カテゴリー: イタリア万年筆ハック

Il Duomoのイタリア駐在スタッフが、イタリアやヨーロッパのの万年筆・文具事情をアップ・トゥ・デイトであなたにシェアするコーナー。

  • アウロラ・ダンテ神曲シリーズを深掘りしてみた!書き味も

    アウロラ・ダンテ神曲シリーズを深掘りしてみた!書き味も

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    アウロラ・ダンテ神曲シリーズを深掘りしてみた!

    こんばんは、Il Duomoの店長の佐藤です。

    アウロラの人気シリーズのひとつ、
    ダンテの神曲シリーズ。
    これまでにインフェルノ(地獄編)プルガトリオ(煉獄編)パラディソ(天国編)が発表されています。
    また、この3つの前にダンテ・アリギエーリに捧げる深緑色の軸が1995年に発売しています。
    ですのでアウロラのダンテにまつわるペンは4種類あるということになります。

    読書好きのわたくし、神曲はすべて通して読んだわけではないですが目下挑戦中です。
    今日はわたしのなかでも思い入れのある神曲を深掘りしていこうと思います。

    ▶ アウロラ 限定生産品 ダンテ パラディソ 万年筆 Aurora Dante Paradiso Fountain pen
    ▶アウロラ 限定生産品 ダンテ パラディソ 万年筆 Aurora Dante Paradiso Fountain pen

    |ダンテの神曲とは?

    神曲とは14世紀初頭にイタリアで刊行されたダンテ・アリギエーリの代表作で
    地獄篇、煉獄篇、天国篇の3部構成の全14,233行の韻文による長編叙事詩です。(つまりはとてつもなく長い詩なのです)
    すごくざっくり言うとダンテ本人が地獄から煉獄、そして天国へ旅をするというファンタジーな内容になっています。
    が、実際はダンテの身の回りの人物が登場し、ダンテの人生が投影されているのです。

    |煉獄とはなんぞや?

    鬼滅の刃の「煉獄さん」で聞いたことがある方は多いかも?
    しかし日本人にとっては難解で馴染みのないのが「煉獄」という概念だと思います。
    カトリックの世界では煉獄という概念はイエスキリストの死後すぐに形成されていて、
    もちろん未だに存在します。
    天国と地獄の中間にあり、天国へ行けなかった魂が修行をする場で
    残された生者が死者のために祈ることにより天国へ上がって行けるというシステム…と言われています。
    「なんだそりゃ」って感じですが、
    恐らく「死者への祈り」の意味を天国と地獄の概念に当てはめたものが煉獄なのだと思います。
    死者への祈りが、死者へ通じていないとなると信仰するひとにとっては無意味に感じてしまうので
    煉獄という概念で気持ちを収めたのかな?と…

    14世紀初頭といえば日本では鎌倉時代…吉田兼好の徒然草が書かれたころ。
    徒然草は随筆ですので比較はできないものの…
    イタリアの当時の比喩表現の巧みさ、細かさには驚きます。

    |ちなみに…おすすめ訳

    いまから読むなら訳は原元晶さんが一番読みやすく物語として楽しめると思います。

    ▶ Amazonで見る

    話は逸れますが、私は高校生のときに背伸びをして違う訳者さん(古い文体の訳)の神曲を読もうとしたのですが
    難しくて…てんでだめでした。完敗でした。
    背景にあるイタリアについてや、カトリックについての知識が乏しかった(というか無かった)のもあります。
    しかしやはり現代語訳が読みやすいですね。
    神曲は聖書の引用も多いので、聖書(新約、旧約ともに)を理解していないと神曲はわかりづらいとは思いますが
    訳注の多いこの↑講談社学術文庫さんの神曲は、前提としてそういった知識がなくてもわりと読みやすいと思います。

     

    当時のイタリアではローマンカトリックの仕組み・概念が成立しており、
    「地獄・煉獄・天国」という概念はすでに浸透していました。
    が、神曲にはその表現が細かく記されています。
    しかも当時著作物をつくるときはラテン語で書くのが通常だったのを、
    ダンテはトスカーナ語で書いたので
    一般の人も読むことができました。
    ですので地獄はこんなおどろおどろしいんだ!天国はこんなに良いところか!
    というのがすごくリアルに、歴史上はじめて一般の人に伝わったのですね。

    ラテン語といえば、司祭や政治家や貴族などが教養として身につける言語。
    それをトスカーナ語までにハードルを下げて書いたのは
    トスカーナ語をイタリア統一のきっかけとしたい、というダンテの信念があったからこそ。
    (実際にトスカーナ語が現在のイタリア語の基盤となっているそうです)

     

    日本語で言えば
    書物と言えば漢詩で書くのが当たり前!だった時代に
    ひらがなを使って口語体で物語を表現した
    紀貫之の土佐日記が思い出されます。
    しかしダンテ神曲の時代のヨーロッパはすでに活版印刷があり、
    書物の出版数が桁違いですから、
    土佐日記の数万倍のインパクトだったと思います。

     

     

    アジアでは地獄絵図というのが有名ですが
    当時のヨーロッパでは地獄を詳細に描いた絵画などはそれまでなかったそう。
    しかしダンテの神曲の影響によりそれ以降はダンテの神曲をそのまま描いた絵画などが増えていきます。
    それほどにダンテの神曲はたくさんの人に読まれていた、ということになるんですね。
    ダンテの神曲はその後の芸術に多大な影響を与えました。
    神曲なくして今のイタリアは無い、と言っても過言ではありません。

     

    話は逸れますが、内田洋子さんのモンテレッジオ 小さな村の旅する本屋の物語
    の中において、
    本・書物の歴史のなかで
    いかにダンテ神曲が革新的だったか、が書かれています。

    気になる方はぜひこちらもチェックしてみてください。

    ▶ Amazonで見る

    モンテレッジオ 小さな村の旅する本屋の物語

    |万年筆のデザインは?

    さて肝心の万年筆のほうですが
    地獄編は黒にローズゴールド、
    煉獄編はネイビーにクローム、
    天国編は白にローズゴールド(キャップも金属)という色あいになっています。

    ダンテ 神曲 アウロラ ダンテ 神曲 アウロラ

    ダンテ 神曲 アウロラ ダンテ 神曲 アウロラ

     

    ダンテ 神曲 アウロラ ダンテ 神曲 アウロラ

     

    天国編は他の2本と違いキャップ全体が金属でできているということから、
    完全なもの、完結、を表していると思われます。
    そもそも地獄編・煉獄編・天国編の3部作に分かれているのは三位一体の3にこだわったダンテの狙いで
    3部作のほかにもありとあらゆる部分に3や33という数字が仕込まれているそうです。

     

     

    前述した煉獄のイメージを基に、プルガトリオはインフェルノの黒よりもすこし明るく希望の持てるネイビーになっているというわけです。

    そしてキャップトップにはダンテの肖像が彫られています。
    全体のデザインもダンテの肖像画から引用し、雰囲気もルネサンス前~ルネサンス初期を感じさせます。
    インフェルノの尻軸は地獄で燃え盛る炎の赤が使われていますが、
    プルガトリオの尻軸は、次の段階である天国を思わせるような白が差し色に。
    パラディソは混じりっ気のないホワイトで完結させています。(わたしの解釈です)

    書き味は?

    ニブは通常の18Kのニブで、アウロラらしいサリサリ感が楽しめます。

    オプティマなどと比べると重いのでその分自重で書けるという、不思議な感覚もあります。
    これは重めのアウロラすべてに言えることです。

    アウロラの書き味については以下に詳しいです。

     

    長文になってしまいましたが、ルネサンスの父とも言われるダンテ・アリギエーリの神曲…
    ぜひ商品も、そして本も!チェックしてみてください♩

    詳細はぜひ以下をご覧ください。

    ▶ アウロラ
    ▶アウロラ 限定生産品 ダンテ・アリギエーリ 神曲 インフェルノ 万年筆 Aurora Dante Inferno Fountain pen 

    残り僅か!要チェックです。

    ▶ 限定生産品 アウロラ ダンテ・アリギエーリ 神曲 煉獄(プルガトリオ) 万年筆 Aurora Dante Purgatorio Fountin pen
    ▶限定生産品 アウロラ ダンテ・アリギエーリ 神曲 煉獄(プルガトリオ) 万年筆 Aurora Dante Purgatorio Fountin pen

    残念ながら売り切れです…。

    ▶ アウロラ 限定生産品 ダンテ パラディソ 万年筆 Aurora Dante Paradiso Fountain pen
    ▶アウロラ 限定生産品 ダンテ パラディソ 万年筆 Aurora Dante Paradiso Fountain pen

    オフホワイトで優しげな白です。こちらも残り僅か!

    モンテグラッパ・ピニンファリーナ・セーニョのダンテ神曲シリーズ

     

    実はアウロラ以外からも2021年がダンテ没後700周年ということで様々なペンが発売されています。
    切り取り方がそれぞれに面白いので、ぜひ見てみてください!

    ▶ モンテグラッパ 限定生産品 ダンテ・アリギエーリ インフェルノ 万年筆 Montegrappa Dante Alighieri INFERNO Fountain Pen
    ▶モンテグラッパ 限定生産品 ダンテ・アリギエーリ インフェルノ 万年筆 Montegrappa Dante Alighieri INFERNO Fountain Pen
    神曲のなかの地獄をこれでもかというほど細部まで再現したペンです。
    禍々しい地獄の様子や堕天使の彫刻、ぜひ商品ページにて詳細を見ていただきたいです。

    ▶ ピニンファリーナ・セーニョ カンビアーノ ダンテ生誕700周年 Pininfarina 700th Dante – Cambiano
    ▶ピニンファリーナ・セーニョ カンビアーノ ダンテ生誕700周年 Pininfarina 700th Dante – Cambiano
    ルネッサンス期の巨匠ボッティチェリによって描かれたダンテの最も有名な肖像画の一つを無垢の杉材に描いたペン立てと、
    ルネサンス期に発明されたインクレスペンのセットです。
    ボールペンも選べます。

    ▶ ピニンファリーナ・セーニョ カンビアーノ ダンテ生誕700周年 パラディーゾ Pininfarina 700th Dante – Cambiano Paradiso
    ▶ピニンファリーナ・セーニョ カンビアーノ ダンテ生誕700周年 パラディーゾ Pininfarina 700th Dante – Cambiano Paradiso

    ▶ ピニンファリーナ・セーニョ カンビアーノ ダンテ生誕700周年 インフェルノ Pininfarina 700th Dante – Cambiano Inferno
    ▶ピニンファリーナ・セーニョ カンビアーノ ダンテ生誕700周年 インフェルノ Pininfarina 700th Dante – Cambiano Inferno

    ▶ ピニンファリーナ・セーニョ ピウマ ダンテ生誕700周年 Pininfarina 700th Dante – Piuma Inferno
    ▶ピニンファリーナ・セーニョ ピウマ ダンテ生誕700周年 Pininfarina 700th Dante – Piuma Inferno

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  • 【モンテグラッパの書き味とは?】エキストラ1930とフェリチタの比較、調整のレポート

    【モンテグラッパの書き味とは?】エキストラ1930とフェリチタの比較、調整のレポート

    こんにちは、Il Duomoの佐藤です。
    つくし様よりいただいたレポートをまたご紹介させていただきます。
    前回の地中海ブルーのレポートの続きになります。あわせてぜひお読みください!
    最後のほうに、調整師さんからのコメントがあります。
    調整はどのようになされるのか、というお話から
    イタリア万年筆の魅力まで、深い話になりました。
    調整をしてみたい、という方はぜひチェックしてみてくださいね!
    ~~~~
    今回の記事ではペン先調整オプション (書き味調整) についてのレポートを書きます。
    レポートの前半はペン先調整オプション (書き味調整) について、後半はフェリチタとエキストラの比較という構成になっています。
    2018年に某百貨店でモンテグラッパのフェリチタ ジェリーボンオーシャンの万年筆 (F) を購入しました。
    フェリチタは幸福という意味です。
    胴軸の素材はプレシャスレジンを使用しています。
    ペン先はスチールで字幅はF。
    コンバーター、カートリッジが使える両用式です。
    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比
    この万年筆はインクが出なくなったりかすれてしまうので使うことをあきらめて、長期間机の引出しにしまってありました。
    Il Duomoさんのホームページを拝見していた所、ペン先調整オプションサービスがあることを知りました。
    ペン先調整オプションサービスには「書き味調整」と「字幅の調整」の2つのオプションがありますが、今回は「書き味調整」を選択しました。
    ※Il Duomo追記:現在はIl Duomoで購入されたペン以外の書き味調整・字幅調整は行っておりませんのでご了承ください。
    ペン先調整オプションに送った万年筆の問題点を知りたい場合はLINEでIl Duomoさんに問い合わせると
    Il Duomoのスタッフが調整師さんと連絡を取ってくださり、調整師さんが話した内容をLINEに載せてくれます。
    フェリチタを調整師さんに見てもらったところ、ペン先に背開きがあり、ペンポイントの高さのずれがあったので、修正していただきました。
    僕が描いた背開きの説明図です。
    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比
    すぐに削って高さを揃えてインクが出るようにすることも可能でしたが、分解して背開きを直したと調整師さんはコメントしていました。
    自分は内側にひねる癖があるので、ペンポイントは左が高くて、右が低くなっていたのだろうと思います。
    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比
    (Il Duomo注:ペン先調整においては、インクが出やすいようにするアプローチにいくつかのやりかたがあります。
    背開きを戻さずに削り出しをして、面をそろえてインクを出やすくする方法もありますが、
    Il Duomo提携の調整師さんは基本的にはあるべき位置に全体を戻してから削り出しをする場合が多いです。
    ペン先を分解し、正常な位置に金属を変形させますが、そのまま放っておくとまた形状記憶で戻ってくるので、何日かかけてだんだん近づいていきます。
    そのあと削り出しが必要なら研ぐという流れです。
    これには金属の戻りを計算しないといけないので、時間と労力がかかります。)
    背開き及びペンポイントの高さのズレを修正したイメージです。
    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比
    所持しているフェリチタがスキップしてしまう (インクがかすれてしまう) のは背開きでインクのペン先への供給量が下がっていたからなのではと思いました。
    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比
    ペン芯のずれがあるとインクフローが悪くなりますが、今回ペン芯のずれはありませんでした。
    フェリチタのペン芯の写真です。
    長期間インクを入れっぱなしにして放置してあったので、腐食がないか心配でしたが、錆はありませんでした。
    ペン先調整オプションを利用する際に万年筆は充分に洗浄してからIl Duomoさんに送りました。
    調整師さんは万年筆を分解した際に腐食がないかも確認します。
    商品チェックシートには外観検査、ペン先の検査、インクの吸入に問題がないか、試筆結果など佐藤店長が検品した結果が記録されています。
    ペン先調整後の万年筆の状態を詳細に記載してくださり、お客様に安心を提供しています。
    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比
    ペン先調整オプションサービスでは調整師さんと佐藤店長のダブルチェックを行なった上で、お客様の元へ出荷されます。
    優れた技術力でペン先調整を行なった調整師さん及び丁寧に検品した佐藤店長に感謝です。
     
    調整を終えたフェリチタでZeitVektorに文字を書きました。
    書き味調整をしていただいて、書き心地がなめらかになり、スキップしなくなりました。
    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比

    フェリチタとエキストラ1930を比較する

    次にフェリチタ ジェリーボンオーシャン (F) とエキストラ1930 地中海ブルー (EF) を比較します。

     

    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比

    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比

    フェリチタは両用式ですが、エキストラは吸入式です。
    重量はフェリチタが軽くて (約20g)、エキストラは重め (44g) です。
    フェリチタは軸が細めで羽根のように軽いので、重い万年筆が苦手な方や軽い万年筆が好きな人にお勧めです。
    キャップポストしても重くないです。
    小型なので手帳など携帯するのに便利です。
    軸の太さや重量は女性向きのペンだと思います。
    今回紹介した胴軸の色は青ですが、赤やピンクなどもあります。(Il Duomo注:2021.12月現在廃番)

    一方、エキストラは太めの軸で、重量を利用してしっかりした文字を書けます。
    エキストラの写真です。

    フェリチタとエキストラのペン先を比較します。
    フェリチタのペン先には古代ギリシャの雷紋模様であるグリークキー模様が描かれています。
    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比
    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比
    ペン先はフェリチタは小さくて(5号くらい?)、エキストラは大きい(8号弱くらい?)です。
    切り割り (ペンポイントからハート穴までの溝) はフェリチタは短くて、エキストラは長いです。
    切り割りは長いほうがしなりやすいということがありますが、
    モンテグラッパの18Kは金属自体が分厚く、硬めなので切り割りが開きやすいということはあまりないようです。
    フェリチタのペン芯は急なカーブの形状です。
    エキストラのペン芯はなめらかな形状で、複雑な形をしています。
    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比
    (Il Duomo追記:ペン芯は内部のインクをいったん溜めておく、万年筆の心臓部と言われる部分です。
    この形はメーカーによってさまざまであり、よいインクフローのためにメーカーがしのぎを削っているところでもあります。)
    フェリチタ、エキストラに同じインク (モンテグラッパの純正のインク) を入れて、文字を書いて比較します。
    フェリチタはサラサラした書き心地で、エキストラは弾力のある書き心地です。
    マルマンのルーズリーフでフェリチタ (F) とエキストラ (EF) で書いた文字を比較しています。
    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比
    ▲マルマンのルーズリーフ
    モンテグラッパ フェリチタ エクストラ 比
    ▲LIFEのSCHOPFER (シェプフェル)
    LIFEのSCHOPFER (シェプフェル) にフェリチタ (F) とエキストラ (EF) で書いた文字を比較しています。
    写真ではわかりにくいですが、マルマンのルーズリーフよりLIFEのノートの方がフェリチタ (F) とエキストラ (EF)で書いた文字の太さに違いが出ました。
    エキストラ (EF) はフェリチタ(F) よりも重量が重いですが、どちらの用紙もフェリチタ (F) の方が線が太くなりました。
    フェリチタとエキストラに関しては、万年筆の重量よりもペン先の字幅 (EF、F) の方が文字の太さに影響を及ぼしていました。
    フェリチタを使っていて、スチールのペン先およびレジンの胴軸は充分に実用性があると感じます。
    エキストラはペン先に18金を使い、胴軸にセルロイドを使用して、首軸・クリップ・天冠にスターリングシルバーを使っていて、美しいデザイン及びなめらかな書き心地に心を惹かれますが、万年筆の入門者向けの価格ではないです。
    フェリチタのように低価格でも妥協せずに製品の設計・製造を行ない、その一方でエキストラのように自社の技術力を結集した製品の設計・製造を行ない、お客様が満足する万年筆を提供するモンテグラッパのものづくりに対する熱い情熱に魅力を感じます。
     
    フェリチタは2017年8月にIl Duomoの佐藤店長が動画でレビューしています。
    そのレビューにはフェリチタに関する具体的な情報が掲載されています。フェリチタは廃盤品なので、新品の万年筆を探して購入するのが難しいです。
    Il Duomoさんにはフェリチタのローラーボールの在庫はあるようですが…。
    フェリチタのレッドベルベット、シュガーピンクダスト、カラメルゴールドのローラーボールは可愛らしいと思います。
    モンテグラッパの現行品の万年筆ならばエルモ、ミアなどがお手頃な価格で初心者向きです。
    何本も万年筆を持っていると使わなくなる万年筆も出てきます。
    使わなくなった万年筆を取り出して使ってみると新たな発見があるかもしれません。
    ペンクリニックに持っていったりして、使わなくなったりインクが出なくてあきらめていた万年筆を復活させてみてはどうでしょうか。

    調整師さんからのコメント

    Il Duomoでは、ご希望の方に調整オプションという形でペン先調整を受け付けています。
    ペン先調整を請け負っていただいている調整師さんから、コメントをいただきましたのでここに追記させていただきました。

    今回のフェリチタについて

    フェリチタの調整ですが、症状としてペンポイントの左右の高さのズレと切り割部分の背開きがありました。

    どちらも書き味にとってガリ付きの原因になるものでしたので、その修正から始めました。

    まず首軸からニブとペン芯を外します。ニブの形状修正をするときには、ニブ単体にしなくては上手く行きません。

    始めにズレを直し、それと合わせて切り割周辺のニブ形状のチェックとペン芯との密着具合の確認。

     

    背開きになっている場合、切り割を入れるときの影響で、変形して発生していることがあるので、

    そういった歪み取りの上で切り割部分が、きれいな形になる様にしました。

    わかりやすく例えるならニブの部分の入念な整体を行ったようなものです。

     

    そのうえでスイートスポットを複数作りこんであります。

     

    IL Duomoのお客様の調整に関して気を付けている所、大変なところ。

    大変なところ、難しいところは対面での調整ではないという事につきます。

    一人一人書き癖や筆記速度も違い、使う紙もインクも違う。

    机の高さ、椅子の高さも違うし筆記速度も筆圧も違います。

    本来の対面調整なら、それらを踏まえたうえで、パーソナライズするわけです。

    そういった観察し、情報を得ることなしに調整するというのは何年間も調整をした経験と

    、万年筆から読み取れるメーカーの設計思想(これはメーカーの想定する筆記者の像です)

    からどの様な調整が、そのペンにとってあったものなのか導き出さなくてはいけない、という事です。

     

    基本的な初期調整にしても、同じメーカーの同じモデル、同じ字幅であれば比較的同じ書き味になる様にしていますが、

    それでも個体差は大きくあって影響しています。

    イタリア万年筆は比較的製品が安定しているメーカーの物でも結構個体差は大きいので、そこらへんは難しいところです。

     

    なので、基本的にスイートスポットを複数作りこみ、

    捻りや立てたり寝かせたりといった書き癖に対応できる様にすると同時に

    少し渋めのインクでも適切なインクフローになるようにしています。

    後は、メッキや特殊コートされていたりするニブも多いので、

    出来るだけ調整がペンポイントの範囲で収まる様に気を付けていますね。

    真っ黒にコートされているニブに、金色の地金が露出していたりすると目立ちますから。

     

    モンテグラッパの魅力

    モンテグラッパの魅力としては、他のイタリア万年筆もそうなのですが美しい軸が上げられます。

    それぞれのメーカーが各社の個性を持って作っているので全体のシルエットや軸模様と言った部分で、

    メーカー名の刻印がなくても判別できそうな処は実に魅力的と言えます。

    モンテグラッパは金属パーツの銀細工も良いですが、

    軸のボリューム感というか、どういえばいいのか、

    デルタが豊満な印象なのに対してモンテはほんの少しぽっちゃり、という感じでしょうか。

    どことなく肉感的なラインを持っているペンだと思います。

    イタリア万年筆の魅力

    イタリア万年筆の魅力を一言でいえば百花繚乱の趣がある個性的なところと言えるかと思います。

    個体差を、それぞれの個性と捉えてメーカーごとに、たとえ同じモデルであっても同じものは存在しない、

    それは品質の均一性という観点からは良くないことかもしれませんが、

    長く付き合う相棒としてみた場合、最大の魅力であるかもしれないと思います。

     

    昔、自分が調整師になる前に友人がデルタのドルチェヴィータを購入した時の話です。

    何軒もお店を回って、気に入った書き味と字幅の物を探し一番理想に近いものを入手したうえで、調整に出した時のセリフです。

    「可愛いイタリア人の彼女が、自分の為に花嫁修業してきてくれるなんて最高じゃないか。」

    調整や万年筆との付き合い方の本質の一端が表れている言葉だと思いました。

    【モンテグラッパの書き味とは?】エキストラ1930とフェリチタの比較、調整のレポート

    Il Duomo
    コメントありがとうございました!
    こんなふうに丁寧にペンの花嫁修業がなされていくんですね。
    1本1本ペンごとにカルテは違うと思いますが、調整を検討されている方はぜひ参考になさってください。

    モンテグラッパのおすすめペン

    さてここまで書いてきましたが、

    モンテグラッパのおすすめペンをご紹介します。

     

    モンテグラッパ アンビエンテシリーズ

    モンテグラッパ エルモ アンビエンテ チャコール 万年筆  Montegrappa Elmo AMBIENTE Charcoal Fountainpen

    アップサイクルをテーマにしたペン。
    軸にはリサイクル樹脂を利用しています。
    シックなブラックは男女ともにおしゃれにファッションをランクアップさせてくれそう。
    その他、アップサイクルをしたペンケース ノートなどの付属品たちもどれもかっこいいのでぜひチェックしてみてくださいね。

    モンテグラッパ ミア
    モンテグラッパイトという特別なマーブル調樹脂を利用しています。
    豊かなデザインが魅力。
    モンテグラッパ エクストラ1930 地中海ブルー
    モンテグラッパ エキストラ1930 地中海ブルー Montegrappa Extra 1930 Mediterranean Blue
    セルロイド×シルバーでモンテグラッパの真骨頂!
    18Kの高級感ある書き味も見どころです。
    イタリアらしい唯一無二の柄を楽しめるアジアーゴ。
    ゆらぎと色を楽しめます。クリップなども変わっていて良いですね。

    あわせて読みたい

    モンテグラッパのほかのモデルや、書き味比較に関連する記事もあわせてどうぞ。

    イタリアの万年筆モンテグラッパの特徴&書き味は?おすすめペンも
    文化の息吹感じる…モンテグラッパ・モザイクシリーズをレビュー
    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は?

    万年筆の基礎(吸入方式・字幅)について知りたいかたはこちらをどうぞ。

    万年筆のいろいろな吸入方法。どれを選ぶか?
    【初心者向け】万年筆のペン先のサイズはどうやって選ぶ?

    Il Duomoでご購入なさった万年筆に関して書き心地を良くしたい、
    インクフローが悪くなってきたのでペン先の状態を確認してほしい、
    字幅を調整したいなどの要望がありましたら、ぜひペン先調整オプションをご利用してください。
    Il Duomoおよび提携の調整師はお客様のペン先調整オプションのご利用を心からお待ちしています。

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  • 【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は?

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は?

    先日、モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーをお買い上げいただいた、つくし様より
    詳しいレポートをいただきましたので、許可を得てブログに掲載させていただきます。

    しばらく使わないとわからない、具体的な使い心地を書いていただき感謝申し上げます。

     

     

    ~~~以下、つくし様よりいただいたレポート~~~

     

     

     

    モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーのレポートを書きます。
    この万年筆のセルロイドは宝石のような鮮やかなブルーで、明るい部分と暗い部分のコンストラストが美しいです。
    素材が入手困難でセルロイド製の万年筆を製造するブランドが少なくなる中で、

    頑なにセルロイド製の万年筆を提供し続けるモンテグラッパの企業努力には頭が下がります。

    モンテグラッパの代表モデル「エキストラ1930」と「フェリチタ」の書き味比較はこちらをどうぞ。

    【モンテグラッパの書き味とは?】エキストラ1930とフェリチタの比較、調整のレポート

     

    モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの外観

     

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は?

    一般的にステンレス、鉄など固い金属の加工はしやすく、アルミニウム、銀、銅などの柔らかい金属の加工は難しいです。

     

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は? - 関連画像2

     

    首軸、キャップ、クリップともにスターリングシルバーの素材を使用していて形が整っているので、モンテグラッパの金属加工技術の高さを伺うことができます。
    Il Duomoさんからいただいたペンレストにエキストラをのせてみました。

     

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は? - 関連画像3

    万年筆はキャップをつけないと転がりやすくて、机から床に落とすと傷がついたり、ペン先が破損してしまいます。
    ペンレストは万年筆を守るためのアイテムで、プレゼントしていただき嬉しいです。
    木製なのになめらかな肌触りなことに驚いています。

    14K・18K・スチールニブの違いやペン先素材についてはこちらの記事もどうぞ。

    はじめての万年筆を選ぶポイントとは?②(ペン先編)

     

    エキストラのキャップのスターリングシルバーには古代ギリシャの雷紋模様であるグリークキー模様が描かれています。
    グリークキー模様は電気抵抗のΩ(オーム) のような形でキャップを一周しています。
    アウロラは雷門模様をグレカ・パターンと呼んでオプティマなどに採用しています。
    アウロラのグレカ・パターンはRのような形で連続的に描かれています。
    このオプティマは旧型なので、現行型よりグレカ・パターンが大きいです。
    現行型は2段のグレカ・パターンになっています。
    ラーメン模様と呼ばれることはありますが、自分はグリークキー模様、グレカ・パターンどちらも好きです。

    アウロラの代表モデル「88(オッタントット)」のレビューはこちらをご覧ください。

    アウロラの88(オッタントット)シガロ・ブルー!外観と書き味は?

     

    オプティマとの比較

    エキストラとオプティマ (シャープペンシル) の比較の写真です。

     

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は? - 関連画像4

    エキストラのセルロイドは波のようなブルーなデザインなのに対して、オプティマのアウロロイド (アウロラ製の樹脂) はガラスを散りばめたようなブルーです。

    持った時のバランスなど

     

     

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は? - 関連画像5

    自分は首軸のネジの部分に指を当てて、ネジを滑り止めとしてペンを握ります。
    ネジの部分を握ると筆記角度は45度くらいになり、適切な筆記角度になります。
    また、キャップを尻軸にポストしないで書くには、適度な重量だと思います。
    万年筆は新製品が発売されて古いモデルは廃盤になるので、通常は昔のモデルの万年筆は中古でないと手にすることはできません。
    エキストラ1930地中海ブルーのように、新しいインクの吸入機構を搭載した上で1930年代のデザインのペンを現代において手にすることが出来るのは嬉しいです。
    イタリアメーカーならではの色鮮やかなセルロイドと銀加工の相乗効果により作られたエキストラは美しいデザインです。

     

    エキストラとミクラの比較

     

    10~20年前に自分はモンテグラッパのシンフォニーやミヤが欲しかったのですが手が届きませんでした。
    今になってようやくシンフォニーやミヤと同じようなデザインの万年筆を手に入れることができて嬉しいです。
    ちなみにシンフォニーやミヤの万年筆は両様式 (コンバーターとカートリッジ兼用) で、エキストラ1930地中海ブルーは吸入式です。

     

    写真はエキストラとミクラ (ボールペン) です。

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は? - 関連画像6

    ミクラはシンフォニーやミヤを小型にしたサイズのモデルです。
    エキストラとミクラのコラボは素敵だと思います。

    吸入式・カートリッジ式・コンバーター式など、いろいろな吸入方法の違いについてはこちらをご覧ください。

    万年筆のいろいろな吸入方法。どれを選ぶか?

     

    エキストラ1930地中海ブルーEFの書き味は?

     

    エキストラ1930地中海ブルーは自分は字幅はEFを選択しました。
    インクフローは良好でEFでもかすれません。
    EFらしい細い線で文字を書くことができます。
    書き心地はなめらかでひっかかりがありません。
    内側にひねる癖がある自分でも問題なく書けます。
    ZeitVector、Campusノート、ツバメノート、Giuris (ジウリス) など様々な用紙に対応できて裏抜けしません。

     

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は? - 関連画像7

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は? - 関連画像8

     

    上はZeitVectorで文字を書いた写真で、下はGiurisで文字を書いた写真です。

    ペン先のサイズ(EF・F・M・B)の選び方について詳しくはこちらをどうぞ。

    【初心者向け】万年筆のペン先のサイズはどうやって選ぶ?

     

    モンブラン146との比較

     

    モンブランの『マイスターシュテュック ソリテール #146 シルバー・バーリー ル・グラン (EF)』とモンテグラッパの『エキストラ1930 地中海ブルー (EF)』で書いた文字を比較します。

     

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は? - 関連画像9

    モンブラン シルバーバーリー

     

     

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は? - 関連画像10

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は? - 関連画像11

    上の写真はZeitVectorで書いた文字で、下の写真はCampusノートで書いた文字です。

     

    シルバー・バーリーとエキストラはZeitVectorでは線が若干太くなり、Campusノートでは細くなりました。
    紙のインクの吸収具合で線の太さは変化するようです。
    どちらの紙においても、線の細さはシルバー・バーリーとエキストラはほぼ変わらないかなと思います。

     

    モンテグラッパのインクについて

     

    モンテグラッパのインクはモデルチェンジがありました。

     

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は? - 関連画像12

     

    旧型は42mLで、容器と箱の写真です。
    現行型は50mLの容器のボトルと箱の写真です。

     

    【レポート】モンテグラッパ エキストラ1930地中海ブルーの使い心地は? - 関連画像13

    自分は旧型より現行型のインクボトルのデザインの方が自分は好きです。
    今は現行型のインクを入れて使っています。

     

    まとめ

     

    自分はエキストラがインクを吸入する際に尻軸を回したときに鳴るネジを巻くような「カチカチ」という音や、尻軸を回すときのメカニカルな感触が好きです。

     

    出産祝いの手紙をエキストラで書きました。

    (※お手紙の画像は割愛させていただきました)

    手紙はそのときに考えたことを紙という平面に閉じ込めておけて、時間が経過して手紙を見返した際に過去にあった出来事を思い出せることが長所だと考えています。
    手書きで書いた文字はパソコンで書いた均一な文字より自分の思いを相手に伝えやすいと思います。

    ~~~~~~

     

    つくし様、お詳しいレポートをありがとうございました!

    地中海ブルーのセルロイドは、何層にも重なり光にかざすと面によってゆらぎ、色を変えます。まさに地中海の水面のよう。

    スターリングシルバーを育てるのもまた楽しみな、一生ものと言えるペンだと思います。

     

    モンテグラッパ、クラフツマンシップあふれるとても魅力的なペンメーカーです。

    「結局どれを選べば一生使えるの?」というかたはこちらもおすすめです。

    一生ものの万年筆はどう選ぶ?万年筆屋が思う一生使えるペン

     

     

    ンテグラッパエキストラ1930地中海ブルー

    ンテグラッパエキストラ1930地中海ブルー

    モンテグラッパ エキストラ1930 地中海ブルー Montegrappa Extra 1930 Mediterranean Blue

    ペンの仕様

    素材 セルロイド、スターリングシルバートリム
    キャップタイプ ねじ式
    ペン先 18K
    文字幅 EF/F/M/B/STUB
    インク方式 ピストン吸入式
    インク容量 約―ml
    キャップポスト時の長さ 約-cm
    収納時の長さ 約13.8cm
    胴軸部の長さ 約-cm
    最大軸径 約1.6cm⌀(クリップ部除く)
    重量 約44g
    その他

     

     

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  • スクリーボ(Scribo)万年筆の特徴とおすすめのモデル。書き味は?

    スクリーボ(Scribo)万年筆の特徴とおすすめのモデル。書き味は?

    以前、廃業したオマスの後継として立ち上がったアルマンドシモーニクラブ(ASC)をご紹介しました。
    実はもうひとつ、オマスの意思を受け継いだブランドが。

     

    スクリーボ(Scribo)

    スクリーボ(Scribo)万年筆の特徴とおすすめのモデル。書き味は?

    スクリーボ 

     

    世界を見据えた、モダンなデザインの万年筆を少量ずつ生産しています。
    私が数々の万年筆にふれる中で、書き心地のよさNo.1がこのスクリーボの14Kフレックスニブ!
    嗚呼この感動を誰かと分かち合いたい・・・!

     

    後継とはいえ、オマスやASCとはまた違った良さがあるスクリーボ。
    今回はその魅力をご紹介していきます!

     

    書き味など、詳しくはこちらの動画でも説明しています。ゆっくり書いているので書きぶりがわかりやすいと思います。

    ぜひご覧ください!

     

     

     

     

    スクリーボ(Scribo)の歴史は?オマス廃業後に誕生した新進気鋭のメーカー

    2016年にイタリアの老舗万年筆ブランド、オマスが惜しまれつつも廃業。
    それとほぼ同時に、オマスの元従業員が中心となってスクリーボを立ち上げました。
    拠点も変わらず、ボローニャです。

    9つの代表万年筆ブランドをコンパクトにまとめた記事はこちらをどうぞ。

    あなたはいくつ知ってる? 有名万年筆ブランド9選

     

    ただ、オマスの頃と比べて生産数は控えめ。
    少しずつ限定生産品を出している程度なので目をつけたら早めに動かないと手に入らない可能性も・・・。

    海外・国産の主要万年筆ブランドの特徴を網羅した記事はこちらをどうぞ。

    はじめての万年筆を選ぶポイントとは?④(ブランド編)

     

    スクリーボ(Scribo)の由来

    ブランド名のスクリーボ(Scribo)はScrittura Bologneseの略。
    訳すのが難しいのですが、「ボローニャ風の筆記」とでもいいましょうか。
    ちなみにScriboという単語もラテン語にあって、こちらも「書く」という意味があります。

     

    モダンなデザイン

    スクリーボ Scribo

    オマスやアルマンドシモーニクラブ(ASC)は手作り感のある、昔ながらのイタリアン万年筆。
    対してスクリーボは、オマス時代に培ってきた知識や素晴らしい技術を活かしてモダンな雰囲気のペンを生産しています。

     

    軸には基本的にレジンを使用し、つるんとしたジュエリー感のある洗練された仕上げ。

    トリム(メッキ)はプラチナがしっかりと覆っており、分厚いフィニッシュのように見えます。

    オマスやASCとの仕上がりの差を見るに、おそらく使用している機械も違うのでしょう。
    ペン同様、箱もすっきりとしたデザインです。

     

    玄人受けしそうなちょっとクセのあるASCと比べると、スクリーボの方が世界での展開を見据えている印象を受けますね。

    女性向けなデザインも多いです。

     

    スクリーボ(Scribo)の書き味は、ニブによって異なる

    スクリーボ

    スクリーボの万年筆はどれを選んでも比較的書きやすいのが良いところ。

     

    ・ペン芯がよくあるプラスチックではない
    ・ニブによって書き心地が異なる

     

    こちらはチェックしておいていただきたいポイントです。

     

    ペン芯には希少な素材、エボナイトを採用

    スクリーボ(Scribo)

    スクリーボはペン芯に、希少なエボナイトという素材を使用しています。
    こちら、他のメーカーでは最近あまり使われていません。

     

    エボナイトで作られたペン芯のメリットは、使い続けているとインクフローが安定してくる点。
    ペン先とペン芯の間に隙間が空いていると、インクがうまく出てきません。
    しかしエボナイトで出来たペン芯は、書けば書くほどペン芯とペン先(金属部分)の間が狭くなっていき、ぴちっと合うようになるんですね。

     

    使い続けることで、どんどん馴染んで書きやすくなっていく。
    とっても愛着が湧きそうなペンです。

    14K・18K・スチールニブの違いやペン先素材についてはこちらの記事もどうぞ。

    はじめての万年筆を選ぶポイントとは?②(ペン先編)

     

    Il Duomo店長イチオシ!スクリーボ(Scribo)の14Kフレックスニブ

    スクリーボ(Scribo)14Kフレックス

    スクリーボの万年筆はニブの選択肢が多く、18Kや14Kを選ぶことができるモデルもあります。
    14Kはフレックス、つまりやわらかい書き味。
    18Kはオマスを感じさせるサリサリとした書き心地です。

     

    特に私が推したいのは14K。
    様々な万年筆を使ってきた中で、書き心地がダントツに気持ちいいのがこの14Kフレックス!
    これはもう感動モノです・・・!

    (もちろん、インクや個人の筆記角度などによって全く書き味が変わりますのでお気を付けを…)

     

    スクリーボ Scribo 書き味

    ↑検品時の筆跡です。

    ちょっと筆跡がこすれてしまっているのですが、豊かなフローと、字幅が広く開いている様がおわかりいただけるかと思います。

    書き出しもスキップするものはほとんどなく、非常に優秀です。

     

    字幅にもよるのですが、FやMはふわっとやわらかくてペンポイントもなめらか。
    調整なしでも申し分ないくらい、書き心地のいいペンです。

    ただ、フレックスなので毎日手帳などにガシガシ書く実用品というよりは、遊びの1本としてお持ちいただくのがおすすめです。
    作品を作ったり清書したりするときに使ってほしいペン先だなと思います。
    手紙を書いたりするのにもいいですが、練習が必要そうです。

    ペン先の安定性も抜群。
    通常、フレックスはやわらかく作られているので、筆圧には注意が必要なんです。
    書くときにぐっと力をかけてしまうとペン先が変形してしまい、戻らなくなってしまうことも。
    しかしスクリーボの万年筆はそんなこともないので、扱いやすさも○。

     

    ・・・と、ここまで14Kフレックスばかり褒めてしまいましたが。(笑)
    18Kはオマス時代から受け継いだ独特のサリサリ感があっておすすめですよ!
    フレックスはあまり好きじゃないなーという方には18K、ぜひ試していただきたいです。

     

    ガチニブではないので、やややわらかさがある感じです。

     

    ニブの選び方・字幅について

    スクリーボのニブサイズの選び方ですが、やはり1段階ほど字幅は上になります。

    18Kよりも14Kフレックスのほうが、特性上フローが良いので、紙によっては1.5段階ほど上になる場合も。

    また、字幅によって書き味が異なるかということも気になる方が多いかもしれません。

    特に気になるのがEFとFの違いですよね。

    舶来万年筆は、EFですとカリカリすることもあるので、
    慣れた方はEFを避けることもしばしば。

    しかし、スクリーボはその心配は要らないかなと思います。
    もちろんEFのほうがフローが絞られる影響でややカリカリするかもしれません。
    ただ、もともとスクリーボのニブが他メーカーと比べると滑らかなほうなので
    (14Kでも18Kでも)EFでもものすごくカリカリするという感じではありませんし、EFでもおすすめできます。

     

    MやBは日本のペンと比べるとかなり太めに感じると思います。
    18KにはBBBなどもありますが、超超極太!という感じです。
    マジックペンのように使うことが出来るかなと思います。
    その分インクが乾くのに時間がかかりますので、用途はよくお考えになったほうが良いかもしれません。

    ペン先のサイズ(EF・F・M・B)の選び方について詳しくはこちらをどうぞ。

    【初心者向け】万年筆のペン先のサイズはどうやって選ぶ?

     

    万年筆の字幅選び方 画像

     

    スクリーボ(Scribo)のおすすめモデル

    フィール(Feel)

    スクリーボ(Scribo)万年筆の特徴とおすすめのモデル。書き味は? - 関連画像2

    スクリーボ 限定生産品 フィール アランチオ 万年筆 14Kフレックス/18Kニブ SCRIBO Feel Arancio Fountain Pen Feel Viola

    スクリーボ(Scribo)万年筆の特徴とおすすめのモデル。書き味は? - 関連画像3

    スクリーボ 限定生産品 フィール ヴェルデアンティコ 万年筆 14Kフレックス/18Kニブ SCRIBO Feel Verde Antico Fountain Pen

     

     

    素材 レジン、プラチナトリム など
    キャップタイプ ねじ式
    ペン先 18K/14K フレックスニブ
    文字幅 18K:EF/F/M/B/BBB/1.4mm Stub
    14K フレックス:EF/F/M/B
    インク方式 ピストン吸入式
    インク容量 1.42ml
    キャップポスト時の長さ キャップポスト不可
    収納時の長さ 約148㎜
    胴軸部の長さ 約135㎜
    最大軸径 約1.7cm⌀
    重量 約38g キャップ:18g 本体:20.5g
    その他 本革とコットン製のソフトポーチが付属

    キャップの長さ:約68mm

     

    スクリーボ初のコレクションとなったのがフィールというシリーズ。
    こちらが一番多く発売されています。
    現在Il Duomoで取り扱いがあるのも、ほとんどフィールの万年筆です。

     

    キャップ・クリップ・軸・尻軸(吸入式)、全てにおいて曲線的なのがこのシリーズの特徴。
    「なんだかこの軸、持ちづらそう・・・」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
    直線的な軸のペンをお持ちの方が多いでしょうから、気になりますよね。

     

    しかし私が実際に手にしてみたところ、意外や意外、この形が握りやすい!
    筆記のときも違和感はなしです◎
    そして、イタリアらしい曲線美、美術館に展示されているかのようなデザインが素晴らしい!

     

    イタリアらしいけれどシンプルで使う人を選ばないこういった外観は、贈り物にも喜ばれるかもしれませんね。

    しかしほとんどが限定200本前後で発売するので、手に入れることが少し難しいのが難点です。気になる軸が発売されたらすぐにお迎えせねばなりません。

    ※キャップポストはできません。

    吸入式・カートリッジ式・コンバーター式など、いろいろな吸入方法の違いについてはこちらをご覧ください。

    万年筆のいろいろな吸入方法。どれを選ぶか?

     

    ピウマ

    スクリーボ

    スクリーボ 限定生産品 ピウマ アメティスタ(アメジスト) 万年筆 SCRIBO Piuma Ametista Fountain Pen

     

    スクリーボ(Scribo)万年筆の特徴とおすすめのモデル。書き味は? - 関連画像4

    スクリーボ 限定生産品 ピウマ コルニオラ(カーネリアン) 万年筆 SCRIBO Piuma Corniola Fountain Pen

    素材 レジン、プラチナトリム
    キャップタイプ ねじ式
    ペン先 18K/14K フレックスニブ
    文字幅 18K:EF/F/M/B/BBB/1.4mm Stub
    14K フレックス:EF/F/M/B
    インク方式 カートリッジ・コンバーター両用式(コンバーター付属)
    インク容量 –ml
    キャップポスト時の長さ 約–cm
    収納時の長さ 約14.45cm
    胴軸部の長さ 約–cm
    最大軸径 約1.56cm⌀
    重量 約30g
    その他 本革とコットン製のソフトポーチが付属

     

    フィールよりもひとまわり小さく、細身なピウマ。フィールはピストン吸入式ですが、ピウマはコンバーター・カートリッジ両用式。

     

    ややスポーティなデザインが魅力的です。

    ニブはフィールと同じですので、吸入方法とデザインで選べばOKかなと思います。

    やはりカートリッジ・コンバーター両用式は手軽で使い勝手が良いですね。

     

    ラ・ドッタ(La Dotta)

    一番新しいシリーズがラ・ドッタ。こちらの名前はボローニャの歴史に由来しています。

    中世ヨーロッパ、イタリアの都市国家であったボローニャは「ラ・ドッタ」と呼ばれていました。
    ラ・ドッタとは「学識ある人」のことで、これは当時からヨーロッパ中から最新の学術を学びに学生が集まってきた世界最古の大学、ボローニャ大学を擁する都市に向けられた呼び名です。

     

    多面体カットされておらず、つるんとしたデザインです。
    ほとんどフィールと同じ形で、重量も同様です。

    カットされていない分、レジンの柄が目立ちますので、特殊なレジン、挑戦的なレジンを使用することが多いです。

    ニブはピウマ・フィールと同じものが装着されています。

    (ちなみに多面カットするコストの分、フィールのほうがやや高い値段になることが多いです。)

    スクリーボ(Scribo)万年筆の特徴とおすすめのモデル。書き味は? - 関連画像5

    スクリーボ 限定生産品 ラ・ドッタ ジガント 万年筆 14Kフレックス/18K SCRIBO La Dotta Al Zigant Fountain Pen

    スクリーボ(Scribo)万年筆の特徴とおすすめのモデル。書き味は? - 関連画像6

    スクリーボ 限定生産品 ラ・ドッタ オレフィチェ 万年筆 14Kフレックス/18Kニブ SCRIBO La Dotta Orefice Fountain Pen

    素材 レジン、プラチナトリム など
    キャップタイプ ねじ式
    ペン先 18K/14K フレックスニブ
    文字幅 18K:EF/F/M/B/BBB/1.4mm Stub
    14K フレックス:EF/F/M/B
    インク方式 ピストン吸入式
    インク容量 1.42ml
    キャップポスト時の長さ キャップポスト不可
    収納時の長さ 約148㎜
    胴軸部の長さ 約135㎜
    最大軸径 約1.7cm⌀
    重量 約37.5g キャップ:18g 本体:20.5g
    その他 本革とコットン製のソフトポーチが付属

    キャップの長さ:約68mm

     

    まとめ

     

    私が数々の万年筆に触れる中で比較してみても、質が非常に高いスクリーボ。

    以下の記事でも書いたのですが、創業者のかたの並々ならぬ筆記への思いが伝わり…
    真面目な方がやっているのだなあということがわかります。
    ボローニャのイメージにも合致しますね。

     

    日本人に合う、とても良いブランドじゃないかなと、思っています。

     

    スクリーボは少量ずつの生産なので、いい色が出たと思ったらすぐ完売・・なんてこともしばしば。
    気になったものがあれば、お早めにお買い求めいただいたほうが良いかもしれません。

     

    そうは言っても販売ページだけを見て即決するって、なかなか難しいですよね。
    せっかく買ったのに、こんなはずじゃなかった・・・なんて思ってほしくない!

     

    そんな方のために、Il Duomoではご購入前のご相談もお受けしています。
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  • アルマンドシモーニクラブ(ASC) オジバメディオの外観・書き味は?

    アルマンドシモーニクラブ(ASC) オジバメディオの外観・書き味は?

    数々の万年筆を手にしてきたIl Duomo店長の私が思わずうなったのが、今回ご紹介したいアルマンドシモーニクラブのオジヴァメディオ

     

    セルロースアセテート製のつやのある美しい葉巻型の軸、細部に施された様々なこだわり。
    どこを見ても丁寧な仕事ぶりが感じられるオジヴァメディオ。

     

    書き心地もなめらかで、気持ちよく筆記することができます。
    使いやすさを追求したこちらのモデル、私がおすすめしたい万年筆のひとつです。

     

     

    廃業したオマス。後継のアルマンドシモーニクラブ(ASC)からオジバメディオが登場!

    かつてオマスというメーカーから発売されていた『オジヴァ』はご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
    こちらのメーカーは2016年に惜しまれつつも廃業。
    その後継として立ち上がったのがアルマンドシモーニクラブ(ASC)です。

     

    アルマンドシモーニクラブについて詳しくはこちら

     

    オジヴァのシリーズはASCでも、登場。
    このASCのオジヴァから軸の素材を変え、少し小ぶりにしたものが今回ご紹介するオジヴァメディオです。

     

    オジバメディオを持った感じ・外観は?

     

    素材 セルロースアセテート ゴールドまたはロジウムトリム
    キャップタイプ ねじ式
    ペン先 14K
    文字幅 F/M
    インク方式 ピストン吸入式
    キャップポスト時の長さ 約16.8cm
    キャップの長さ 約6.8cm
    収納時の長さ 約14.2cm
    胴軸部の長さ 約12.5cm
    最大軸径 約1.45cm⌀
    首軸(グリップ)部軸径:約1.1cm⌀
    キャップ径:約1.5cm⌀(クリップ含むと1.6cm⌀)
    重量 約42g
    キャップ重量:約9g
    キャップ無し重量:約33g
    その他

     

     

    他の商品と比較するのに重要なスペック表ですが、これだけではわからない部分もたくさんありますよね。
    今回は実際に私が手にとり、書いてみて感じたことを詳しくお伝えします。

     

    持った感じは?

    Il Duomo店長の私(女)が手にとってみると、「やや大きいな」という印象。
    女性の方・手が小さめな方は私と同じように感じるかもしれません。

     

    長さ:14.2cm(うちキャップ部分が6.8cm)
    重さ:42g

     

    キャップをポストすると全体の長さは16.8cmに。
    長い・・・!

     

    アルマンドシモーニクラブ オジヴァメディオ グリーンラグーン

     

    一般的にキャップをポストすると後ろのほうに重心がきてしまい、書きづらさを感じるものもあります。
    しかしオジヴァメディオを書くときに一番重さがかかってくるのは、軸の真ん中より少し下あたり。
    つまりちょうど持つあたりが重くなるので、キャップポストをしても「バランスが悪くなって書きづらい!」なんてことはありません。

     

    とはいえ、私はキャップポストした状態ではずっしり重く感じてしまいました。
    キャップを外すと33g、これが私にとっては書くのに心地よい重さでした。

    ちなみに男性スタッフは、問題なくポストした状態でも書けるとのことでした。

     

    気をつけて!
    キャップをポストする場合は優しく差し込んでくださいね。
    ぐっと押し込みすぎると傷がついてしまう可能性があるので注意。

     

    感嘆のため息が思わずもれてしまうほどに美しい、セルロースアセテート製の軸

    オジヴァメディオでまず目を惹くのは、ツヤのある美しい軸ですよね。

     

    アルマンドシモーニクラブ オジヴァメディオ ブルールーセンス

     

    この透明度とつるつる感、伝わりますか?
    とても丁寧に研磨されていることがわかります。

     

    オジヴァメディオの軸はセルロースアセテートという合成樹脂で作られています。
    こちらの素材はセルロイドに比べて安価。

     

    ASCのセルロイド製万年筆が10万円を超えるものもある一方で、オジヴァメディオは7万円弱です。
    もちろん小ぶりなサイズというのも理由のひとつですが、それにしても結構な価格差ですよね。

     

    しかし、オジヴァメディオはこの価格差を埋めてくるほどのすばらしさ
    質感は異なるものの、セルロイド同様に透明度が非常に高く、あたたかみのある美しい発色。
    加えてセルロイドに比べて燃えにくいのも、セルロースアセテートの強みです。

     

    セルロースアセテートは高級眼鏡のフレームや、アパレルブランドのGUCCIでも採用されています。
    万年筆だけでなく、様々な場面で重宝されている素材です。

     

    セルロイドの万年筆は高価でちょっと手が出ないなーという方にはセルロースアセテートのペンを一度手にとっていただきたいです。

     

    ショップでオジヴァメディオをくわしく見る

    とにかく仕事が細かい!隅々までこだわりを感じる万年筆。

    美しさに目を奪われる外観ですが、手にとって細部を見てみると更に感動。
    アルマンドシモーニクラブのこだわりが随所に見られます。

     

    首軸の部分までしっかりとレジンが使われていて、先端には金属のリングがついています。
    そこには”Armando Simoni Club”と刻印が。

     

    アルマンドシモーニクラブ オジヴァメディオ グリーンラグーン

     

    金属の細いリング装飾も複数見られ、全体的に凝ったデザインです。

     

    アルマンドシモーニクラブ オジヴァメディオ グリーンラグーン

     

    見た目のこだわりだけでなく、ひとつひとつのパーツがとても丁寧に作られていています。
    万年筆作りに対するASCの真摯な姿勢が感じられますね。

     

    3色のカラー展開

    それぞれのカラーをみていきましょう。

     

    アルマンドシモーニクラブ オジヴァメディオ

    アルマンドシモーニクラブ オジヴァメディオ ブルールーセンス / ロッソマグマ / グリーンラグーン

     

    単なる色違いでないことは見ていただければわかりますよね。
    トリムはロウジムとゴールドの2色から選ぶことができます。
    1つずつ見ていきましょう。

     

    ブルールーセンス

    ルーセンスはラテン語で、光る・艶やかといった意味。

     

    アルマンドシモーニクラブ オジヴァメディオ ブルールーセンス

     

    透明な部分から中のメタリックな構造を楽しむことができます。
    画像だと少し分かりづらいかもしれませんが、動画を観ていただけると綺麗に中の部分が透けているのがしっかり確認できます。

     

     

    ロッソマグマ

    続いては情熱的な赤、ロッソマグマ。
    深みのある濃い赤と、朱色のような部分が混ざっています。

     

    アルマンドシモーニクラブ オジヴァメディオ ロッソマグマ

     

    セルロイドではありませんが、べっ甲のようなゆらぎがありますね。
    角度を変えてみると、マットな部分とキラっと輝きがある部分が。
    こちらも先ほどご紹介した動画で観ていただいたほうがわかりやすいです。

     

    この色の軸にゴールドトリム、個人的に大好きな組み合わせ!
    購入する前に『どちらのトリムが合うかなー』なんて考える時間もまた楽しいものですね。

     

    グリーンラグーン

    ラグーンとは干潟、遠浅の浜。
    イタリアのベネチアにも干潟がありますから、そういったところからインスピレーションを得たのかもしれませんね。

     

    アルマンドシモーニクラブ オジヴァメディオ グリーンラグーン

     

    グリーンとブラックとホワイトで水のゆらぎが表現されています。
    個体差はありますが、Youtubeの動画でご紹介したペンはパールのような模様も入っていました。

     

    ブルールーセンスほどではありませんが、このカラーも角度を変えて見るとわずかに透け感のある部分が。
    ゴールドトリムがついているペンの尻軸あたりがわかりやすいですね。
    ほんの少し中の構造が透けています。

     

    オジバメディオの仕様は?

    ニブは14Kのみ。ペン芯には希少なエボナイトを使用。

    オジヴァメディオのニブは14Kのみです。
    ASCのもう少し上の価格帯のモデルでは18Kがついてることが多いですね。

     

    ペン芯にはエボナイトという希少な素材が採用されています。
    昨今、こちらの素材がペン芯に使われることは少なくなってきました。

     

    一般的なプラスチックのペン先に比べてエボナイト製のものは柔軟性があり、ニブの金属と馴染みやすいのが特徴。
    つまり、使用していくうちにペン芯とニブの形がだんだん合ってくるんです。
    こういった状態になるとフローがよくなり、よりなめらかに筆記することができます。

     

    ピストン吸入式

    オジヴァメディオはピストン吸入式です。
    軸をくるくると回して外すと現れるのは、メタリックで高級感がある合着型コンバーター。
    キャップリングと同じ模様が刻まれています。
    普段は隠れている部分にまでこのこだわり・・・!

    アルマンドシモーニクラブ オジヴァメディオ ロッソマグマ

     

    尻軸を左に回してピストンを下げ、コンバーターと同じようにインクを吸い上げます。
    一般的なコンバーターよりもインク容量は多めです。

     

    窓がついているので、インク残量を確認することができます。
    万年筆ユーザーのかゆいところに手が届く、うれしい仕様です。
    イタリアン万年筆というと見た目の美しさが有名ですが、こういった機構が面白いものも多いんですよ。

    オジバメディオの書き味は?

    ASC オジバメディオ 個体差 書き味

    動画では試し書きのためにブルールーセンスとロッソマグマ、それぞれMサイズを用意しました!

    (写真はブルールーセンスとグリーンラグーンの比較です。ちなみにこの紙はやや字幅が太めに出ます。)

    アルマンドシモーニクラブは少量ずつでしか生産していないため、このように欲しいものが欲しいときに手に入るとは限りません。
    Fサイズはオーダーしていただければ用意可能、ということでしたので、欲しい!という方は一度イルドゥオモまでお問い合わせくださいね。

     

    では、まずロッソマグマで試し書きを。
    今回はピナイダーのインクを使用しました。

     

    あまりに素晴らしくて思わずうなりました・・・!
    日々検品している様々な万年筆たちと比べてもオジヴァメディオ、書き味が抜群に良いです。
    ピナイダーのインクはもともと伸びが良いのですが、それを差し引いても書き心地がとてもなめらか。
    書き出しもスムーズです。

     

    様々な角度での筆記を試してみましたが、あちこち傾けても問題なく書くことができました。
    書き心地はサリサリしていて研ぎが独特。
    かといって嫌な感じはなく、書いていて気持ちの良い抵抗感です。

     

    少し筆圧をかけると字幅が太くなりました。
    こういった変化も楽しむことができるペンですね。
    漢字のように細かい字も書きやすいです。

     

    ニブはよくしなるので、衝撃を吸収してくれそう。
    ただそれでも、筆圧のかけすぎには注意が必要です。
    ペン先に負担がかかってしまうので、長くお使いいただくためには優しく取り扱いましょう。

     

    個体差は?

    個体差の具合を確認するために、ブルールーセンスでも書いてみました。

     

     

    こちらのほうが先程のロッソマグマより少し字幅が太め。
    筆圧かけたときの字幅の変化はほとんど同じでした。

     

    この個体もフローがとても良く、書き出しもスムーズ。
    角度を変えてみても書くことができました。
    とても優秀なニブですね。

     

    まとめ

    セルロースアセテートの質感も、構造も、書き味もすべて◎!
    オジヴァメディオはみなさんにおすすめしたい!そんな万年筆です。

     

    特に「セルロイドのペンは高価で手が出ない・・・」という方、まずはセルロースアセテート製のオジヴァメディオを手にしてみてはいかがでしょうか。

     

    知名度はまだまだなので、もっといろんな方に知ってもらえたらと思い今回の記事を書きました。
    少しでも興味を持っていただけたらうれしいです。

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  • スティピュラ エトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコの外観・書き味は?

    スティピュラ エトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコの外観・書き味は?

    最近よくお問い合わせをいただく万年筆のうちのひとつ、スティピュラのエトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコ
    エトルリアというモデルで何色か出ているうちの1本です。
    少し透明感のある軸の中にキラリと光る部分もあって、思わず見とれてしまう魅惑的な外観。
    気になる方が多いのも頷けます。

     

    IlDuomoの販売ページでもご紹介はしているのですが、今回は更に詳しく!
    私が手にとって感じたおすすめしたい部分、そして購入前に知っておいていただきたいことをお伝えします。

    万年筆メーカー、スティピュラが作り出すエトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコ

    スティピュラは1973年にフィレンツェで創設されました。
    本格的に筆記具を生産するようになったのは1991年。
    それから今日まで30年ほどですから、筆記具のメーカーとしての歴史はそう長くありません。

     

    私Il Duomo店長、2018年にスティピュラの工房まで足を運び、見学させていただきました。
    未だに職人さんの手作業が多く、ペン先も同じ工房内で作られていたのにはびっくり!
    ハンドメイドだからこそできる個性的な軸はスティピュラの魅力のひとつです。

     

    スティピュラ 工房 

     

    スティピュラについてもっと詳しく!
    スティピュラ(Stipula)万年筆の特徴とおすすめモデル。書き味は?

     

    エトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコ 名前の由来

    “ミエレセルバーティコ”は野蜜を意味します。
    その名の通り蜜のような少し透明感もある軸で、クラック部分がキラリと光る美しいペンです。

    スティピュラ エトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコスティピュラのエトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコ GT(Stipula Etruria Magnifica Miele Selvatico Fountain Pen)

    はちみつじゃなくてなんで野蜜?と考えてみるとおそらく、聖書からきているのではないかなと。
    新約聖書の中に聖ヨハネという、イエス・キリストに洗礼を捧げた人物が登場します。
    荒れ地で長い間修行を行っていた聖ヨハネ。
    その際に野蜜やいなごを食べ、生きながらえていたという記述があります。

     

    イタリアはキリスト教、中でもローマ・カトリック教会が根付いている国。
    こういった土台があるからか、イタリア万年筆のシリーズやカラーの名前には聖書から引用したと思われるネーミングが多いですね。

     

    ちなみに、”エトルリア”は古代ローマ以前にイタリアの地に住んでいたエトルリア人からきています。
    万年筆を通して生産地の歴史や文化をも知ることができる…!おもしろいですね。

    スティピュラ エトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコ持った感じ・外観は?

     

    素材 レジン
    キャップタイプ ねじ式
    ペン先 スチール/チタン
    文字幅 スチール:F/M
    チタン:フレックス
    インク方式 カートリッジ・コンバーター両用式(コンバーター付属)
    キャップポスト時の長さ 約17cm
    収納時の長さ 約14.8cm
    胴軸部の長さ 約13.2cm
    最大胴軸径 約1.58cm⌀
    キャップ径(クリップ含む):約1.72cm⌀
    首軸(グリップ)径:約1.2cm⌀
    重量 約31g
    キャップのみ重量:約14g
    キャップ無し重量:約17g
    その他

     

    ここからは私が手に取り、感じたことを。
    スペックを読んだだけではわからない、実際のところどうなの!?という疑問がひとつでも解決していただけたら嬉しいです。

    持った感じは?

    スティピュラ エトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコスティピュラのエトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコ GT(Stipula Etruria Magnifica Miele Selvatico Fountain Pen)

    エトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコは大きめでぽってりとした軸。
    キャップとペンそれぞれに緩やかなふくらみがあり、境目あたりで少しくびれているようなデザインですね。

     

    存在感がありますが、手にとってみるとそれほど重くありません。
    差し込み式のコンバーターということもあって、軽めです。

     

    長さ:14.8cm
    最大経:1.58cm
    重量:31g(キャップのみ:約14g キャップ無し:約17g)

     

    細い軸のペンだと径は1.2cmくらいのなので、それと比べるとかなり太め。

     

    キャップはポストすることが可能です。
    その場合キャップを閉じた状態より2cm長く、17cmになります。

     

    キャップをポストした際に気になることがひとつ。
    ポストした状態で書いてみると、重心を後ろに感じる・・・。

     

    イタリアの万年筆はデザインが凝っているものが多く、立派なクリップなんかがついているとキャップが重くなりがち。
    このモデルはキャップなしのペンが17gなのに対し、キャップだけで14g・・・!
    ポストすれば万年筆本体と3gしか変わらないキャップの重さが後ろにかかってくるので、かなりのずっしり感です。

     

    このような軸なので、手が小さい方にはキャップポストは不向きかもしれません。

     

    また、手が小さい方には太軸は不向きと思われがちですが、
    筆圧が強いから下げたい!という方はあえて使うのもおすすめ。

    自分の手にとって太めの軸は力が込めづらいので、自然と筆圧をやわらげることができます。

     

    外観は?

    外観の細かい部分を見ていきましょう。

     

    スティピュラ エトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコスティピュラのエトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコ GT(Stipula Etruria Magnifica Miele Selvatico Fountain Pen)

     

    ニブ以外の金属装飾部分はすべてマットな仕上げで落ち着いた印象です。
    クリップとキャップリングにはスティピュラのメーカー名の由来になった藁にちなんで、麦の穂が彫られています。

     

    ちょっとこの画像ではわかりづらいのですが、主軸の部分が少し透けていて中の金色のニブが見えるんです。
    かっこいい・・・!

     

    ペン先と字幅の組み合わせは、スチールのFとMサイズ、チタンのフレックスの3パターン。
    ニブの色は、どちらのトリムを選ぶかによって決まります。

     

    スティピュラ エトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコ

    スティピュラ エトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコ  シルバー 万年筆 Stipula Etruria Magnifica Miele Selvatico Fountain Pen

    ゴールドトリムなら金色のニブ、シルバートリムであれば銀色のニブがつきます。
    つまり、スチールだからこの色、チタンだからこの色、というわけではありません。

     

    スティピュラ エトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコの書き味は?

    私は日々、様々なメーカー・モデルの万年筆を試し書きしているからか問題なく筆記ができました。
    が、万年筆に慣れていない方や持ち方に癖がある方はちょっと使いづらさを感じるかも?

     

    試し書きしてみた

    試し書きに使用したのはスチールのMサイズ。
    インクはピナイダーのブラックを使用しました。
    スティピュラのインクもあるのですが、万年筆同様少量生産のため在庫がいつも潤沢にあるとは限りません。
    手に入りづらいので、他の染料インクを使う機会のほうが多くなると思います。

    ※2021/2/25追記
    スティピュラのインクを入荷しました。
    保証や長くお使いいただくために、基本的には純正インクをおすすめしています。

     

    スムーズな書き出し、そしてなめらかに書き続けることができました。
    イタリア万年筆の傾向としてインクがどばどばと出てくるものが多いのですが、こちらはそれほどではありません。

     

    Mサイズではありますが、国産のものより字幅はやや太めです。
    大きく分厚いニブはがっしりとした印象。
    ニブはほとんどしならず、筆圧をかけてもさほど線の太さは変わりません。

     

    今回はご紹介していませんが、チタンフレックスのニブが気になっている方は事前に知っておいていただきたいことがひとつ。
    チタン”フレックス”とはいえどチタンという素材の特性上、イメージしているほどフレックスしません。
    どちらかというとカリっとした書き心地です。

     

    チタンフレックスニブについてはこちらの記事で詳しくお話しています。
    スティピュラ(Stipula)万年筆の特徴とおすすめモデル。書き味は?

     

    持ち方に癖がある方は書きづらさを感じることも

    万年筆の持ち方に慣れていない、癖のある持ち方をしている、そんな方々はインクの出づらさを感じる可能性があります。
    スティピュラの万年筆は全体的にスイートスポットが狭め。
    つまりインクがするすると出てきて快適に書くことができるポイントが限られています。

    (Il Duomoの在庫に関しては調整付きのものも販売することがありますので、
    ぜひ見てみてください。)

     

    左右どちらかに傾けすぎるとインクがうまくでてこず、ストレスを感じることも。

     

    ・ハート穴は紙に対して上に
    ・万年筆の角度は45~60°

     

    こういった正しい持ち方を心がければ問題ありません。
    持ち方については動画で観ていただいたほうがわかりやすいです。

     

     

    「どうしても今の持ち方で書きたい!」という方は調整に出してスイートスポットを広げてもらうと、最初の状態よりは書きやすくなりますよ。

     

    気になるスティピュラの万年筆があればまず、お問い合わせを!

    スティピュラは規模が小さいため、大手メーカーと同じようにはいきません。
    対応はゆっくりで取り寄せにも時間がかかりがち。
    大量生産を行っていないため、タイミングが悪いと売り切れ、なんてことも・・・。

     

    このようなメーカーなので正規代理店は撤退している状況です。
    「ほしい!」と思ったら、当店のような直接スティピュラから仕入れている販売店で購入することになります。

     

    Il Duomoでご購入を検討される場合はまず一度、ご連絡いただくことをおすすめします。
    せっかくご購入手続きをしていただいたのに、私がスティピュラに問い合わせたら「売り切れです」なんてことになったら申し訳ないので・・・。

     

    その他、万年筆選びのご相談にも乗っています。
    事前に気になることがあれば、お気軽にご連絡くださいね。

     

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    【初心者向け】万年筆のペン先のサイズはどうやって選ぶ?
    はじめての万年筆を選ぶポイントとは?②(ペン先編)

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    ※この記事でご紹介しているモデルは、現在 Il Duomo でのお取り扱いがありません。いまお選びいただける万年筆・ボールペンはIl Duomo の取扱ブランド一覧でご覧いただけます。

  • アルマンドシモーニクラブ(ASC)万年筆の特徴とおすすめモデル3選。書き味は?

    アルマンドシモーニクラブ(ASC)万年筆の特徴とおすすめモデル3選。書き味は?

    アルマンドシモーニクラブ、通称ASC。
    名前はガラッと変わりましたが、2016年に廃業したオマスの後継メーカーです。

     

    万年筆の雰囲気や使用する素材はほとんと同じ。
    なんと、オマス時代の万年筆に使用していたセルロイドを使っているペンも!
    書き味も似ているので、オマス愛用者の方はしっくりくるのではないでしょうか。
    反面、個体差や癖があるので万年筆に慣れていない方にはハードルが高いかも・・・。

     

    今回は、Il Duomo店長が実際に検品・試し書きしてみてわかったアルマンドシモーニクラブの特徴をお伝えします。
    最後におすすめのモデルもご紹介!

     

    アルマンドシモーニクラブ Armand SimoniClub ASC

    アルマンドシモーニクラブ グラディア―トレ メディオ アルコブロンズ 万年筆 ASC Gladiatore Medio Arco Bronze Fountain pen

    ↑これはオマス時代からあった、アルコ柄の美しいセルロイドのデッドストックを利用した軸。震える美しさ。

     

    アルマンドシモーニクラブ(ASC)の歴史は?

    アルマンドシモーニクラブ Armand SimoniClub

    アルマンドシモーニクラブの前身、オマスは1925年に創業。
    数多くの美しいペンを世に出し、新技術を生み出したことでも注目されていました。
    長くイタリア万年筆業界を牽引してきたオマスでしたが、2016年に惜しまれつつも廃業。

     

    実は、このオマスの創業者の名前がアルマンドシモーニなんです。
    オマスは廃業しましたが、同年にArmando Simoni Clubが立ち上がりました。
    その名の通り“アルマンドシモーニの同好会”といった感じですね。
    拠点もオマス時代と変わらず、ボローニャにあります。

     

    生産している万年筆は素材も雰囲気もオマスそのもの。
    美しいデザイン、そして手作り感がありながら精巧な出来栄えのニブ。

     

    大量生産品とは異なる、独特の面白さがあります。
    イタリア万年筆の古き良き姿をそのまま継承しているのがこの、アルマンドシモーニクラブです。

     

    アルマンドシモーニクラブ(ASC)はより少量生産に

    アルマンドシモーニクラブは25本、50本といった単位でしか生産していません。
    世界中にこれだけの本数ずつでしか存在しないわけですから、少ないですよね・・・。

     

    オマスの頃も大量生産は行っていなかったのですが、ASCでは更に減ってしまいました。

     

    (少しずつ売れた分だけまた新作を出す、という健全経営なのはいいことですね。)

    アルマンドシモーニクラブ(ASC)はどこで買える?

    オジヴァメディオ アルマンドシモーニクラブ Armand SimoniClub odiva medio

    アルマンドシモーニクラブ オジヴァメディオ 

     

    この生産量ですから、世界的に見ても代理店が取り扱うことはほぼありません。
    つまり、百貨店など大きな店に並んでいるものを買うということが出来ないんです。

     

    多くは、販売店が直接ASCから仕入れています。
    しかし、日本で購入できるお店というのがとっても少ない!

    いままでお問い合わせはいただいていたのですが
    初心者にはあまり向かないフレックスのニブ、少量生産ということでイタリアとの連携が不可欠‥・ということで
    取り扱いに踏ん切りがつきませんでした。

    が、今年のコロナ禍で、イタリアはかなりの打撃を受けまして
    手作業の多い(言ってしまえば効率の悪い)イタリアメーカーは、
    影響をもろに受けてしまいました。

    伝統産業は、一度立ち消えると二度と戻らないことがあります。

    イタリアメーカーの財政が危機になり外資に買い取られて、
    イタリアメーカーの良さが消えてしまうのも嫌だ。

    そのためには、少々取り扱いが大変でも、イタリアを応援せねば!

    そんな思いもありましてIl Duomoでは今年思いきって取り扱いを開始しました。

     

     

    Armando Simoni Club アルマンドシモーニクラブ一覧

     

     

    ASCもそんな世界からの期待に応えてか?頑張って元気に生産してくれています!

    2020年12月現在は、複数のモデル・カラーの中からお選びいただけます。
    のちほど、おすすめのモデルを紹介しますね。

     

    アルマンドシモーニクラブ(ASC)の書き味は?

    Armand SimoniClub ニブ

    アルマンドシモーニクラブ オジヴァメディオ ロッソマグマ (ゴールド/ロジウムトリム) 万年筆 ASC Bologna Ogiva Rosso magma Fountain Pen

    オマスを引き継いでいるというだけあって、ペンに使用している素材や雰囲気、書き味も似ています。

     

    セルロイドの軸+金ペン(主に18K)という組み合わせがほとんどで、サリサリ感のある独特な書き味が特徴です。
    ニブは大きめで長く、よくしなります。
    軸も大ぶりなものが多く、ニブとのバランスが良い万年筆です。

     

    もともとオマスの万年筆を好んで使っていた方であれば、ASCもきっと気に入ることでしょう。

    独自のニブ、マジックフレックス

    ASC アルマンドシモーニクラブ マジックフレックス

    アルマンドシモーニクラブには、マジックフレックスというニブがあります。
    ペン先へかける圧力によって線の太さが変化するという、ちょっと変わったニブ。
    やわらかく、ふわっとした書き心地です。

    絶妙なふわふわ感と、余韻の残るサリサリ感が、いままで書いたことの無い書き味です。

    スタブ調のニブが多いASC。癖のある書き味

    ASCの万年筆はスタブ調のものが多く、癖のある書き味。
    横に線を引けば細く、縦に引けば太い線を書くことができます。

    (ただし完全なスタブではありませんのであしからず)

     

    漢字を使う日本では、細かい字を書くために縦横の字幅が揃っているものが比較的人気です。
    こういった事情から、ASCはどちらかというとちょっと変わったペンが欲しい、万年筆玄人向けと言えます。
    きっちり文章を書くというよりは、太めの字幅で大胆に書いて楽しむのがおすすめです。

     

    書き心地はどことなく柔らかいアウロラ・・のような感じといいますか、
    独特のサリサリ感があり
    かといって嫌な感じではなく、使えば使うほど染みわたる高揚感。

     

    ちなみに、字幅は少量生産がゆえに、あまり選択肢がありません。
    Mの万年筆が多いですね。

    個体差もでやすい傾向

    オジヴァメディオ アルマンドシモーニクラブ Armand SimoniClub odiva medio

    アルマンドシモーニクラブ オディバメディオ

    書き味の癖だけでなく、個体差もでやすいメーカー。
    万年筆に慣れていない方ですと、書きづらさを感じることも。
    ASCの前に、他のメーカーのペンを何本か使ってみることをおすすめします。

     

    万年筆歴が長くなり、個体差のことも理解したあとの選択肢として、アルマンドシモーニクラブはおすすめです。

     

    「じゃあ1本目は何を買ったらいいの?」
    「初心者でも扱いやすいのは?」

     

    そんな疑問をお持ちの方はこちらをチェックしてみてくださいね。

     

    アルマンドシモーニクラブ(ASC)のおすすめモデル4選

    ボローニャエクストラ (Bologna Extra)

    ボローニャエキストラ アルマンドシモーニクラブ ASC

    ボローニャエキストラ

    こちらはオマスの頃に生産されていたボローニャというモデルの大きいバージョンです。
    軸にはセルロイドが使われています。
    デザインは昔ながらのイタリア万年筆、といった雰囲気。
    キャップリングとグリップの部分にはグレカパターンという模様が刻まれています。

    ボローニャメディオ (Bologna Medio)

    ボローニャメディオ ASC アルマンドシモーニクラブ

    ▶アルマンドシモーニクラブ ボローニャメディオ ブルールーセンス (ゴールド/ロジウムトリム) 万年筆

    ボローニャメディオ ASC アルマンドシモーニクラブ

    ▶アルマンドシモーニクラブ ボローニャメディオ グリーンラグーン (ゴールド/ロジウムトリム) 万年筆 

    ボローニャメディオ ASC アルマンドシモーニクラブ

    ▶アルマンドシモーニクラブ ボローニャメディオ ロッソマグマ (ゴールド/ロジウムトリム)万年筆 

     

    手の小さい方、女性の方にはボローニャメディオがおすすめ。
    エクストラより小さく、更にこれまでのASCのペンに比べて小ぶりです。

    日本の一般的な万年筆よりは大きめですが、使いやすいモデルですよ!

    メディオはセロースアセテートという素材を軸に使用しています。

    セルロースアセテートは、植物由来の樹脂で、セルロイドのような透明感と温かみが特徴!

    ボローニャのシリーズは、キャップと尻軸がフラットな形であるのが特徴です。

    オジヴァ (Ogiva)

    アルマンドシモーニクラブ(ASC)万年筆の特徴とおすすめモデル3選。書き味は?

    アルマンドシモーニクラブ オジヴァ 

    ボローニャとは違い、キャップと尻軸が丸くなっているオジヴァ。
    この形から、葉巻型と呼ばれています。

    親近感が湧くのか、葉巻を好きな方にウケがいいんですって!このシリーズは希少なセルロイドがあれば、限定で少数販売されます。

     

    オジヴァメディオ

    オジヴァメディオ アルマンドシモーニクラブ Armand SimoniClub odiva medio

    ▶オジヴァメディオ

    オジヴァの少し小さいバージョン。
    ですが、軸長は14.2センチと、ものすごく小さいわけではなく
    しっかりイタリア感があります。
    葉巻型、ボローニャメディオと同じくセルロースアセテートの軸、ということで
    外観はピカイチ。
    書き味も、柔らかでおすすめです!

    まとめ

    オマスを引き継いだ、アルマンドシモーニクラブ。
    変化したのは名前と、生産数くらいでしょうか。
    基本的には同じようなラインで作られています。

    オマスの万年筆が好き、という方であればアルマンドシモーニクラブも楽しく使っていただけるはず。

    個体差や癖があるため、万年筆に慣れていない方がいきなり使うのはおすすめできません。
    様々なペンに触れ、個体差をも楽しめるようになった頃、ぜひ手にとっていただきたいメーカーです。

     

    アルマンドシモーニクラブのことをもっと知りたい!
    ネットで万年筆を買うのって不安・・・。

    そんな方のために、Il Duomoではオンライン相談室を試験開設中です。
    イル・ドゥオモスタッフがZOOMやLINEで顔を合わせながらご相談に応じます。

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    では!

     

    ▶ ASCが使うセルロイドやエボナイトという素材について、詳しくはこちら。
    【エボナイトとは?】万年筆の希少素材の特徴と歴史

    ※この記事でご紹介しているモデルは、現在 Il Duomo でのお取り扱いがありません。いまお選びいただける万年筆・ボールペンはIl Duomo の取扱ブランド一覧でご覧いただけます。

  • スティピュラ(Stipula)万年筆の特徴とおすすめモデル。書き味は?

    スティピュラ(Stipula)万年筆の特徴とおすすめモデル。書き味は?

    今回はイタリアの万年筆メーカー、スティピュラのご紹介!

    ちいさなメーカーで、日本の代理店も撤退してしまったため
    「廃業したんですか?」なんて聞かれることもあるのですが、ご安心ください。
    今も新作を発表し続けていますよ。

    スティピュラは手作業も多くイタリアの職人文化を引き継いだメーカーと言えます。


    イタリア万年筆らしい目を引く個性的なデザイン、ジュエリーのような美しさも魅力的。
    書き味は癖もありますので、こちらの記事をよくお読みの上ご検討ください。

    9つの代表万年筆ブランドをコンパクトにまとめた記事はこちらをどうぞ。

    あなたはいくつ知ってる? 有名万年筆ブランド9選

    すでに何本か万年筆を持っていて、「ちょっと変わったペンが欲しいな」なんて思っている方にはチェックしていただきたいメーカーのひとつです。

    海外・国産の主要万年筆ブランドの特徴を網羅した記事はこちらをどうぞ。

    はじめての万年筆を選ぶポイントとは?④(ブランド編)

    スティピュラ(Stipula)の歴史は?

    スティピュラ stipula

    スティピュラは1973年、筆記具好きの資産家がフィレンツェ郊外にて創業しました。
    とはいっても本格的に万年筆を生産するようになったのは1991年頃から。
    筆記具メーカーとしての歴史はそう長くありません。

     

    スティピュラはラテン語で、英語ではsmall piece of straw。
    つまり一片の藁(わら)を意味します。

     

    古代ローマ時代、戦争でいがみ合っていた両者が喧嘩両成敗の意味をこめて1本の藁を2つに裂いてペン代わりにし、終戦の署名を行いました。
    スティピュラは大切な場面で使用される筆記具を作っている誇りがあるのです。

    スティピュラは廃業していません!こだわりの万年筆を少量生産

    スティピュラ Stipula ダ・ビンチ

    「廃業しているのでは?」なんて噂が立つのはおそらく、控えめな生産体制が理由のひとつでしょう。
    いわゆる家内工業のような雰囲気を残しているスティピュラ。

    会社を大きくしていきたい!というよりは、できる範囲で作りたい万年筆をほそぼそと、といった感じのメーカーです。
    小さな工房で作っていて、従業員もさほど多くありません。

     


    25本、50本といった単位でしか生産していないものもあり、そのため代理店からは敬遠されてしまった経緯もあるのでは?

    卸先と準備を進めている間に欠品となってしまったり、パーツ不足でアフターフォローが満足にできなかったりといった可能性があるからです。

     

    こういった事情で、百貨店などの大きな店舗では購入することができません。
    お探しの方は、当店のようにスティピュラから直接仕入れている販売店からご購入いただく方法が一般的です。

    古き良きイタリアン万年筆を作り続けるステピュラ

    スティピュラ アダージョ 画像 stipula adagio

    スティピュラ アダージョ ピザンサンセット(アンバー) 万年筆 Stipula Adagio Pisan Sunset Fountain Pen

     

    ビスコンティ、モンテグラッパ、スクリーボなどのイタリア万年筆メーカーは昨今、モダンな雰囲気に寄っていくモデルが増えてきています。
    世界に向けて売り出すためには今までのイタリアンクラシカルではなくグローバルスタンダードなものを、という傾向ですね。

    モンテグラッパの代表モデル「エキストラ1930」と「フェリチタ」の書き味比較はこちらをどうぞ。

    【モンテグラッパの書き味とは?】エキストラ1930とフェリチタの比較、調整のレポート

    そういった他社の動きをよそに、我道を行くスティピュラ。
    昔ながらのデザインを伝統的な方法で生産し続けています。

    Il Duomoの店長がビスコンティ本社にお邪魔したときの現地レポートはこちらをどうぞ。

    どうなる?体制変更後のVisconti(ビスコンティ)。本社から現地レポ!!

    昔ながらの工房と機械

    スティピュラ stipula 工房

    以前、実際にスティピュラの工房を訪れたことがあります。
    ジブリ映画の「耳をすませば」にでてくるバイオリン工房のような、趣がある場所でした。
    機械も古いものを大切に使い続けているようで、「これで作っているのか・・・!」と衝撃を受けました。

    ちなみに、ニブの生産から検品までもこの工房で行っています。
    大量生産品のようにどこかに委託することなく、ニブも同じ場所で作られているというのは珍しいですね。

    スティピュラ 工房 stipula

    工房には歴史あるいろいろなクリップが展示されていました。
    クリップの美しさも、イタリア万年筆の素晴らしいところです。

    個性的なデザイン

    stipula スティピュラ 工房

    スティピュラには他のメーカーで見たことがないような、個性的なデザインの万年筆が。
    美しくイタリアンクラシカルな雰囲気漂うペンが多くみられます。

     

    軸が半分透明、なんてものも!
    様々な外観の万年筆を集めていらっしゃる方からしたら「これは!」と感じるペンが見つかるかもしれませんね。

     

    スティピュラではエボナイトという最近ではあまり採用されなくなった素材を使用している万年筆も数多く扱っています。
    その他、軸にセルロイドと純銀(スターリングシルバー)を採用しているペンも多め。
    こちらの素材の組み合わせはメーカー問わず、イタリア万年筆全体で多く見られます。

    注目度上昇中!チタン製のニブ

    スティピュラ アダージョ stipula adagio

    スティピュラ アダージョシリーズ

     

    最近スティピュラで知名度が上がってきているのは、チタン製のフレックスニブ
    他社ではスチールや金のニブを採用している場合が多いので、あまり馴染みがないかもしれません。
    チタンを使用しているメーカーは珍しいため、注目を浴びています。

     

    鉄の半分の重さにも関わらず、強度はチタンのほうが上。
    酸化しづらいのも大きなメリットです。
    実際に書いてみるとし金ペンほどしなりはなく、頑丈な印象を受けます。

    やわらかい書き味。チタンとスチールニブは硬め

    万年筆 Stipula Etruria Magnifica Miele Selvatico Fountain Penスティピュラ エトルリア ミエレセルバーティコ ゴールド 

    スティピュラ エトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコ ゴールドトリム 万年筆 Stipula Etruria Magnifica Miele Selvatico Fountain Pen

    基本的にフレックス、つまりやわらかい書き味のニブが多いスティピュラ。
    14Kの金ペンはどちらもセミフレックスで、ふわふわっとした書き心地です。
    (金ペンのほうがスチールニブやチタンニブよりもフローがドバドバしている印象です)

     

    ・・・なんですが。
    チタンとスチールニブに関しては、かなりのガチニブです。

     

    チタンフレックスは、形はフレックスの形なのですが
    チタンの材質上そこまでフレックスしませんのでご注意を。

     

    良いところもたくさんあるスティピュラの万年筆。
    購入前に押さえておいていただきたいポイントをお話します。

    個体差がある

    万年筆 Stipula Etruria Magnifica Miele Selvatico Fountain Pen スティピュラ ミエレセルバーティコ ゴールド

    スティピュラは、ニブを独自に生産しています。
    しかし手作業の多い昔ながらの生産方法で、
    個体差が出やすいです。


    国産の万年筆に比べてスリットが詰まり気味なものが多いです。
    スリットというのはペン先の割れている部分のことで、この部分が開いているとインクフローが良くなります。
    インクフローが良いものでも、どばどばと出てくるようなものはないですね。

     

    また、スイートスポットが狭いため
    個人差がありますが角度によっては書きづらさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
    スイートスポットとは、するするとインクが出てきてキレイに書くことができるポイントのこと。

     

    ペン先に丸いイリジウムという金属がついていて、この形によって書き味はかわってきます。
    イリジウムがなめらかにあたる紙に当たる部分が国産と比べると狭い印象があります。

     

    調整がおすすめ!Il Duomoでも出荷前に検品・調整(追加オプション)は行います

    上記の理由から、特に初心者さんや筆記角度に特徴がある方は調整に出すことをおすすめします。
    さきほど言ったスイートスポットを広げるようなイメージです。
    近隣にペンクリニックがあれば、そちらへ持ち込んでご自身の書きぶりをみていただきながら調整してもらうと安心ですね。

     

    Il Duomoでご購入いただいた場合は出荷前にじっくりと検品し、なにか問題があった場合はお客様にご相談しています。

     

    ご希望に沿って交換や調整を加えたのち、発送。
    お手元に届いた時点でさらさらと書いていただける、そんなペンをお届けできるよう努めています。

     

    (もともとスイートスポットが狭めなので、基準が国産と違うことはご了承ください。)

     

    ▶ 輸入は不安?だからこそ、検品をより強化したい



    ちなみに、同じくIl Duomoでお買い上げいただいた方限定ですが提携調整師による初期調整もオプションで対応可能です。

    ペン先調整について詳しくはこちらの記事もご覧ください。

    ペンクリニックに行こう! 〜ペン先調整するとどうなる?〜

     

    ▶ ペン先調整オプション(有料)

    細かい文字をきっちり書くのにはむかない

    イタリア万年筆全体にも言えることですが、漢字のように細かい文字を書くことを想定して作られていません。
    カリグラフィーは別ですが、留めはねはらいを気にしながら一画一画を書く、といったことではあちらではないですよね。
    ローマ字ではなんとなく全体の形がわかれば良いので、留めはねはらいのニュアンスなどは苦手なのです。

     

    用途が日記や手紙など、きちっと書くのに使いたい方は他のメーカーの細めのニブを選んだほうがストレスなく筆記ができるでしょう。

     

    スティピュラで購入するのであれば、EFよりはMの字幅が○。
    これくらいであれば、個体差なども楽しみながら書くことができるのかな?と思います。

     

    また、初めて万年筆を買うんですーという方にはおすすめしません。
    筆記角度がまだ万年筆向きになっていないのにスティピュラのペンで書くと、書きにくいことがあります。
    原稿用紙や大きめのノートにさらさら~っとメモ書きする用に持つにはおすすめのメーカ-です。

    ペン先のサイズ(EF・F・M・B)の選び方について詳しくはこちらをどうぞ。

    【初心者向け】万年筆のペン先のサイズはどうやって選ぶ?

     

    モデル どんなシリーズがあるか?

    アダージョ

    スティピュラ アダージョ stipula adagio

    スティピュラ アダージョシリーズ

    2020年、新たに発売されたのがこのアダージョ。
    フィレンツェ郊外の景色を美しいレジンで表現したシリーズです。
    こちらの軸に使用されているレジンは今までのものと全く異なります。
    弾力性があり、まるでシリコンのような触り心地です。

     

    キャップの雰囲気もこれまでのスティピュラのペンとは違っていますね。
    クリップは横から見ると立体的なカーブを描いていて、しなやかな雰囲気が感じられます。

     

    ニブはスチールとチタンから選択可能です。

     

    エトルリアマグニフィカ

    エトルリアのシリーズは以前からありましたが、マグニフィカは今回が初めての発売です。
    マグニフィカは『壮大』という意味。
    その名の通り、太くて長い軸が特徴的で迫力のあるモデルです。

     

    イタリアンレジンらしく、べっ甲のような美しい外観も魅力的。
    Il Duomoではべっ甲カラー以外も取り扱っています。

     

    万年筆 Stipula Etruria Magnifica Miele Selvatico Fountain Penスティピュラ エトルリア ミエレセルバーティコ ゴールド 

    スティピュラ エトルリア マグニフィカ ミエレセルバーティコ ゴールドトリム 万年筆 Stipula Etruria Magnifica Miele Selvatico Fountain Pen


    クリップやキャップにはスティピュラのロゴマークである葉っぱの模様が施されています。
    こちらもニブの素材を選ぶことができますよ。

     

    モデルT

    スティピュラ Stipula モデルT

    モデルTも有名なシリーズのひとつです。

     

    キャップの先端部分と尻軸がとがっていますね。
    こういった形状の万年筆は葉巻型と呼ばれています。
    葉巻愛好家の方の中で、この形の万年筆を好んで選ぶ方もいらっしゃるそうです。

     

    キャップリングに葉っぱのマークがひとつ。
    クリップもほかのシリーズとは違い、立体的です。
    先の部分には宝石が一粒ついています。

     

    パールやアゲートなど、カラーによって石も異なります。
    石が好きなわたしは歓喜!なモデル。

    イタリアらしい曲線美のあるモデルです。

     

    ガリカーナ

    スティピュラ ガリカーナ 

    スティピュラ エトルリア ガリカーナ ノッテ・ディ・サンロレンツォ 万年筆 Stipula Etruria Gallicana Notte di San Lorenzo Fountain Pen

    ガリカーナは、かつてローマ帝国から分離・独立した「ガリア帝国」(主に現在のフランスに位置)に由来し、
    ペンのデザインもキャップリングをシンプルなパラジウムであしらうなど、フランス的なスムーズなラインが特徴的です。

     

    マグニフィカより小ぶりなので、手が大きくない方はこちらのモデルのほうが手に馴染むかもしれません。

     

    スティピュラらしい曲線とイタリア万年筆の美しいレジンが楽しめます。

    サンロレンツォというのは、フィレンツェにある古い教会です(サンロレンツォ教会)。

    サンロレンツォの夜という意味ですね。

    スティピュラはイタリア万年筆初心者にはおすすめしないけどおもしろいチャレンジングなメーカー!

    スティピュラ(Stipula)万年筆の特徴とおすすめモデル。書き味は?

    そのようなわけでスティピュラはイタリア万年筆のなかでも

    かなり手作業の工程の多い小さなメーカーになります。

     

    おもしろい軸は多いのですが国産のように誰がどの角度で書いてもすらすら出る!というわけにいかず
    初心者さんには向きませんので
    熟慮したうえでご購入されると良いかなと思います。

     

    もし初心者さんでどうしてもこの軸がほしい!という方は一度LINEなどでご相談いただければと思います・・・!

     

    Il DuomoのLINEで問い合わせが可能です。↓

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    では。

     

     

    ※この記事でご紹介しているモデルは、現在 Il Duomo でのお取り扱いがありません。いまお選びいただける万年筆・ボールペンはIl Duomo の取扱ブランド一覧でご覧いただけます。

  • 【万年筆検品日誌】アウロラ・オプティマ・カレイドスコーピオの実際は?書き味検証

    【万年筆検品日誌】アウロラ・オプティマ・カレイドスコーピオの実際は?書き味検証

    こんにちは、Il Duomoの店長・佐藤です。

    2020年秋に発売となった、アウロラ(AURORA)の限定生産品オプティマ・カレイドスコーピオについて、
    書き味や検品の結果・個体差などについて書いていこうと思います。
    また、質問の多いアウロラ18金と14金の違いについても触れますね。

    ちなみに、カレイドスコーピオはルーチェブルーとルーチェローザという二種の色があります。
    ボールペンもあります。

    アウロラ 限定生産品 カレイドスコーピオ ルーチェブルー 万年筆 Aurora Caleidoscopio Luce Blu Fountain Pen

     

    カレイドスコーピオとは、イタリア語で万華鏡のこと。

    アウロラ 限定生産品 カレイドスコーピオ ルーチェブルー 万年筆 Aurora Caleidoscopio Luce Blu Fountain Pen

    カレイドスコーピオ ルーチェローザ 万年筆

     

    アウロラ 限定生産品 カレイドスコーピオ ルーチェブルー 万年筆 Aurora Caleidoscopio Luce Blu Fountain Pen

    カレイドスコーピオ ボールペン

    実際の外観は?

     

    実際の外観ですが、まさに万華鏡のような♡
    パープル、緑、水色、濃い青、白が混じった…何とも言えない清楚さとキラキラが混在した軸。

    はじめて万華鏡をのぞいたときのときめきが舞い戻ってきます。

     

    アウロラ 限定生産品 カレイドスコーピオ ルーチェブルー 万年筆 Aurora Caleidoscopio Luce Blu Fountain Pen アウロラ 限定生産品 カレイドスコーピオ ルーチェブルー 万年筆 Aurora Caleidoscopio Luce Blu Fountain Pen アウロラ 限定生産品 カレイドスコーピオ ルーチェブルー 万年筆 Aurora Caleidoscopio Luce Blu Fountain Pen アウロラ 限定生産品 カレイドスコーピオ ルーチェブルー 万年筆 Aurora Caleidoscopio Luce Blu Fountain Pen アウロラ 限定生産品 カレイドスコーピオ ルーチェブルー 万年筆 Aurora Caleidoscopio Luce Blu Fountain Pen アウロラ 限定生産品 カレイドスコーピオ ルーチェブルー 万年筆 Aurora Caleidoscopio Luce Blu Fountain Pen アウロラ 限定生産品 カレイドスコーピオ ルーチェブルー 万年筆 Aurora Caleidoscopio Luce Blu Fountain Pen

    ルーチェブルーをご購入いただいたお客様から、
    素敵なお写真をいただきました!

    アウロラ 限定生産品 カレイドスコーピオ ルーチェブルー 万年筆 Aurora Caleidoscopio Luce Blu Fountain Pen

    アングルを変えてもう1枚…

     

    アウロラ 限定生産品 カレイドスコーピオ ルーチェブルー 万年筆 Aurora Caleidoscopio Luce Blu Fountain Pen

    ふあ~~~
    綺麗ですね。1枚目の氷のような感じが、わたしは好きです。

     

    よくみるとパープルの部分も、濃いところと薄いところがあって
    光にかざすと透けて見えるのですね。

    白い部分は貝殻のようで、パールのよう。

    【万年筆検品日誌】アウロラ・オプティマ・カレイドスコーピオの実際は?書き味検証

    Il Duomoのノベルティのペンレストとともに撮影してくださりました。

    「写真以上の美しさです!」とのこと…
    善き相棒になりますように。

    ありがとうございます!

    外観の個体差はあるか

    AURORA カレイドスコーピオ 個体差

    個体差なんですけども、全体的にイメージと違う!ということはこれまでありませんが
    比べてみますとやはり少しアウロロイド樹脂のかたよりは見られます。

     

    正面に白が強い、とかは若干ありますね。

    (在庫で複数本あるときは、お選びいただけますのでIl DuomoのLINEやメールでどうぞお問い合わせください!)

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    カレイドスコーピオの書き味。18金と14金、書き味の違いはあるか?

    【万年筆検品日誌】アウロラ・オプティマ・カレイドスコーピオの実際は?書き味検証 - 関連画像2  【万年筆検品日誌】アウロラ・オプティマ・カレイドスコーピオの実際は?書き味検証 - 関連画像3

    アウロラのニブはモデルが違っても、だいたいのものが同じニブなので
    重さや材質によるバランスの違いなどを省くと
    同じニブならば書き味というのはだいたい同じになります。

     

    (限定生産品のニブはまったく違う書き味・みためのものが出てきたりするので、
    それは気に留めておく必要があります)

     

    カレイドスコーピオの形は、オプティマというアウロラのフラグシップモデルのもの。

     

    通常のオプティマは、14金を採用していますが
    限定品になると18金になることも。

    アウロラには14Kフレックスニブなるものが存在し、そちらは普段の硬めニブとは違い、
    ふわっと柔らかな書き味になります。(ぐにゃぐにゃではありません)
    ただ、アウロラ独特のサリサリ感というのはある程度生きてきます。

     

    ちなみのちなみに、カレイドスコーピオのみならずだいたいのモデルで、
    追加料金で14Kフレックスニブに変更もできます。

    アウロラのサリサリ感とは何ぞや

    調整師さん曰く、アウロラのペン先というのはまるでよく研がれたナイフのよう。

     

    イタリアの職人気質がそうさせるのかわかりませんが、
    かなり攻め込んだ切れ味の良いナイフのようなペンポイント(ペン先の、紙にふれる金属のマルっこい部分)なのです。

     

    そんなわけで、丸いつるつるとした書き味というよりかは、
    キレッキレなために、独特の抵抗感のある書き味になります。
    よく、鉛筆のような、と言われますが、金属の硬さをダイレクトに感じられる面白い書き味です。

     

    さらに言うとアウロラのEFやFは特に、フローが渋い印象です。
    細く字幅を出すためにフローを絞ってあります。
    ですので、さらに抵抗感を感じやすくなります。

     

    かといって、この抵抗感が嫌な感じではなく、
    書いている、という感覚を無くさず
    かつ、気持ちの良い紙の滑り具合を実現しているのがアウロラのすごいところ。

     

    いままでアウロラのニブはかなりたくさん検品してきておりますので、
    その経験からすると、アウロラのサリサリ感というのは、顕著なのはEFで起こりやすいです。
    やはりアウロラの独特のとがっているナイフのような切れ味…がサリサリを発生させます。

     

    わたしはアウロラのEFは好きなのですが、
    はじめてアウロラのニブを体験される方はF以上をおえらびになったほうが安心かもしれません。

     

    わたしはアウロラの独特のサリサリ感がすごく好きですので、
    フローが潤沢すぎるとかえってサリサリ感を感じられないかもしれないと思い、
    渋めでもいいなとおもっているくらいです。

     

    18金ペン先・14金ペン先の違いはあるのか?

     

    アウロラの独特のサリサリ感。

    この現象は、14金・18金のちがいというよりかは、やはり個体差によるところが大きいです。
    フローが渋い・潤沢、それだけで抵抗感がまったく違います。

     

    実際のところ、14金・18金の違いが書き味としてあるか?というと…
    厳密にニブの構造から言うと、あまりありません。

     

    ただ18金がついてくるアウロラの軸は重いものが多いので、
    全体のバランスなど考えると書き味が違って思えることもあると思います。

     

    字幅もやはりある程度は個体差がありますね。フローが渋めな個体は細く出ますし、逆もしかりです。
    同じペンポイントのかたちでも、フローでかなりの差があります。

     

    Il Duomoでは、普段検品をするときは、明らかにフローが良すぎる・渋すぎる、
    あるいはサリサリ感が強すぎるなどという場合はお客様にご連絡しております。
    (アウロラの個体差の中で標準に収まると判断すれば、そのままお出ししています)

     

    ペンの仕様

    素材 アウロロイド(アウロラ樹脂) クロームフィニッシュ
    キャップタイプ ねじ式
    ペン先 18Ktゴールド ロジウムコーティング
    文字幅 EF/F/M/B
    インク方式 ピストン吸入式
    インク容量 約1.28ml
    キャップポスト時の長さ 約15.3cm
    収納時の長さ 約12.7cm
    胴軸部の長さ 約12.2cm
    最大軸径 約1.4cm⌀
    キャップ最大軸径(クリップ除く)約1.55cm⌀
    重量 約21g
    その他

     

    わたしも自信をもっておすすめする、アウロラのカレイドスコーピオ。

    ぜひぜひ、この美しさを体験してみてください・・・!

     

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  • イタリア万年筆の良さとは。改めて万年筆屋が語ってみる

    イタリア万年筆の良さとは。改めて万年筆屋が語ってみる

    こんにちは、「筆記によって人生をより豊かに、上質に。」をコンセプトに
    ヨーロッパ文具を販売しておりますIl Duomo(イル・ドゥオモ)の店長・佐藤です。

    今日は、ちょっとコラムでも。
    先日、名古屋大学の地球環境システム学科教授の高野先生とお話する機会があり、イタリア万年筆の話になりました。
    そこで思ったことをお話しようかと思います。

    何千本のイタリア万年筆を触ってきて、気づいたこと

    イタリア万年筆の良さとは。改めて万年筆屋が語ってみる

    ネットショップと、イベントなどでいまは主にイタリア万年筆を販売しております。
    もう立ち上げてから4年目に突入しておりますが、
    その前からイタリア万年筆は触っておりましたので、
    イタリア万年筆を1000本単位で触ってきたわけです。

     

    そのなかで、いろいろとイタリア万年筆ならではの大変なこともあるのですが
    「やっぱりイタリア万年筆って良いな。」と思うことがあります。

    イタリア万年筆はイタリア車に似ている

    イタリア万年筆の良さとは。改めて万年筆屋が語ってみる - 関連画像2

    万年筆などのモノづくり分野ですと、よく車に例えられます。

    日本の万年筆はトヨタによく例えられます。
    質実剛健、丈夫で使いやすく、不具合が出ない、燃費が良い。

    と、思うとイタリア万年筆はアルファロメオやフェラーリのような感じでしょうか。
    派手で、繊細で、手入れが必要で、気を付けるべきことが多い。

     

    このような差はどこからくるのでしょうか?

     

    以前、イタリアに赴いた際、いくつか万年筆メーカーさんの工房を訪ねたことがありました。

    そのなかで驚いたのは、機械の古さ、でした。

    もちろんとても良い工作機械を使っているメーカーもありましたが、
    意外にも「こんな機械で作っているの!?」というものも多々。

     

    実はイタリアは他の工業でも同じで、例えば織物産業なんかは、
    伝統工芸品ですと、中世の機織り機を手直ししながらそのまま使っているメーカーもあったり。

     

    けっこう驚く年代の機械を、手入れしながらそのまま使っているのです。

     

     

    そんなわけで、手作業の部分がかなり多くなります。
    それで、手作業ならではの風合いが出ます。
    しかし、デメリットとして挙げるならば、個体差が多くなります。

     

    手作業によって、ゆらぎが生じるわけです。

     

    そんなわけで、ゆらぎが多いのがイタリアの工業の特徴です。

     

    日本はと言うと、ゆらぎが出ないように、カイゼンカイゼンをしてきました。
    少しでも効率的な機械があれば、買い替えて、償却させる。

     

     

    その結果、とても質が高く、個体差が出にくい工業製品が多く出回るようになったんですね。

    これは日本の万年筆の良いところです。

    だれもが安心して筆記を楽しめるペンを作っているのです。
    ゆらぎの無さ、というのは安心にもつながります。

    9つの代表万年筆ブランドをコンパクトにまとめた記事はこちらをどうぞ。

    あなたはいくつ知ってる? 有名万年筆ブランド9選

    (もちろん日本の万年筆も、手作業の部分はたくさんあります。)

    海外・国産の主要万年筆ブランドの特徴を網羅した記事はこちらをどうぞ。

    はじめての万年筆を選ぶポイントとは?④(ブランド編)

    ゆらぎは良いものである

    Leonardo レオナルド モーメントゼロシリーズ ハワイ Hawaii

    ただ、あえて言いたいのは、ゆらぎは悪いものではない、むしろ良いものである。ということ。

     

    そうそう、先日高野教授とお話したときは、何の話をしていたかというと
    自然と人間の関りについてだったのです。

     

    高野教授は、名古屋大学で地球が・人類がどうやって持続していけるか、
    自然との共生やエネルギー問題などについて実践的に教えておられます。

     

    フィールドワークで我が家の近くにいらっしゃることが多かったり、
    私事になりますが、町内の移住定住委員会に関わってくださっています。
    わたしも役員?になっているので、仲良くさせていただいておりますが
    町の存続についていろいろと学問的・実践的観点でお話をしてくださいます。

     

    高野教授がおっしゃるには、

    近年、人間は自然を排除しているから、自然のなかのゆらぎというものを感じられなくなってきた。
    自然というのは元来ゆらぐものである。
    昔のモノづくりというのは、本来ゆらぎがあって当然だった。
    しかし、近年の効率化などで、ゆらぎ=不良品という視点がでてきて、
    ゆらぎの製品というのは日本では作られなくなってきた。

     

    しかし、イタリアの工業製品というのは、
    いまだに自然としての人間、のゆらぎが感じられる。
    ひとつひとつ模様が違ったり、書き味に個体差があったり、自然としての人間らしい製品がいまだに作られていて、
    先進国といわれる国の中では珍しい工業体制をとっている。

     

    それが、イタリア万年筆の良さだよね。

    ということでした。

     

     

    なるほど、我がショップでは、イタリア万年筆の個体差について、わりと忌み嫌っていました(笑)
    お客様に迷惑をかけることになるからです。

     

     

    「前と柄が違う」ということもありますし、
    「前と書き味が違う」「仕上げの雰囲気が違う」というお声もいただきます。

     

     

    だからイタリア万年筆を買うのは、不安がつきものなのではないでしょうか。

     

     

    そんなわけで、Il Duomoでは検品にかなり時間を割きます。1本あたりモノによっては15分以上かけることもしばしばです。
    30分くらいうんうん唸っていることも。
    さらにそれを検品書にしたためます。なるべくご不安の無いように、お手紙を書くのです。
    そんなことをやっているから、すぐ日が暮れます。(ああ…)

     

    効率・利益主義のお店からするととんでもないかもしれませんが
    イタリア万年筆が届いてお客様ががっかりしないように、なるべく個体差が出ないようにと思って検品しています。

     

     

    スタッフのほうで直せるものはここで直しますし、
    交換したり、お客様と相談したりします。

     

    効率というのは、優先順位では低めなのです。

     

     

    というわけで個体差が出ないようにしてきた私からしたら、
    高野教授の「個体差はゆらぎの象徴だから、良いものである」という視点はびっくりしました。

     

    それと同時に、イタリア万年筆を褒められてとても嬉しかったです(笑)。

     

    カイゼンカイゼンをあえてせず、イタリア人たちが「おらどこのペンはかっこいいべ!」と胸を張っている、そんな人間臭いペン。

     

    こんなイタリア万年筆の新たな側面が見えて、感動しました。

     

     

    小売店からすると、売りにくいイタリア万年筆

    イタリア万年筆は、小売店目線からすると、売りにくいものだと思います…。

     

    先に挙げた個体差もそのひとつの理由。

     

     

    さらに、材質やペン先の仕上げも「攻めている」ことが多いのですね。

     

     

    例えばモンテグラッパはセルロイド軸をいまだに多く作り続けています。

     

     

    地中海ブルー モンテグラッパ

    セルロイドはものすごく深みがあって美しいですし、さらにはクリップなどには純銀を使っているので、その輝きも本当にジュエリーのよう。

     

    しかし!

    セルロイド軸で、シルバー925、ペン芯はエボナイトと、小売店さんからしたら管理が大変なのです。
    磨いたりしないといけないですし、長く老いておけばセルロイドはくすむ、シルバーは色が濃くなる。エボナイトは収縮する可能性が…

     

    売る前に手入れが必要なのです。保管場所も気を付けないといけません。

     

    なのでたくさん売るのは利益追求型の店舗さんですと、できないのかもしれません。それが取り扱いが少ない理由の一つ。

     

    しかしそういった通常のメーカーだったら「面倒で」作らないような良いものを作っている、というのがモンテグラッパはじめイタリア万年筆のよいところなのです。

     

    それと、アウロラの万年筆

    サリサリ感が良いとファンが多いですが、このペン先の仕上げも、調整師さんいわく「めちゃくちゃ攻めている」らしいです。

     

    日本なら、万人受けするように仕上げるところを、キレッキレに研ぐのだそう。

     

    だからこそ生まれるサリサリ感ですが、合わない人も多いでしょう。

     

    なぜそんな風に作るのか?万人受けするように作ればいいじゃないか…と思いますよね?(笑)
    でも、彼らは攻め続けます。それがイタリアのクラフトマンシップの誇りなのです。
    消費者に何と言われようと、「おれとこのペンはこれだい!」と攻め続ける、頑固さ。

    14K・18K・スチールニブの違いやペン先素材についてはこちらの記事もどうぞ。

    はじめての万年筆を選ぶポイントとは?②(ペン先編)

     

    小売店からしたら「勘弁してよ~」ってかんじですが、
    イタリアのようなモノづくりの姿勢がなくなると、
    人間でなくてもいいじゃないか、すべて3Dプリンタで良いじゃないかとなってしまいますから。

     

     

    人間らしい万年筆、の象徴であるイタリア万年筆。
    検品は大変ですが、イタリアのモノづくりをこれからも応援していきたいと思います。

    アウロラの代表モデル「88(オッタントット)」のレビューはこちらをご覧ください。

    アウロラの88(オッタントット)シガロ・ブルー!外観と書き味は?

     

     

    あわせて読みたい

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    エボナイトやセルロイドの歴史とイタリアメーカーの関係性
    イタリアは芸術的?ドイツは名門?各国の万年筆事情

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    ビスコンティ人気モデルまとめ
    ピナイダー本社訪問レポート

    Il Duomoでお取り扱いのイタリア万年筆ブランド

    Il Duomoでは、本記事でご紹介したイタリアのクラフトマンシップを体現する万年筆ブランドを取りそろえております。気になるブランドからご覧くださいませ。

    アウロラのペンをみる
    ビスコンティをみる
    モンテグラッパのペンをみる
    レオナルドをみてみる
    スクリーボのペンをみる

    ==
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