先日、イタリアの方とオンライン会議をしました。

現在のイタリアの状況を詳しく知り、これから前を向いて乗り越えていくための話し合いでした。

現在Il Duomoでは、ご注文をいただいた方の中には、メーカーが閉鎖中なのでかなりお待たせしてしまっている方もいらっしゃいます。
ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。
卸元にペンがある場合は、時間は普段よりかかりますが、取り寄せは可能です。

いま現在の状況はと言うと、メーカーはテレワークでやっていたり、小売店の中では再開しているところもあったり、場所によってもさまざまなようですが、
ピーク時よりは感染者も減ってきて、少し前向きな状況なようです。

ですが以前ロックダウンは続き、国民は家から出られない毎日が続いています。
もう2か月ほどになるでしょうか。

そこで、イタリア留学経験のあるスタッフが、聞きました。

「あの元気で外が大好きなイタリア人がこのなが~~い外出禁止におとなしく従ってるなんてびっくり。
罰金などのおかげもあるかもしれないけど、
罰金だってけっこう高いし、逮捕もされるし、
ラテンなイタリア人は黙ってないと思うんだけど、
今回はみんな家に閉じこもって政府のいうことを聞いている。
暴動が起こってもおかしくないのに。
罰則以外に理由があるのかな?」

すると、イタリアの方が答えました。

「イタリア人は、とにかく家族や友達がとっても大事。
どんなイケイケの若者でも、1-2週間に一度は必ずおじいちゃんおばあちゃんのお家へいって、会食する。
週に何回かは友達と会食する。週末は家族と過ごす。
そのせいで、他国に比べて高齢者により一層コロナが広がってしまったのもあるかもしれないけど。

 

とにかく、イタリア人は、家族のためになんとしてでも感染を止めるために、今耐え忍んでる。
おじいちゃんおばあちゃんにも会いたいけど、外出禁止になってからは絶対に会わない。
もう1か月半以上、近所に住んでいるおじいちゃんおばあちゃんにも会っていない。
コロナを移す可能性があるから。
イタリア人の気質からすると、外出しないなんて考えられないけど、それ以上に家族が大事。友達が大事。
だから、絶対に外に出ない

国民全員の覚悟を感じる」

 

そして
「イタリアではいまスーパーで小麦が品薄。
というのも、みんなパンやピッツアを自分ちで焼き始めたから。
どの部屋からも、小麦のいい香りがするよ」

 

日本と比べると、イタリアは不便の多い国です。

スーパーやコンビニは少ないし、デパートも少ないし、でこぼこ道は多いし、自動ドアはないし、
非効率な国にみえます。

 

しかし、いまこの危機的状況のなか、家族やコミュニティを守るためにどこまでも耐え抜く覚悟をしている。

イタリアという国は、私たち日本人が「効率化・改善・24時間働けますか」とやっている間も
ずっと家族・親戚・友達というちいさいコミュニティをとにかく大事にしつづけて
不便は多いかもしれないけど心の温かい国を守ってきたんだなと。

そして日本人は便利さばかり追い求めて家族の大切さをないがしろにしてしまった
そんなような気がしました。

逆に、いま日本はこのまま効率ばかり追い求めて、働きづめになる道を選ぶのか、
それともイタリアのように家族やコミュニティを大事にする道を選ぶのか、
岐路に立たされているのではないでしょうか。

 

イタリアでは、「世界一貧しい大統領のスピーチ」の本がベストセラーになっているそう。
スローに見えるイタリアでも、ほんとうに大事なことって何だったっけ?と見直している人が多いよう。

 

スローなイタリアですら、さらに価値観を見直している。
コロナウイルスは価値観をなぎ倒して、変えていっていますね。

 


私もこの絵本持っています。大好きです。
星の王子さまもそうですが、「ほんとうにたいせつなものってなに?」と問いかけてくれているようです。

 

もうちょっと詳しい本はこちら↓

 

いま、外出自粛でおうちで過ごして、家族といつも以上に顔を合わせて
大変だ!と思っている方も多いかもしれませんが
普段できなかった、深い話とか、大切なことを語り合ったり
しみじみとご飯を食べたり
そんなことができるといいのかなと思いました。

 

 

イタリア人のパワー、底力ってすごいです。

 

 

イタリアの神父様たちが、臨終のときを看取るために感染してしまうことが多くて、何十人も亡くなっているというニュースもありました。

悲観的なニュースとしてとらえられてますが、神父様たちは人生をかけて、胸を張って殉教していかれたことだろうと思います。

(パッション(情熱)とイエスキリストの受難(Passion)は同じ言語です。

受難を受けてこその情熱である、それがほんとうのアガペーなのだと…

 

こういった常ならぬ状況下のなかでこそ、通常では理解しがたいイタリアの魅力というものが垣間見えてより一層輝いて見えるのではないか、と思ってしまうのです。

 

 

わたしも、胸を張って誰かのためにできることを、自ら引き受けて受難していきたいものです。

 

 

万年筆の使い方・選び方に困ったら

店長
はじめまして!Il Duomo(イル・ドゥオモ)店長の佐藤です。

私は、幼少期から絵や文学(短歌とか詩)などが好きで、文具が大好きでした。

 

大人になってからヨーロッパ文具の美しさと独特の味わいに惹かれて、万年筆の通販サイトをはじめました。

主にイタリアのペンを中心に扱っています。

 

私自身、万年筆を使い始めてから手帳に向かい合う時間が増え、いっとき辞めていた詩歌の趣味も、あらためてはじめることができました。

そんなことから、わたしは筆記で人生はもっと豊かになると信じています。

 

万年筆・ボールペンをただ販売するだけでなく、筆記でどんなことが楽しめるのか、どんな風にペンたちを使っていくのか、そんなことも発信していきたい!と思ってこのブログをやっております。

 

 

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