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アウロラ・ダンテ神曲シリーズを深掘りしてみた!
こんばんは、Il Duomoの店長の佐藤です。
アウロラの人気シリーズのひとつ、
ダンテの神曲シリーズ。
これまでにインフェルノ(地獄編)プルガトリオ(煉獄編)パラディソ(天国編)が発表されています。
また、この3つの前にダンテ・アリギエーリに捧げる深緑色の軸が1995年に発売しています。
ですのでアウロラのダンテにまつわるペンは4種類あるということになります。
読書好きのわたくし、神曲はすべて通して読んだわけではないですが目下挑戦中です。
今日はわたしのなかでも思い入れのある神曲を深掘りしていこうと思います。
▶アウロラ 限定生産品 ダンテ パラディソ 万年筆 Aurora Dante Paradiso Fountain pen
|ダンテの神曲とは?
神曲とは14世紀初頭にイタリアで刊行されたダンテ・アリギエーリの代表作で
地獄篇、煉獄篇、天国篇の3部構成の全14,233行の韻文による長編叙事詩です。(つまりはとてつもなく長い詩なのです)
すごくざっくり言うとダンテ本人が地獄から煉獄、そして天国へ旅をするというファンタジーな内容になっています。
が、実際はダンテの身の回りの人物が登場し、ダンテの人生が投影されているのです。
|煉獄とはなんぞや?
鬼滅の刃の「煉獄さん」で聞いたことがある方は多いかも?
しかし日本人にとっては難解で馴染みのないのが「煉獄」という概念だと思います。
カトリックの世界では煉獄という概念はイエスキリストの死後すぐに形成されていて、
もちろん未だに存在します。
天国と地獄の中間にあり、天国へ行けなかった魂が修行をする場で
残された生者が死者のために祈ることにより天国へ上がって行けるというシステム…と言われています。
「なんだそりゃ」って感じですが、
恐らく「死者への祈り」の意味を天国と地獄の概念に当てはめたものが煉獄なのだと思います。
死者への祈りが、死者へ通じていないとなると信仰するひとにとっては無意味に感じてしまうので
煉獄という概念で気持ちを収めたのかな?と…
14世紀初頭といえば日本では鎌倉時代…吉田兼好の徒然草が書かれたころ。
徒然草は随筆ですので比較はできないものの…
イタリアの当時の比喩表現の巧みさ、細かさには驚きます。
|ちなみに…おすすめ訳
いまから読むなら訳は原元晶さんが一番読みやすく物語として楽しめると思います。
話は逸れますが、私は高校生のときに背伸びをして違う訳者さん(古い文体の訳)の神曲を読もうとしたのですが
難しくて…てんでだめでした。完敗でした。
背景にあるイタリアについてや、カトリックについての知識が乏しかった(というか無かった)のもあります。
しかしやはり現代語訳が読みやすいですね。
神曲は聖書の引用も多いので、聖書(新約、旧約ともに)を理解していないと神曲はわかりづらいとは思いますが
訳注の多いこの↑講談社学術文庫さんの神曲は、前提としてそういった知識がなくてもわりと読みやすいと思います。
当時のイタリアではローマンカトリックの仕組み・概念が成立しており、
「地獄・煉獄・天国」という概念はすでに浸透していました。
が、神曲にはその表現が細かく記されています。
しかも当時著作物をつくるときはラテン語で書くのが通常だったのを、
ダンテはトスカーナ語で書いたので
一般の人も読むことができました。
ですので地獄はこんなおどろおどろしいんだ!天国はこんなに良いところか!
というのがすごくリアルに、歴史上はじめて一般の人に伝わったのですね。
ラテン語といえば、司祭や政治家や貴族などが教養として身につける言語。
それをトスカーナ語までにハードルを下げて書いたのは
トスカーナ語をイタリア統一のきっかけとしたい、というダンテの信念があったからこそ。
(実際にトスカーナ語が現在のイタリア語の基盤となっているそうです)
日本語で言えば
書物と言えば漢詩で書くのが当たり前!だった時代に
ひらがなを使って口語体で物語を表現した
紀貫之の土佐日記が思い出されます。
しかしダンテ神曲の時代のヨーロッパはすでに活版印刷があり、
書物の出版数が桁違いですから、
土佐日記の数万倍のインパクトだったと思います。
アジアでは地獄絵図というのが有名ですが
当時のヨーロッパでは地獄を詳細に描いた絵画などはそれまでなかったそう。
しかしダンテの神曲の影響によりそれ以降はダンテの神曲をそのまま描いた絵画などが増えていきます。
それほどにダンテの神曲はたくさんの人に読まれていた、ということになるんですね。
ダンテの神曲はその後の芸術に多大な影響を与えました。
神曲なくして今のイタリアは無い、と言っても過言ではありません。
話は逸れますが、内田洋子さんのモンテレッジオ 小さな村の旅する本屋の物語
の中において、
本・書物の歴史のなかで
いかにダンテ神曲が革新的だったか、が書かれています。
気になる方はぜひこちらもチェックしてみてください。
|万年筆のデザインは?
さて肝心の万年筆のほうですが
地獄編は黒にローズゴールド、
煉獄編はネイビーにクローム、
天国編は白にローズゴールド(キャップも金属)という色あいになっています。
天国編は他の2本と違いキャップ全体が金属でできているということから、
完全なもの、完結、を表していると思われます。
そもそも地獄編・煉獄編・天国編の3部作に分かれているのは三位一体の3にこだわったダンテの狙いで
3部作のほかにもありとあらゆる部分に3や33という数字が仕込まれているそうです。
前述した煉獄のイメージを基に、プルガトリオはインフェルノの黒よりもすこし明るく希望の持てるネイビーになっているというわけです。
そしてキャップトップにはダンテの肖像が彫られています。
全体のデザインもダンテの肖像画から引用し、雰囲気もルネサンス前~ルネサンス初期を感じさせます。
インフェルノの尻軸は地獄で燃え盛る炎の赤が使われていますが、
プルガトリオの尻軸は、次の段階である天国を思わせるような白が差し色に。
パラディソは混じりっ気のないホワイトで完結させています。(わたしの解釈です)
書き味は?
ニブは通常の18Kのニブで、アウロラらしいサリサリ感が楽しめます。
オプティマなどと比べると重いのでその分自重で書けるという、不思議な感覚もあります。
これは重めのアウロラすべてに言えることです。
アウロラの書き味については以下に詳しいです。
長文になってしまいましたが、ルネサンスの父とも言われるダンテ・アリギエーリの神曲…
ぜひ商品も、そして本も!チェックしてみてください♩
詳細はぜひ以下をご覧ください。
▶アウロラ 限定生産品 ダンテ・アリギエーリ 神曲 インフェルノ 万年筆 Aurora Dante Inferno Fountain pen
残り僅か!要チェックです。
▶限定生産品 アウロラ ダンテ・アリギエーリ 神曲 煉獄(プルガトリオ) 万年筆 Aurora Dante Purgatorio Fountin pen
残念ながら売り切れです…。
▶アウロラ 限定生産品 ダンテ パラディソ 万年筆 Aurora Dante Paradiso Fountain pen
オフホワイトで優しげな白です。こちらも残り僅か!
モンテグラッパ・ピニンファリーナ・セーニョのダンテ神曲シリーズ
実はアウロラ以外からも2021年がダンテ没後700周年ということで様々なペンが発売されています。
切り取り方がそれぞれに面白いので、ぜひ見てみてください!
▶モンテグラッパ 限定生産品 ダンテ・アリギエーリ インフェルノ 万年筆 Montegrappa Dante Alighieri INFERNO Fountain Pen
神曲のなかの地獄をこれでもかというほど細部まで再現したペンです。
禍々しい地獄の様子や堕天使の彫刻、ぜひ商品ページにて詳細を見ていただきたいです。
▶ピニンファリーナ・セーニョ カンビアーノ ダンテ生誕700周年 Pininfarina 700th Dante - Cambiano
ルネッサンス期の巨匠ボッティチェリによって描かれたダンテの最も有名な肖像画の一つを無垢の杉材に描いたペン立てと、
ルネサンス期に発明されたインクレスペンのセットです。
ボールペンも選べます。
▶ピニンファリーナ・セーニョ カンビアーノ ダンテ生誕700周年 パラディーゾ Pininfarina 700th Dante - Cambiano Paradiso
▶ピニンファリーナ・セーニョ カンビアーノ ダンテ生誕700周年 インフェルノ Pininfarina 700th Dante - Cambiano Inferno
▶ピニンファリーナ・セーニョ ピウマ ダンテ生誕700周年 Pininfarina 700th Dante - Piuma Inferno
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