Il Duomoでは万年筆だけでなく、ボールペンも取り扱っています。
これまで万年筆に関する記事を多くあげてきましたが、ボールペンについてもお伝えしたいことがたくさん!
今回はボールペンと万年筆、それに加えてローラーボールのメリット・デメリットについてお話します。
一般的には油性でも水性でもひとくくりで”ボールペン”ですが、高級筆記具界ではジャンルがわけられています。
それぞれの特徴を知り、うまく使い分けていただけたら本望です!
↑左から万年筆、ローラーボール、ボールペン。デザインが似ていても、機構が違うのがお分かりいただけますか?
もくじ
書き心地が進化している 油性インクのボールペン
油性インクのボールペンの機構は主に2つに分けられます。
ツイスト式:軸をひねってペン先を繰り出す
ちなみにキャップのタイプもあるにはあるのですが、あまり多くはありません。
よくある油性ボールペンのインクってねばねばしていますよね?
粘度が高く乾きにくいのでインクはずっとねばねばしたまま。キャップ式である必要がないんです。
メリット
その1持ち方にクセがあっても、さまざまな方向へ線を引いてもかすれることなく書くことができる
ボールペンの一番のメリットは使う人を選ばないこと。
癖のある持ち方をしていても、上下左右さまざまな方向に線を引いても問題なく書くことができます。
その2インクが出なくなったらリフィルを替えるだけOK
思いもよらぬタイミングでインクが尽きた!なんてときでもリフィルを交換すればすぐにまた書き出すことができます。
入れ替える際の手入れも特になし。手間がかからないのは良いですね。
その3ノック式はサッと書き出せる。ツイスト式は高級感あり!
ノック式のボールペンであれば片手でカチっとペン先を出し、書き出すことができます。
片手がふさがっている状況や、急いでメモを取りたいときに便利。
対してツイスト式は静かに芯を繰り出すことができるので、ビジネスの商談などちょっとかしこまった場で使うのにおすすめです。
実際私もお会いした方が使っていらっしゃるのを見ると、「お!できる大人っぽい・・・!」なんて思っちゃうんですよね。
アウロラ 限定生産品 カレイドスコーピオ ルーチェ ボールペン Aurora Caleidoscopio Luce Ballpoint
ノック式よりも価格が高いものが多く、その分高級感があります。
お仕事のお供にツイスト式のボールペン、良いのではないでしょうか。
デメリット
その1筆圧が多少は必要。でも解決策アリ!
ペン先にあるボールを回転させることでインクを出すボールペン。
つまり多少は筆圧をかけて書く必要があります。結果、書くのが疲れるということも。
でも解決策もあるので安心してくださいね。
最近は通常の半分以下の筆圧で書くことができるリフィルも多く売られています。
例えば書き心地の良さに定評がある、ジェットストリームのG2タイプのリフィル。
海外製のボールペンでも同じG2というタイプを採用しているメーカーであれば、別のメーカーのリフィルも使うことができます。
ペリカン、モンテグラッパ、ビスコンティなど互換性があるメーカーは結構多いんですよ!
(純正リフィルをお使いでない場合メーカー保証が受けられなくなる可能性がありますので、お気をつけください。)
ボールペンと万年筆のいいとこ取り 水性インクのローラーボール
ビスコンティ ヴァンゴッホコレクション 花咲く桃の木 ローラーボール Visconti Van Gogh Souvenir De Mauves Roller
メリット
その1書き心地がよい
水性インクは粘り気が少ないため、筆圧をかけなくともサラサラと筆記することができます。
日本で一般的に売られている水性のボールペンの書き味を思い出してみるとわかりますよね。
書き心地が良いので手が疲れにくく、長時間・長文を書くのにも適しています。
持ち方はボールペンと同じ。
初めて使う方も戸惑うことなく筆記することができるのも嬉しいポイントです。
その2万年筆に近い外観
キャップ式がほとんどないボールペンに対し、ローラーボールは水性インクが乾いてしまうのをふせぐためキャップ式を採用。
つまり、外観としては万年筆に近いわけです。
ぱっと見は万年筆、更に水性インクで書きやすさも書き味も◎!
まさにボールペンと万年筆のいいとこどりと言えます。
デメリット
その1にじむことがある
水性インクなので書いた文字に水がかかるとにじんでしまいます。
またインクの出がよすぎるがゆえに、紙によってはにじんだり裏までしみてしまったりといったことも起こりえます。
その2エコ・コスパ面は…
3種の中で最もインクを消費するスピードがはやいのはローラーボールです。
リフィルの価格も他の2種と比べると結構お高め。
ですが、ローラーボールはボールペンのリフィルよりも容量が大きめです。
ですので、コスパ面はボールペンはどっこいどっこいかなと思われます。
また、吸入できるローラーボールというものも稀に存在しますが
ローラーボールとボールペンのリフィルは基本は使い捨てなのでエコ面では万年筆に軍配が上がります。
手間をかけるからこそ、より愛着がわく 万年筆
限定生産品 アウロラ ダンテ・アリギエーリ 神曲 煉獄(プルガトリオ) 万年筆 Aurora Dante Purgatorio Fountin pen
メリット
その1筆圧をかけなくても書くことができる
万年筆はペン先が紙に触れただけで、浸透圧によりインクが出てきます。
つまり、力を入れなくてもペン先を滑らせるだけで筆記することができるんです。
長時間書き続けても手が疲れにくいのは万年筆の大きなメリット。
日記や手帳をしっかり書くのにはもってこいです。
その2インクを使い分ける楽しさ
万年筆の醍醐味といえばインク!
何千種類とある中からお気に入りを探す楽しさがあります。
インク沼、なんて言葉が生まれるくらいどっぷりとハマっていらっしゃる方も。
【コラム】インク沼にいるあすかさんに、インクと万年筆との付き合い方を聞いた
色の違いはもちろん、凝った外観のインク瓶は眺めているだけでワクワクしてしまいます。
他メーカーのインクを入れるとつまってしまったり、保証の対象外になってしまったりといったことが起こる可能性があるからです。
「純正じゃないけどどうしてもこのインクを使いたい」という場合は自己責任で・・・
インクを入れ替える際の丁寧な洗浄は必須です!
デメリット
その1筆記角度や筆圧に注意しないとうまくインクが出てこないことも。
鉛筆やボールペンなど、筆圧が必要なペンに慣れているわたしたち。
万年筆でかすれることなくなめらかに筆記するためには持ち方に注意しなくてはなりません。
ニブにあいているハート穴を常に上に向け、角度は60度あたりでキープ。
ペン先をすすめる方向にも気をつけないとかすれてうまく書くことができません。
普段クセのある持ち方をしていらっしゃる方はこの持ち方・書き方を身につける必要があります。
慣れてしまえばなんてことはありませんが、違和感なく使えるようになるまでには多少時間がかかるでしょう。
その2使い続けるには手間がかかる
ボールペンやローラーボールより手間がかかる場面が多い万年筆。
洗浄したり、インクを吸入したり、調整に出したり・・・これらを面倒だなぁと思ってしまう方の気持ちもわかります。
ただ、万年筆ユーザーの私から言わせればこの手間も魅力のひとつなんですよね。
お気に入りの万年筆を手入れするのに費やす時間も私にとっては大切なひとときです。
その3染料インクは水に弱い
最も一般的な染料インクは水に弱いので注意が必要です。
例えば万年筆で書いたはがきが配達途中で雨に濡れてしまった場合。
せっかく書いた文字が雨水でにじんで消えてしまうんです。
水濡れする可能性があるものへの筆記は注意する必要があります。
顔料インクであれば水に強いのですが、詰まりやすいというデメリットがあり、
ペン芯との相性で顔料インクをおすすめしないペンも多々。
つまり使える万年筆が限られてしまうんですよね・・・。
詰まりやすいので洗浄を頻繁にせねばならないということも初心者には少々難しく、慣れていない方にはあまりおすすめできません。
まとめ
こうしてメリット・デメリットを書き出してみると、使い勝手としてはボールペンやローラーボールに軍配が上がりそうに見えますよね。
と、万年筆屋のわたしがこんなことを言うのもなんですが。笑
ただ、愛用している身から言わせてもらうと、使い勝手を超えたところに万年筆は存在しているのです。
インクがするすると出てくる感覚、直に紙をなぞる万年筆独特の書き心地…
そしてインクの美しさ、滲み。そんなことも含めて万年筆の世界なのです。
万年筆を使う生活というのは、スローライフそのもの。
万年筆を好きだから
万年筆を使う時間が好きだから使っている。
心が豊かになる魔法の時間です。
だから多少の手間も大して気になりませんし、むしろのそれすらも楽しい!
このあたりもIl Duomo Magazineでどんどんお伝えしていければ良いなと思っています。
もちろん、ボールペンもローラーボールも使っていますよ。
使い分けも楽しいものです。
ボールペン、ローラーボール、万年筆。
特徴を理解して用途によって使い分け、それぞれの筆記具を楽しんでみてくださいね。
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この用途にこの筆記具ってどうなの?という方。
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