もくじ
ビスコンティー 美への追及に妥協はない。職人の手作りにこだわるフィレンツェのブランド
二人のコレクターによって設立されたビスコンティ
ビスコンティは「ダンテ・デル・ベッキオ」と「ルイージ・ポリ」の二人の万年筆コレクターによって1988年に設立された万年筆ブランドです。
フィレンツェに本社があり、13世紀の王城をリノベーションして事務所を設置しています。
彼ら二人の熱きコレクターたちは、現在の万年筆界の質とスタイルは、万年筆の黄金期である1920年代から1950年代のそれを失っている、と意気投合しブランド設立に至ったそうです。彼らは黄金期の再生を目指し、クオリティの高く、優れたペンを次々と生み出しました。
今ではほとんど作られることはなくなった、セルロイド万年筆の復刻モデルなども作っています。
ルイージはビスコンティを去り、今はダンテがビスコンティをリードしています。
ダンテは、「ビジネスプランよりも、より素晴らしいペンを生み出すことに情熱を傾けている」と語っています。
2018年、ダンテ氏は社長を退き、新たに別のCEOが就任。
いままでのビスコンティの良さは踏襲しつつ、よりファッショナブルに、美しく…というイメージでペンづくりをしているよう。
出典:wikipedia
初期のロゴには、'The Writing Renaissance'(筆記のルネサンス)とあります。これまでの万年筆文化を踏襲しつつも、イノベーションを巻き起こしたいという気概が伝わってきます。
ルネッサンスの始まったフィレンツェのブランドらしいコンセプトですね。
ビスコンティではルネッサンスの象徴であるミケランジェロをイメージしたモデルの万年筆なども作られています。さあ、ビスコンティをもっと掘っていきましょう。
職人文化とメイド・イン・フィレンツェにこだわったペンたち
イタリアはじめヨーロッパではもともと職人文化が繁栄しています。世襲制であることも多く、たとえば楽器工房であれば最後の調律部分を担当する人は、自分の調律技術を親から子へと受け継いだりします。服の職人であれば、スーツ全体ではなく、パンツのみを縫うだけの家系の職人さんもいらっしゃるとか。
そんなイタリアの素晴らしい職人文化を大事にしようと、ビスコンティは万年筆を手作りで仕上げることにこだわりを持っています。
また、外箱にもこだわりが。
フィレンツェは芸術的な美しい包装紙も名産。このフィレンツェ産の紙を外箱に使って高級感を出すことも。
さらに、フィレンツェは革製品でも名のある都市ですので、まれに外装に使われる革にはこだわりがあります。
フィレンツェで生まれたブランドであることを誇りに思い、フィレンツェ産であることを唯一無二の存在価値としてビスコンティは大切にしています。
より芸術的なペンを!デザインへのこだわり
デザイン性の高さで評価されることの多いビスコンティ。ひときわ目を引くのはキャップ部分です。
天然レジンをもとに作られた軸には、橋を模してデザインがなされたキャップが被さります。この「橋」には、人々の懸け橋となりますようにという思いが込められているそうですよ。
上の写真は人気の高い、ゴッホシリーズの「自画像」です。
こちらも職人による手作りのレジンで、一本一本丁寧に独特の印象派の色のゆらめきがデザインされていますね。
箱にはゴッホの自画像が貼られており、ペンと見比べると、その色や雰囲気の一致性には目を奪われます。
実は私はゴッホシリーズのファンで、「ひまわり」と「アルルの寝室」を持っています。
様々な限定モデルを出していますが、デザインの一つの核となるのが「イタリア(フィレンツェ)のアイデンティティ」であるといえます。
たとえばこれはアメリゴ・ヴェスプーチ限定モデル(Amerigo Vespucci Limited Edition)。アメリゴ・ヴェスプーチは 大航海時代、コロンブスらが“新大陸”を東南アジアの一部と考えたのに対し、アジアとは別の大陸であることを主張した、フィレンツェ出身の航海士です。
ビスコンティでは希少な1500年代の航海図をもとに、ペンのデザインをしましたが、航海図全体をペンに巻き付けることは困難だったため、イタリアとアメリカ大陸入るようにデザインしたそうです。地図や歴史好きにはたまらない、収集欲をくすぐるいいデザインです。
イタリア人であること、フロレンティーナ(フィレンツェ人のこと)であることをデザイン前面に押し出した郷土愛あふれるペンが、このほかにもたくさんあります。
トスカーナとは、ビスコンティのあるフィレンツェが所属する州ですが、
風光明媚なトスカーナの丘をイメージして、このペンを作っています。
郷土愛が感じられるのも、ビスコンティの魅力です。
機構や書き味もこだわる、質実剛健なビスコンティ
ビスコンティでは近年「パワーフィラー方式」という新たなインク機構を生み出しました。尻軸のピストンを引くことにより2.4―3.8㏄ものインクを吸入できるという便利な機構です。インクカートリッジですと0.8ccなので比べるといかに大量かお分かりいただけるでしょう。しかもダブルタンクといってインクタンク内が二層に分かれているので、インク漏れしにくいという利点があります。
また万年筆の肝であるペン先は主にドイツの会社に外注していますが、「頼りがいのある柔らかさ」と表現されるほど、評価が高かったりします。
また「23K パラジウムドリームタッチ」といってビスコンティ独自のパラジウムのペン先が開発されたのですが、こちらも滑らかな書き心地と人気があります。世界で初めて23Kパラジウムのペン先を使ったことでビスコンティの名をあげました。
※→こちら、現在では作られておりません!いまは18Kのニブとなっております。ご注意ください。
まとめ
いかがでしたか?フィレンツェのブランド・ビスコンティは職人の手作りによるクラシカルな万年筆づくりを大事にし、万年筆の歴史を踏襲しつつも、新しい技術やデザインの波を起こしていく、素晴らしいブランドだったのですね。
2018年に、ビスコンティの本社工場にお邪魔してきたので、そのレポも貼っておきます。
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