万年筆屋が教える、ヤフオクで万年筆や高級文具を買うとき気をつけること5つ

こんにちは。Il Duomoの店長・佐藤@Duomo_Penです。

みなさんは万年筆や高級ボールペンなどのブランド文具を少しでも安く買いたいと思ったことはありませんか?

ご存知ヤフオクでは万年筆や高級文具を通常の価格よりも安く買えることがあります。実際のぞいてみると「こんなに安いのか!」と驚くこともあるでしょう。でも、そこには意外な落とし穴があるかも…。

Il Duomoではキャンセル品や不良在庫になってしまったものなどをヤフオクに出品することがあります。そのため、同じ出品者のなかで「このアカウント怪しいな~」「この人はいい出品者さんだな」など思うことが多々あります。つまり同じヤフオク内であっても、出品者によっては「はずれ」を引かされることもある、ということなのです。特に店頭でもなくショッピングモールでもない個人同士がしのぎを削るヤフオクでは、怪しい業者もたくさん…。Il Duomo Magazine を読んでくださったみなさんには「はずれ」の文具を引かされることなく、気持ちよくお買い物していただきたい。そう思ってこの記事を書いています。

今日は出品者目線からだからこそ見える、ヤフオクでのいい出品者と悪い出品者の見分け方、さらにはいい商品の落札の仕方まで丁寧にお伝えしますよ~。

まず、はずれの文具って何?

はずれの文具とはなんでしょう。
ずばり、「偽物」のことです。主に中国で生産されている偽物の文具たちは、極めて精巧につくられており、ブランドバッグでいうところのスーパーコピーのようなものです。

モンブランやペリカンなど有名どころの偽物はずいぶん前から出回っていましたが、最近では通常高価で手が出ないデルタやアウロラなどのちょっぴりマイナーブランドのスーパーコピーもよく見られるようになってきました。

こういうものって、意外に良いお値段がつけられているのです。たとえば「モンブランの万年筆が2000円!」とあれば、明らかに偽物なので判断できますが、最近では業者も悪質になってきていて、定価50000円のものを25000円で販売したりしていて、「正規品のアウトレットかな?ラッキー!」と間違って買う人が増えているのです。

悲しいことにヤフオクでは、このように偽物か本物か判別しがたいブランド文具が多数出品されております。しかも、素人判断・写真のみの判断では偽物か本物かは届いてみないと判断できないのが本当のところ。ヤフー側も明らかに偽物とわからないものを取り締まることは難しいのではないでしょうか。

君子危うきに近寄らず、と言いますが、事前知識が無いとちょっとでも安いほうに流れるのが、人の世の常…。これを読んでいる方の中にも、もう購入してしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか(>_<)

偽物を買わないためにチェックすべきこと

1.出品者の履歴から、平均落札金額をみてみる

しかし、万年筆屋にははっきりと偽物がわかるのです。なぜかというと…

「明らかに落札金額が仕入れ値(卸値)よりもかなり低い」

からです。

素人判断では偽物と本物の判別が出来ない理由はここにあります。当たり前ですが、ヤフオク上で出品されている偽物でも、写真は本物のモデル写真を使いまわししていますから、写真では判別できません。

ですので、とある出品者の文具の平均落札金額が明らかに本物より低い(定価の60%-70%オフなど)は怪しんでみるのが賢いでしょう。

オークファンという価格相場を検索できるサイトがあります。こちらを使って、自分の狙っている商品を出品している出品者が怪しい業者でないか確かめましょう!

オークファンの使い方

オークファン・ヤフオクで高級文具を落札したいときチェックすること

まずオークファンのHPを開き、検索窓に「自分の狙っているブランド+万年筆」などと書き込み検索します。ここでは「アウロラ 万年筆」としました。このとき上のタブが「価格相場を探す」になっているか確かめて。

検索すると、いま開催中の出品物や、落札後終了した出品物がずらりと並びます。

開催中のものばかりだとまだ値がつけられておらず判断できませんので、左カラムにあるナビゲーションで過去をさかのぼってみます。

すると、こんな風に過去の「アウロラ 万年筆」が出てきました。ここではじめにポイント。目に付くのは同じ出品者ばかりですよね。

悪い落札者

この方は1円OR100円スタートが主で、落札金額は定価の65%オフ。これは怪しいぞ…!!

2.写真が使いまわしでないか

落札金額以外にもポイントがあります。それは写真を自分で撮影したかどうか。もちろん外注している可能性はありますけれども、先ほどの怪しいアカウントの出品写真は明らかに使いまわしです。別の怪しいアカウントでも使われていたりします。健全な出品者は商品写真は自前のものを使います。

ちなみに偽物が送られてきた場合、使いまわしの綺麗な写真とは比べ物にならないくらいのペンだったりします。もしくは箱が無かったり。

3.文章は使いまわしでないか

悪い落札者

商品説明の文章もチェック。怪しい出品者は文章もどこかからコピペしてきます。自分で書いた文章など一切なく、内容は無機質です。この「文章の無機質感」が偽物の特徴です。

==ここまで==

オークファンをざーっとさかのぼって、あなたの気になっているアカウント出品したものを探してみましょう。そのアカウントを発見したら、「価格が安すぎないか」「写真が使いまわしでないか」「文章は自分で書いた部分があるか」を見ていきましょう。

 

4.悪い評価の内容を見てみる

最後にダメ押しの「評価」で判断です。これはオークファンではなくヤフオク内で見てみましょう。
ヤフオクでは評価がモノを言います。でも、健全に出品していても、悪い落札者とのめぐりあわせで悪い評価がつけられたり、たまたま在庫のチェックを怠っていて、在庫が手元になく落札をキャンセルしてしまった場合(あってはならないことですが)もヤフオクのシステムで自動的に悪い評価がついてしまいます。

ですので、一番いい方法は評価の数ではなく評価した相手の内容を見てみること。

たとえばこの方は、「箱が汚い」「本革と書いてあったのにそうは思えない」「連絡がない」「悪い評価をつけさせてもらいました。ご自身でお分かりと思いますので言いませんが…」など怪しい書き込みが目立ちます。これは十中八九偽物を販売している業者だろうと思います。

5.番外編 正規品を出品していても、悪い出品者はいる

どういうことでしょうか。
これは、商品自体は問題なくても、発送などに問題がある場合です。たとえば「連絡が遅い」などです。
「連絡が遅い」というのは最終的にはちゃんと発送されるのだけれども、発送までの日数が4-5日(ひどい人だと1週間以上)かかってしまい、落札者を不安にさせる行動です。出品者に悪気はないにしても、取引しているほうとしてはあまりいい気持にはなりませんよね。
こちらも評価の欄でしっかり見ておきましょう!

また、たまにあるのが「宅配料金が異様に高い」というもの。
これは、ヤフオクの特徴として「落札額は気に留めるが宅配料はチェックしない」という落札者が多いことを逆手に取り、1500円などの宅配料で実際より水増しして稼いでいる出品者のことです。こういう出品者は宅配料がわかりにくいようにわざと長文で注釈を入れていたりします!入札額が低いからと言って、むやみに入札しないように気を付けましょう。

 

良いペンを落札するために

中古にしても新品にしても、なるべくなら良い出品者から本物の万年筆を落札したいですよね。できれば安く。

良い出品者というのは、さきほどの悪い出品者の逆を考えれば、見つけることが容易です。

つまり

  1. 適正な価格で落札されている
  2. 商品説明はある程度自分で書いた文章である
  3. 写真は自分で撮っている
  4. 評価が良い&悪い評価があっても、不可抗力のものである
  5. 宅配料はわかりやすく、適正な価格である

良い例をあげてみます。この方はいつも、良いモデルを低価格から出品してはいますが、最終的にいつも適正価格で落札されており、
さらに評価にもたくさんのお客様からの喜びの言葉が連なっています。

良い出品者の画像

良い出品者の画像

良い出品者の画像

こういった良い出品者さんから、丁寧な対応で正規品を取引したいものです。
お分かりの通り、これは万年筆などの高級文具に限ったことではありません。ヤフオク、ひいてはフリマアプリなどにも通用するセオリーといえます(バイマなどは自分で写真を撮っている商品はほとんどありませんが)。
安いからといってむやみに飛びつかず、いったん冷静になって商品ページをみてみればきっと良いお買い物ができると思います。

今回はヤフオクで万年筆や高級文具を落札するときに気を付けること5つを、万年筆屋の観点でご説明してみました。
Il Duomoではたまに、キャンセル品やアウトレット品をヤフオクにて販売しています。かなりお得になってます。チェックしてみてくださいね。
ネットショップでの高級文具の買い方もまた今度説明しますね♪

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店長
はじめまして!Il Duomo(イル・ドゥオモ)店長の佐藤です。

私は、幼少期から絵や文学(短歌とか詩)などが好きで、文具が大好きでした。

 

大人になってからヨーロッパ文具の美しさと独特の味わいに惹かれて、万年筆の通販サイトをはじめました。

主にイタリアのペンを中心に扱っています。

 

私自身、万年筆を使い始めてから手帳に向かい合う時間が増え、いっとき辞めていた詩歌の趣味も、あらためてはじめることができました。

そんなことから、わたしは筆記で人生はもっと豊かになると信じています。

 

万年筆・ボールペンをただ販売するだけでなく、筆記でどんなことが楽しめるのか、どんな風にペンたちを使っていくのか、そんなことも発信していきたい!と思ってこのブログをやっております。

 

 

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