アルマンドシモーニクラブ、通称ASC。
名前はガラッと変わりましたが、2016年に廃業したオマスの後継メーカーです。
万年筆の雰囲気や使用する素材はほとんと同じ。
なんと、オマス時代の万年筆に使用していたセルロイドを使っているペンも!
書き味も似ているので、オマス愛用者の方はしっくりくるのではないでしょうか。
反面、個体差や癖があるので万年筆に慣れていない方にはハードルが高いかも・・・。
今回は、Il Duomo店長が実際に検品・試し書きしてみてわかったアルマンドシモーニクラブの特徴をお伝えします。
最後におすすめのモデルもご紹介!
アルマンドシモーニクラブ グラディア―トレ メディオ アルコブロンズ 万年筆 ASC Gladiatore Medio Arco Bronze Fountain pen
↑これはオマス時代からあった、アルコ柄の美しいセルロイドのデッドストックを利用した軸。震える美しさ。
もくじ
アルマンドシモーニクラブ(ASC)の歴史は?
アルマンドシモーニクラブの前身、オマスは1925年に創業。
数多くの美しいペンを世に出し、新技術を生み出したことでも注目されていました。
長くイタリア万年筆業界を牽引してきたオマスでしたが、2016年に惜しまれつつも廃業。
実は、このオマスの創業者の名前がアルマンドシモーニなんです。
オマスは廃業しましたが、同年にArmando Simoni Clubが立ち上がりました。
その名の通り"アルマンドシモーニの同好会"といった感じですね。
拠点もオマス時代と変わらず、ボローニャにあります。
生産している万年筆は素材も雰囲気もオマスそのもの。
美しいデザイン、そして手作り感がありながら精巧な出来栄えのニブ。
大量生産品とは異なる、独特の面白さがあります。
イタリア万年筆の古き良き姿をそのまま継承しているのがこの、アルマンドシモーニクラブです。
アルマンドシモーニクラブ(ASC)はより少量生産に
アルマンドシモーニクラブは25本、50本といった単位でしか生産していません。
世界中にこれだけの本数ずつでしか存在しないわけですから、少ないですよね・・・。
オマスの頃も大量生産は行っていなかったのですが、ASCでは更に減ってしまいました。
(少しずつ売れた分だけまた新作を出す、という健全経営なのはいいことですね。)
アルマンドシモーニクラブ(ASC)はどこで買える?
この生産量ですから、世界的に見ても代理店が取り扱うことはほぼありません。
つまり、百貨店など大きな店に並んでいるものを買うということが出来ないんです。
多くは、販売店が直接ASCから仕入れています。
しかし、日本で購入できるお店というのがとっても少ない!
いままでお問い合わせはいただいていたのですが
初心者にはあまり向かないフレックスのニブ、少量生産ということでイタリアとの連携が不可欠‥・ということで
取り扱いに踏ん切りがつきませんでした。
が、今年のコロナ禍で、イタリアはかなりの打撃を受けまして
手作業の多い(言ってしまえば効率の悪い)イタリアメーカーは、
影響をもろに受けてしまいました。
伝統産業は、一度立ち消えると二度と戻らないことがあります。
イタリアメーカーの財政が危機になり外資に買い取られて、
イタリアメーカーの良さが消えてしまうのも嫌だ。
そのためには、少々取り扱いが大変でも、イタリアを応援せねば!
そんな思いもありましてIl Duomoでは今年思いきって取り扱いを開始しました。
ASCもそんな世界からの期待に応えてか?頑張って元気に生産してくれています!
2020年12月現在は、複数のモデル・カラーの中からお選びいただけます。
のちほど、おすすめのモデルを紹介しますね。
アルマンドシモーニクラブ(ASC)の書き味は?
アルマンドシモーニクラブ オジヴァメディオ ロッソマグマ (ゴールド/ロジウムトリム) 万年筆 ASC Bologna Ogiva Rosso magma Fountain Pen
オマスを引き継いでいるというだけあって、ペンに使用している素材や雰囲気、書き味も似ています。
セルロイドの軸+金ペン(主に18K)という組み合わせがほとんどで、サリサリ感のある独特な書き味が特徴です。
ニブは大きめで長く、よくしなります。
軸も大ぶりなものが多く、ニブとのバランスが良い万年筆です。
もともとオマスの万年筆を好んで使っていた方であれば、ASCもきっと気に入ることでしょう。
独自のニブ、マジックフレックス
アルマンドシモーニクラブには、マジックフレックスというニブがあります。
ペン先へかける圧力によって線の太さが変化するという、ちょっと変わったニブ。
やわらかく、ふわっとした書き心地です。
絶妙なふわふわ感と、余韻の残るサリサリ感が、いままで書いたことの無い書き味です。
スタブ調のニブが多いASC。癖のある書き味
ASCの万年筆はスタブ調のものが多く、癖のある書き味。
横に線を引けば細く、縦に引けば太い線を書くことができます。
(ただし完全なスタブではありませんのであしからず)
漢字を使う日本では、細かい字を書くために縦横の字幅が揃っているものが比較的人気です。
こういった事情から、ASCはどちらかというとちょっと変わったペンが欲しい、万年筆玄人向けと言えます。
きっちり文章を書くというよりは、太めの字幅で大胆に書いて楽しむのがおすすめです。
書き心地はどことなく柔らかいアウロラ・・のような感じといいますか、
独特のサリサリ感があり
かといって嫌な感じではなく、使えば使うほど染みわたる高揚感。
ちなみに、字幅は少量生産がゆえに、あまり選択肢がありません。
Mの万年筆が多いですね。
個体差もでやすい傾向
書き味の癖だけでなく、個体差もでやすいメーカー。
万年筆に慣れていない方ですと、書きづらさを感じることも。
ASCの前に、他のメーカーのペンを何本か使ってみることをおすすめします。
万年筆歴が長くなり、個体差のことも理解したあとの選択肢として、アルマンドシモーニクラブはおすすめです。
「じゃあ1本目は何を買ったらいいの?」
「初心者でも扱いやすいのは?」
そんな疑問をお持ちの方はこちらをチェックしてみてくださいね。
アルマンドシモーニクラブ(ASC)のおすすめモデル4選
ボローニャエクストラ (Bologna Extra)
こちらはオマスの頃に生産されていたボローニャというモデルの大きいバージョンです。
軸にはセルロイドが使われています。
デザインは昔ながらのイタリア万年筆、といった雰囲気。
キャップリングとグリップの部分にはグレカパターンという模様が刻まれています。
ボローニャメディオ (Bologna Medio)
▶アルマンドシモーニクラブ ボローニャメディオ ブルールーセンス (ゴールド/ロジウムトリム) 万年筆
▶アルマンドシモーニクラブ ボローニャメディオ グリーンラグーン (ゴールド/ロジウムトリム) 万年筆
▶アルマンドシモーニクラブ ボローニャメディオ ロッソマグマ (ゴールド/ロジウムトリム)万年筆
手の小さい方、女性の方にはボローニャメディオがおすすめ。
エクストラより小さく、更にこれまでのASCのペンに比べて小ぶりです。
日本の一般的な万年筆よりは大きめですが、使いやすいモデルですよ!
メディオはセロースアセテートという素材を軸に使用しています。
セルロースアセテートは、植物由来の樹脂で、セルロイドのような透明感と温かみが特徴!
ボローニャのシリーズは、キャップと尻軸がフラットな形であるのが特徴です。
オジヴァ (Ogiva)
ボローニャとは違い、キャップと尻軸が丸くなっているオジヴァ。
この形から、葉巻型と呼ばれています。
親近感が湧くのか、葉巻を好きな方にウケがいいんですって!このシリーズは希少なセルロイドがあれば、限定で少数販売されます。
オジヴァメディオ
まとめ
オマスを引き継いだ、アルマンドシモーニクラブ。
変化したのは名前と、生産数くらいでしょうか。
基本的には同じようなラインで作られています。
オマスの万年筆が好き、という方であればアルマンドシモーニクラブも楽しく使っていただけるはず。
個体差や癖があるため、万年筆に慣れていない方がいきなり使うのはおすすめできません。
様々なペンに触れ、個体差をも楽しめるようになった頃、ぜひ手にとっていただきたいメーカーです。
アルマンドシモーニクラブのことをもっと知りたい!
ネットで万年筆を買うのって不安・・・。
そんな方のために、Il Duomoではオンライン相談室を試験開設中です。
イル・ドゥオモスタッフがZOOMやLINEで顔を合わせながらご相談に応じます。
Il DuomoのLINEでも問い合わせが可能です。
LINE友達追加で、300円クーポンもプレゼントしてます!
↓
では!