 都子

      本が語ること、語らせること 青木海青子 (著), 青木真兵 (著)

      本を買う量に、読む速さがついていきません(涙)。
      でも、万年筆もそうですが、本も気づくと絶版になっていたりするので、はやくお迎えしてあげないとね!←

      読書記録を万年筆で

      読書と、書くことが好きなわたくしなので

      こういうブログを書いていると、楽しくって時間がどんどん過ぎていく…!

       

      万年筆で書くと、ノーストレスで書くことができますし、
      読書記録の時間もとても特別なものへと変化させてくれます。

       

      できることならば、部屋を掃除して、綺麗な状態で身も心も清めて、ほうじ茶を飲みながら…静かに書きたい読書記録。

      なかなかそこまではわたしもできないのですが、心を落ち着かせるルーティンとしてこれからも続けていきたいなと思う今日この頃でした。

       

      読書記録のおともを探したいかたは、ぜひIl Duomoをのぞいてみてくださいね♩

       

      万年筆の使い方・選び方に困ったら

      万年筆の使い方、ペン先の選び方などご相談に乗れますので、気になる方はぜひLINE@でお気軽にトークしてみてくださいね(*’▽’)

      使い方・選び方に困ったら 万年筆の使い方・選び方で困ることがあればLINE@からお気軽にご質問くださいね!

      Il Duomoの店長があなたのお好みの色や予算などを聞いて、リストアップすることもできますよ。 LINE@で商品のお問い合わせを簡単に♪さらに、LINE@限定でお得なクーポンを配布中。友だち追加してね。

      IDで検索↓

      【@vfj5261w】

      スマートフォン、タブレットの方はこちら↓

      友だち追加

       

       

       

       

       

      Il Duomoでお取り扱いの万年筆 — 読書記録のおともに

      読書記録は毎日少しずつ書き溜めるもの。長く使える万年筆だと、読み返すときに「どんな1冊と過ごしたか」がより鮮明によみがえります。

      アウロラのペン(滑らかな書き味)
      レオナルドのペン(軽量で長時間)
      Il Duomoのショップで万年筆をみる

      ※この記事でご紹介しているモデルは、現在 Il Duomo でのお取り扱いがありません。いまお選びいただけるアウロラの万年筆・ボールペンはアウロラの商品一覧でご覧いただけます。

    • ペン先調整講座に参加してきました。レポ

      ペン先調整講座に参加してきました。レポ

      先日、東京で開催された、ペンドクターさんが講師の万年筆自己調整講座に参加してきました。

      この講座にはこれまでにIl Duomoとして計3回参加してきたのですが今回はコロナ明けで数年ぶり。

      ほかの受講者さんと同様、いち参加者として、ペン先について学びを深めました。

       

       

      10時半から17時半というがっつりっぷり!

      午前中は、万年筆の構造を学び、午後は実技として実際にやすりを使って調整をしていきます。

       

      万年筆の構造という点では、知っていることも多かったのですが
      その中で調整師さんだからこそ知っているあれこれのお話もたくさん聞けておもしろかったです。

      (ペン芯の違いとか、メーカーごと、年代ごとの違いなど)

       

      自己調整をする講座でしたので、プレピーやカクノを使って自分の角度に合わせたペン先にする、という目的でした。

      ただ、自分の角度に合わせると言っても
      どんな机で書くか、とか
      ノートの上のほうに書く、手前のほうに書く、だと角度も違ってくるので
      「インクが出やすいペンポイントの位置」・・・スイートスポットは複数あるとなお良い、
      ということで2点スイートスポットを作ってその点を滑らかにつなげる、ということまでやりました。

      さらには、ペン先のスリットが開きすぎていたときの対処、
      詰まりすぎていた時の対処、
      ペンポイントが食い違いを起こしていた時の対処…
      などまでも教えてくださいました。

      ペン先の材質などによっても金属の動きが違うので
      力加減はペン体を見ながらすこしずつやる必要があります。

       

      ペン先調整講座に参加してきました。レポ

       

      「ペン先調整も、ある程度までいくと、センスの壁があるんです
      同じ数だけ調整しても、ある程度までは伸びるけどどうしてもぶち当たる壁がある人もいる」

      という言葉が一筋縄ではいかない、万年筆というものの、アート性をあらわしているなと思いました。

      「ぼくたちは、ルーペだけでみるわけではありません。
      手の感覚や、紙をこする音などでも判断して、調整します」

      画一的な工業製品というよりかは、やはりアートというか、工芸品に近いものなような。

       

      実際に調整師さんが、他の受講者のかたの削ったペン先を添削しているところを見ましたが
      ヤスリをかけている動き自体がわたしたちとは全く違っています。

      手の動きが滑らかで、ペンポイントの形そのものといいますか、
      無作為性がなく、無駄がありません。

       

      私もスリット直しを確認してもらいましたが
      「あと気持~ち、ほんのすこ~しあがるかあがらないかくらい、左をあげてください」
      とアドバイスをいただき。
      ルーペで見るとほぼ揃っているのですが調整師さんの目を通すと食い違いがあるのね…と
      観察の難しさ、調整師さんのすごさをあらためて思い知りました。

       

      今回の自己調整講座では、

      イリジウム(ペンポイント)のルーペでの捉え方の精度をとにかく上げること、

      書き味の身体感覚を得ること、

      など、検品でペン先と向かい合うにあたって

      非常に重要なことを教えていただきました。

      さすがにここまで一日中ルーペを眺める経験はなかなかありません。
      目が疲れましたがシナプスがめきめきつながった気がしています。

      これを活かしてもっとよりよい検品を目指して精進したいと思います。

       

      さらには、ほかの受講者さんから「YouTube見てます」や「ホームページいつも見てます」と声をかけていただいたりと
      とってもありがたかったです。

       

      調整とはなんなのか…

      主催のペンサルーンさんのブログがとてもわかりやすかったので貼っておきます。

      万年筆を「調整する」とは

      講師の調整師さん、ペンサルーンさん、ありがとうございました!

       

       

      もし気になる方、ぜひペン先調整オプションをつけてご購入してみてください。

      日本屈指のペンドクターによるペン先調整。きっと素晴らしい体験が待っています。
      ※Il Duomoでご購入されていないペンのペン先調整オプションのみのご注文はできません。

       

      余談…

      帰り道、あまり時間がなかったのですが
      ちょっとルートを変えて古書店の通りを通って帰りました。
      久しぶりの東京で田舎から出てきたわたしは駅で人の波に乗るので精一杯だったのですが(電車がめっぽう苦手)
      古書店の並びを見るとかなりほっとして、じんわり。
      茶色い背表紙の並びは、田舎の古民家と通じるものがありほっとします。
      無事に岐阜まで帰れました。

       

      万年筆の使い方・選び方に困ったら

      万年筆の使い方、ペン先の選び方などご相談に乗れますので、気になる方はぜひLINE@でお気軽にトークしてみてくださいね(*’▽’)

      使い方・選び方に困ったら 万年筆の使い方・選び方で困ることがあればLINE@からお気軽にご質問くださいね!

      Il Duomoの店長があなたのお好みの色や予算などを聞いて、リストアップすることもできますよ。 LINE@で商品のお問い合わせを簡単に♪さらに、LINE@限定でお得なクーポンを配布中。友だち追加してね。

      IDで検索↓

      【@vfj5261w】

      スマートフォン、タブレットの方はこちら↓

      友だち追加

       

    • 初心者ですがフレックスニブは使えるでしょうか?

      初心者ですがフレックスニブは使えるでしょうか?

      【質問】初心者ですがフレックスニブは使えるでしょうか?

      今日はよくあるご質問にお答えしていこうと思います。

      初心者ですがフレックスニブは使えるでしょうか?

      Q: わたしは万年筆自体、使ったことがほとんどないのですが、
      動画などで話題になっているフレックスニブに惹かれています。
      しかし、コメントなどを見ていると
      「初心者はこれはやめておけ」などと書かれており、
      ハードルが高いものなのかな、と思っています。
      やはり万年筆入門者にはフレックスニブはおすすめしないものなのでしょうか?
      教えてください。

       

      初心者ですがフレックスニブは使えるでしょうか? - 関連画像2

      Il Duomo
      普通の万年筆や、安価のフレックスニブに慣れてから、
      ほんとうにほしいフレックスニブを検討しよう!

      ぬらぬらイメージ画像
      A: はい。近年、YouTubeやインスタグラムなどのSNSの発達により
      万年筆界でもフレックスニブ(柔らかくしなり字幅を変えられるペン先)を使った
      字幅を変えるパフォーマンスの動画がよく見られます。
      そういうものをみて「欲しいなあ~」と思うかたもいらっしゃるのですが
      なかには勿論「万年筆自体、使ったこと一度もありません!」というかたも。

       

      結論としては、「安い万年筆でいいから、慣れてから移行していこう!」というのがわたしの意見です。

      なぜかというと…
      万年筆入門者、未経験者の方がフレックスニブを使ったときにぶち当たる壁は
      いくつかあるのですが、まずはじめに
      「壊れる可能性がある」ということ。

      もちろんものによりますが、やわらか~く薄手に作られているタイプのニブは
      筆圧をぐいぐいかけた場合、
      ペン芯からペン体(金属部)が完全に離れてしまうと
      インクが出なくなってしまいます。

       

      そうすると、最悪の場合、修理になってしまう可能性も…。
      硬めに作られている・反っても戻ってくる力が強いような
      フレックスニブであれば、こういった問題は起こりません。

      これが一つ目の壁。

       

      次に、二つ目の壁として「使いこなすのが難しい」
      言い換えると、「ペン先へのちょうどいい力加減を探るのが難しい」ということもあります。
      フレックスニブを使って、強弱のある線を書こうと思っても
      練習しないとなかなか良い線が出ません。

      万年筆に慣れている方なら、フレックスニブに慣れるのも早いと思います。
      初心者の方ですと、慣れるまでに苦労されるかも…?

      実は私自身、万年筆を初めて使ったとき…
      何本か壊してしまった経験があり(汗)
      しかも、わたしは中学生くらいからGペンや丸ペンは使っていたのに!
      安めのペンではあったのですが、いま思えば柔らかめのペン先でした。

      メーカーさんに何度か電話をしていろいろと試行錯誤しましたが
      直らず…。
      振り返れば、当たり前なのですが(ペン先とペン体が離れているので、インクが出なくなっていた)。
      のちに、自分が筆圧が強かったせいで
      そのペンたちが壊れたと知り
      大変ショックを受けました。(メーカーさんに申し訳ないし恥ずかしい気持ちになりました)
      丸ペンは硬かったので反らなかったのです。

       

      その後は、硬めのスチールニブから万年筆を始め直し
      のちのち、柔らかいものにだんだんシフトしていきました。
      みなさんがそうすべきとは思いませんが、
      私は万年筆を使うにつれて「硬め→柔らかめ」というように嗜好がそのように変化していったのです。
      いまでは、硬めニブも柔らかめニブも、フレックスニブも、場面ごとに分けて使っています。

       

      まずは万年筆を日常的に使ってみる

      スクリーボ ジェルモ―リオ 萌芽

      これはわたしのイチオシのフレックスニブ、スクリーボさんですが…。
      1本目にはおすすめしません。

      まずは、おなじみKAKUNOさんでいいのです。

      プラチナ デスクペンもいいですね。

      あるいはLAMYなど。

      こういったペンを日常生活のなかでたくさん使って、慣れていく。
      そして、「ペン先の感触」とか「筆圧」の感覚がぐっと鋭くなる瞬間が必ず来ます。

      これがボールペンとは確実に違う部分でもあります!

      その瞬間が来たら、ほしいフレックスニブに挑戦するのがいいのではないでしょうか。

       

      万年筆に慣れる速さというのも、
      本当に個人差があるので何とも言えませんが
      1年くらいかかる方もいらっしゃれば
      1か月くらい集中して使って、すぐに慣れた!という方も。

      (わたしは筆圧が強めだったので、なんだかんだと半年~1年くらいかかったかもしれません)

      もともと筆圧が弱いかたや、習字をやっていて力を抜く加減がわかりやすかったかたは慣れるのが早そうです。

       

      何はともあれ、一度も万年筆を触ったことがないけどフレックスニブを使ってみたい、という方ならば
      1000~1500円程度の安めの万年筆を使って
      万年筆とはどんなものか!?というのを試すことをおすすめします!

       

      万年筆の使い方・選び方に困ったら

      万年筆の使い方、ペン先の選び方などご相談に乗れますので、気になる方はぜひLINE@でお気軽にトークしてみてくださいね(*’▽’)

      使い方・選び方に困ったら 万年筆の使い方・選び方で困ることがあればLINE@からお気軽にご質問くださいね!

      Il Duomoの店長があなたのお好みの色や予算などを聞いて、リストアップすることもできますよ。 LINE@で商品のお問い合わせを簡単に♪さらに、LINE@限定でお得なクーポンを配布中。友だち追加してね。

      IDで検索↓

      【@vfj5261w】

      スマートフォン、タブレットの方はこちら↓

      友だち追加

      ※この記事でご紹介しているモデルは、現在 Il Duomo でのお取り扱いがありません。いまお選びいただける万年筆・ボールペンはIl Duomo の取扱ブランド一覧でご覧いただけます。

    • 【初心者向け】万年筆のペン先のサイズはどうやって選ぶ?

      【初心者向け】万年筆のペン先のサイズはどうやって選ぶ?

      手書きの風合いが魅力的な万年筆

      言志四録 万年筆

      万年筆を使い始めると、文字を手書きで書く習慣がついてきます。

      手書きというのはその人の文字を書くくせや個性が出て、その文字を見ることもとっても魅力的。

      万年筆で書いた自分の文字を後から見返すと、その時の自分の状態や気持ちなどがわかるのがとっても面白い!

      手書きは書くときだけでなく、あとから見返すことの楽しさもありますね。

       

      また万年筆はペン先で文字の雰囲気が大きく変わります。

      そのことも魅力のひとつ。

      その時の自分の気持ちの状態で万年筆のペン先を選ぶのもいいですね。

       

      しかし、万年筆がはじめて、という方にとって
      ペン先の選び方はとても難しいものだと思います。

      特に国産の万年筆は字幅のバリエーションも多いので選びにくいのではないでしょうか。

      参考までに、パイロットのバリエーションを。

       

       

      私は毎日その日のインスピレーション(?)でどのペン先を使って書くかを決めています。

      用途によって、1日のうちに2-3種使うこともありますし
      今日はこれ!と決めるときもあります。

      今日は大き目のノートに太字でしっかり書きたいな~とか、
      今日は5㎜方眼に細かく書きたいから細字の気分!などちょっとしたことですが、文字を書くのも楽しくなります。

       

       

      万年筆とは奥が深いもので、太い・細いだけでなく書き出しの形なども
      好みにすごく影響してくるものなのですが
      それについてはまた今度‥・。

       

       

      ぜひ万年筆で自分の手を使って文字を書いてみてください。

      きっとさまざまな楽しみが見つかります。

      14K・18K・スチールニブの違いやペン先素材についてはこちらの記事もどうぞ。

      はじめての万年筆を選ぶポイントとは?②(ペン先編)

      レオナルド 書き味 万年筆 Leonardo

      ▶レオナルドの字幅のサンプル

      好みがわからなければ、とりあえずF(細字)

      万年筆の字幅選び方 画像

      万年筆入門者のかたで、とりあえず手の出しやすいKAKUNOなどを試したいというかたでしたら
      「とりあえずF(細字)で!」と決めてしまっても良いでしょう。

      国産から、舶来品(外国産)にシフトしたい!という方にとっても
      使い勝手の良いのはとりあえずF。

       

      外国産のもので避けたいのが、EFを選んでカリカリしすぎてしまって
      書き味が悪い、ということ。
      Fであればある程度インク量(フロー)もあるので、
      リスクはそんなにありません。

       

      ただ、もちろん場合(メーカー、ロット個体差など)によります。

      F字幅は0.3㎜~0.5㎜。

      舶来万年筆と国産万年筆の書き味・字幅の違いについてはこちらの記事もどうぞ。

      舶来万年筆(海外万年筆)と国産万年筆の書き味、字幅の違いは?

      一番売れるのはF

      Il Duomoはイタリア万年筆が主なので、
      Mだと太すぎる可能性がある、EFだとカリカリするかもしれない、ということで
      Fに落ち着く方が多いように感じます。

       

      迷ったら「Fで!」というのも良いかもしれませんね。

      「結局どれを選べば一生使えるの?」というかたはこちらもおすすめです。

      一生ものの万年筆はどう選ぶ?万年筆屋が思う一生使えるペン

      M~B 太めの文字が書きたい人におすすめ

      万年筆の字幅選び方 画像

      万年筆で文字を書くとき、しっかりした文字を書きたいときがあると思います。

      またはがきの表書きなど太いほうが視認性がある場合も太字がおすすめ。

      その場合は太めのペン先を選ぶといいでしょう。

      太めの文字は力強く、しっかりとした印象を与えます。

       

      また、そのほかのメリットとしては「インクの濃淡が楽しめる」ということ!

       

      インクが流行して定着してきていますが、インクも細字だと何色なのかがはっきりしない場合があります。
      太く出れば出るほど、インクの色がはっきりとわかりますし
      インクだまりを楽しむことも可能!

       

      太字(B)のペン先には種類がいろいろとあります。
      メーカーごとに少しずつ違いますが、「BB」や「BBB」など、各メーカーごとに数種類ある場合もあり、それぞれに特徴があります。

       

      基本的にはBなら0.6㎜~0.9㎜くらいになります。(かなり幅があるのは、海外産も含めるため)

       

       

      また、太字まではいらないけど、インクのフローがしっかり目がよくて濃淡を楽しみたい、という用途の場合

      中字(M)がおすすめ。

      Mは0.5㎜~0.6㎜くらいの字幅です。

       

      太字Bで気を付けること

      実は、太字の場合、気をつけるべきことがあります。

      それはペンポイントについて。

       

      太字は形を出すためにペンポイントが四角く作られる場合があり、
      仕上げによっては筆記角度がシビアな場合もあります。

       

      しっかり紙に対して垂直に持って書く人ならば問題ありませんが
      筆記角度に癖がある方の場合、こういったペンポイントのBはインクがかすれる可能性があります。

       

      筆記角度に注意しながら筆記してみましょう!

      EF~F 細めの文字が書きたい人におすすめ

      国産のEFは0.25㎜~0.3㎜程度で、ボールペンだとしたら
      「すっごく細い!」パイロットのハイテックの0.25㎜などが想像しやすいでしょう。

       

      万年筆の字幅選び方 画像

      (ヨーロッパ万年筆ですとEFがFくらいになることもしばしばです。)

      一方、繊細な文字を書きたいときにおすすめなのが、ペン先が「細字」というサイズのものです。

      細字サイズのペン先はバリエーションも豊富。

       

      通常の細字サイズをはじめとして、極細字サイズ、中細字サイズなどペン先の種類が幅広く、その時の気分は書くときの状況などによって、使い分けることができます。

      細字サイズのペン先を使うと、カリッとした文字が書けるイメージがあり、私は文字をたくさん書きたい時や気持ちをすっきりさせたい時によく使います。

      このようにその時の気持ちでペン先を選ぶこともとても楽しいことだと思います。

       

      細かい文字を書く書類や履歴書、ノートや手帳、日記などを書くことが多い時には細字サイズあるいは極細字サイズがおすすめです。

      細かい文字がきれいに並んでいるのを見ると爽快感があります。

      また細字サイズのペン先には硬めのペン先、柔らかめのペン先など書き心地でも分かれているペン先を揃えているメーカーもあります。

      そのため万年筆を初めて使う人にとっても細字サイズのペン先は使いやすいかもしれません。

      EFはフローが渋い場合がある

      万年筆の原理といいますか、ペン先の原理として
      インクのフロー(流出)が多ければ多いほど
      滑らかに書くことができますが
      その分字幅は太くなりがちです。

       

      なぜかというと一度に出てくるインク量が多いので
      紙に染みこむ量が増えます。
      すると、結果的に字幅は太くなります。

       

      そんなわけで、EFらしい極細さを達成するために
      メーカーによってはあえてフローを絞り(スリット同士やペン体とペン芯との隙間を狭くしたり、など)
      細く出しているところがあります。

      フローが減ると、金属感を感じやすくなるために
      カリカリ感を感じることが増えるでしょう。

       

      そんなわけで、もし滑らか~な書き味が好きな方は
      フローが多めのメーカーを選ぶか、細字でもEFではなくFを選ぶなど
      工夫をする必要があるでしょう。

      (しかしこれも概論であって、滑らかでフローが少ない個体もあります。奥が深いです)

      フレックスやミュージックニブなど特殊ニブ

      万年筆の字幅選び方 画像

      メーカーによってフレックスニブ、エラステイックニブ、クイルニブ、などいろいろな言い方がありますが
      つまり「柔らかいペン先」です。

      柔らかいと何がいいことがあるの?というと、

      これまたメーカーやペン先の種類によって様々なのですが

      フレックスニブのメリット
      • アタリが柔らかいので手への負担が少ない
      • かける筆圧によって字幅のバリエーションが自由自在になるので、カリグラフィーのような線が書ける

      ということが挙げられます。

      しかし

      フレックスニブのデメリット
      • 筆圧をかけすぎるとペン芯と離れてしまいインクが出なくなることも
      • 扱うのが難しいので初心者向けではない

      ということも…

      おすすめとしては、最低でも半年程度、通常のペン先に慣れてから
      こういった柔らかいペン先を使ったほうが良いと思います。

      ペン先を傷めてしまうのが一番怖いです💦

       

       

      また、ミュージックニブは数が少ないのですが
      楽譜用に作られたニブで
      これもフレックスニブであることもあるのですが
      面白い線が書けるので、一部の方に人気があります。

       

      スタブのように使うことができます。

      手紙や原稿用紙にも良いでしょう。

       

      レオナルド万年筆 ミュージックニブ leonardo music nib 14K

       

      スタブはミュージックニブと似ていますが
      メーカーによってはイリジウム(ペンポイント)が付いておらず
      板のようなペン先なこともあります。

       

      面白い字幅の線が書けて素敵なのですが
      ミュージックニブ、スタブとも
      初めての万年筆にはおすすめしません。

      万年筆の字幅選び方 画像

      国産と舶来品のサイズ感の違いは?

      万年筆には日本のメーカーが作った国産品と海外のメーカーが作った舶来品があります。

      やはりメーカーごとにペン先の種類は豊富です。

      さらに国産の万年筆のペン先と舶来品の万年筆のペン先では同じサイズ名でも文字の太さに違いがいあります。

      一般的に国産にくらべて舶来品のペン先の方が1段階太いと言われています。

       

      たとえば舶来品のペン先の細字は、国産のペン先では中字の大きさです。

      それぞれのペン先のサイズで、舶来品のほうが大きくなっています。

      舶来品の万年筆を選ぶときにはぜひペン先の大きさにも気を付けて選びましょう。

       

       

      ちなみに、舶来品の中でもアウロラは日本の字幅とかなり近いと言われています。(個体差はあります)

      アウロラの代表モデル「88(オッタントット)」のレビューはこちらをご覧ください。

      アウロラの88(オッタントット)シガロ・ブルー!外観と書き味は?

       

      まとめ

      オジヴァメディオ アルマンドシモーニクラブ Armand SimoniClub odiva medio

      万年筆を選ぶとき、ペン先の種類はとても重要です。

      ペン先の種類が多く、また国産と舶来品とでは微妙にサイズも違います。

      そんな時はまず自分がどのくらいの太さの文字を書きたいかをイメージしましょう。

      自分が好きな太さの文字はどれくらいでしょうか?

       

      そのイメージに合わせてペン先を選んでみるのがおすすめです。

      最初のうちは選んだペン先で書いた文字が自分のイメージと合わなかった・・・ということもあるでしょう。

      でも自分が選んだペン先で自分のイメージ通りの文字が書けたときの喜びはとても大きなものです。

      そしてその喜びからどんどん万年筆で文字を書くことが好きになっていくと思います。

      その嬉しい気持ちこそが万年筆の楽しさなのです。

       

      万年筆の使い方・選び方に困ったら

      万年筆の使い方、ペン先の選び方などご相談に乗れますので、気になる方はぜひLINE@でお気軽にトークしてみてくださいね(*’▽’)

      使い方・選び方に困ったら 万年筆の使い方・選び方で困ることがあればLINE@からお気軽にご質問くださいね!

       

      Il Duomoの店長があなたのお好みの色や予算などを聞いて、リストアップすることもできますよ。 LINE@で商品のお問い合わせを簡単に♪さらに、LINE@限定でお得なクーポンを配布中。友だち追加してね。

      IDで検索↓

      【@vfj5261w】

      スマートフォン、タブレットの方はこちら↓

      友だち追加

      Il Duomoでのペン先選びサポート

      万年筆の字幅選びは、実際に書き比べてみるのがいちばん。Il Duomoでは字幅展開が豊富なブランドを中心に、ペン先調整サービスもご案内しております。

      Il Duomoのペン先調整オプションを見る
      アウロラのペン(字幅展開豊富)
      Il Duomoのショップで万年筆をみる