以前、廃業したオマスの後継として立ち上がったアルマンドシモーニクラブ(ASC)をご紹介しました。
実はもうひとつ、オマスの意思を受け継いだブランドが。
世界を見据えた、モダンなデザインの万年筆を少量ずつ生産しています。
私が数々の万年筆にふれる中で、書き心地のよさNo.1がこのスクリーボの14Kフレックスニブ!
嗚呼この感動を誰かと分かち合いたい・・・!
後継とはいえ、オマスやASCとはまた違った良さがあるスクリーボ。
今回はその魅力をご紹介していきます!
書き味など、詳しくはこちらの動画でも説明しています。ゆっくり書いているので書きぶりがわかりやすいと思います。
ぜひご覧ください!
もくじ
スクリーボ(Scribo)の歴史は?オマス廃業後に誕生した新進気鋭のメーカー
2016年にイタリアの老舗万年筆ブランド、オマスが惜しまれつつも廃業。
それとほぼ同時に、オマスの元従業員が中心となってスクリーボを立ち上げました。
拠点も変わらず、ボローニャです。
ただ、オマスの頃と比べて生産数は控えめ。
少しずつ限定生産品を出している程度なので目をつけたら早めに動かないと手に入らない可能性も・・・。
スクリーボ(Scribo)の由来
ブランド名のスクリーボ(Scribo)はScrittura Bologneseの略。
訳すのが難しいのですが、「ボローニャ風の筆記」とでもいいましょうか。
ちなみにScriboという単語もラテン語にあって、こちらも「書く」という意味があります。
モダンなデザイン
オマスやアルマンドシモーニクラブ(ASC)は手作り感のある、昔ながらのイタリアン万年筆。
対してスクリーボは、オマス時代に培ってきた知識や素晴らしい技術を活かしてモダンな雰囲気のペンを生産しています。
軸には基本的にレジンを使用し、つるんとしたジュエリー感のある洗練された仕上げ。
トリム(メッキ)はプラチナがしっかりと覆っており、分厚いフィニッシュのように見えます。
オマスやASCとの仕上がりの差を見るに、おそらく使用している機械も違うのでしょう。
ペン同様、箱もすっきりとしたデザインです。
玄人受けしそうなちょっとクセのあるASCと比べると、スクリーボの方が世界での展開を見据えている印象を受けますね。
女性向けなデザインも多いです。
スクリーボ(Scribo)の書き味は、ニブによって異なる
スクリーボの万年筆はどれを選んでも比較的書きやすいのが良いところ。
・ニブによって書き心地が異なる
こちらはチェックしておいていただきたいポイントです。
ペン芯には希少な素材、エボナイトを採用
スクリーボはペン芯に、希少なエボナイトという素材を使用しています。
こちら、他のメーカーでは最近あまり使われていません。
エボナイトで作られたペン芯のメリットは、使い続けているとインクフローが安定してくる点。
ペン先とペン芯の間に隙間が空いていると、インクがうまく出てきません。
しかしエボナイトで出来たペン芯は、書けば書くほどペン芯とペン先(金属部分)の間が狭くなっていき、ぴちっと合うようになるんですね。
使い続けることで、どんどん馴染んで書きやすくなっていく。
とっても愛着が湧きそうなペンです。
Il Duomo店長イチオシ!スクリーボ(Scribo)の14Kフレックスニブ
スクリーボの万年筆はニブの選択肢が多く、18Kや14Kを選ぶことができるモデルもあります。
14Kはフレックス、つまりやわらかい書き味。
18Kはオマスを感じさせるサリサリとした書き心地です。
特に私が推したいのは14K。
様々な万年筆を使ってきた中で、書き心地がダントツに気持ちいいのがこの14Kフレックス!
これはもう感動モノです・・・!
(もちろん、インクや個人の筆記角度などによって全く書き味が変わりますのでお気を付けを…)
↑検品時の筆跡です。
ちょっと筆跡がこすれてしまっているのですが、豊かなフローと、字幅が広く開いている様がおわかりいただけるかと思います。
書き出しもスキップするものはほとんどなく、非常に優秀です。
字幅にもよるのですが、FやMはふわっとやわらかくてペンポイントもなめらか。
調整なしでも申し分ないくらい、書き心地のいいペンです。
ただ、フレックスなので毎日手帳などにガシガシ書く実用品というよりは、遊びの1本としてお持ちいただくのがおすすめです。
作品を作ったり清書したりするときに使ってほしいペン先だなと思います。
手紙を書いたりするのにもいいですが、練習が必要そうです。
ペン先の安定性も抜群。
通常、フレックスはやわらかく作られているので、筆圧には注意が必要なんです。
書くときにぐっと力をかけてしまうとペン先が変形してしまい、戻らなくなってしまうことも。
しかしスクリーボの万年筆はそんなこともないので、扱いやすさも○。
・・・と、ここまで14Kフレックスばかり褒めてしまいましたが。(笑)
18Kはオマス時代から受け継いだ独特のサリサリ感があっておすすめですよ!
フレックスはあまり好きじゃないなーという方には18K、ぜひ試していただきたいです。
ガチニブではないので、やややわらかさがある感じです。
ニブの選び方・字幅について
スクリーボのニブサイズの選び方ですが、やはり1段階ほど字幅は上になります。
18Kよりも14Kフレックスのほうが、特性上フローが良いので、紙によっては1.5段階ほど上になる場合も。
また、字幅によって書き味が異なるかということも気になる方が多いかもしれません。
特に気になるのがEFとFの違いですよね。
舶来万年筆は、EFですとカリカリすることもあるので、
慣れた方はEFを避けることもしばしば。
しかし、スクリーボはその心配は要らないかなと思います。
もちろんEFのほうがフローが絞られる影響でややカリカリするかもしれません。
ただ、もともとスクリーボのニブが他メーカーと比べると滑らかなほうなので
(14Kでも18Kでも)EFでもものすごくカリカリするという感じではありませんし、EFでもおすすめできます。
MやBは日本のペンと比べるとかなり太めに感じると思います。
18KにはBBBなどもありますが、超超極太!という感じです。
マジックペンのように使うことが出来るかなと思います。
その分インクが乾くのに時間がかかりますので、用途はよくお考えになったほうが良いかもしれません。
スクリーボ(Scribo)のおすすめモデル
フィール(Feel)
スクリーボ 限定生産品 フィール アランチオ 万年筆 14Kフレックス/18Kニブ SCRIBO Feel Arancio Fountain Pen Feel Viola
スクリーボ 限定生産品 フィール ヴェルデアンティコ 万年筆 14Kフレックス/18Kニブ SCRIBO Feel Verde Antico Fountain Pen
素材 | レジン、プラチナトリム など | ||
キャップタイプ | ねじ式 | ||
ペン先 | 18K/14K フレックスニブ | ||
文字幅 | 18K:EF/F/M/B/BBB/1.4mm Stub 14K フレックス:EF/F/M/B |
||
インク方式 | ピストン吸入式 | ||
インク容量 | 1.42ml | ||
キャップポスト時の長さ | キャップポスト不可 | ||
収納時の長さ | 約148㎜ | ||
胴軸部の長さ | 約135㎜ | ||
最大軸径 | 約1.7cm⌀ | ||
重量 | 約38g キャップ:18g 本体:20.5g | ||
その他 | 本革とコットン製のソフトポーチが付属
キャップの長さ:約68mm |
スクリーボ初のコレクションとなったのがフィールというシリーズ。
こちらが一番多く発売されています。
現在Il Duomoで取り扱いがあるのも、ほとんどフィールの万年筆です。
キャップ・クリップ・軸・尻軸(吸入式)、全てにおいて曲線的なのがこのシリーズの特徴。
「なんだかこの軸、持ちづらそう・・・」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
直線的な軸のペンをお持ちの方が多いでしょうから、気になりますよね。
しかし私が実際に手にしてみたところ、意外や意外、この形が握りやすい!
筆記のときも違和感はなしです◎
そして、イタリアらしい曲線美、美術館に展示されているかのようなデザインが素晴らしい!
イタリアらしいけれどシンプルで使う人を選ばないこういった外観は、贈り物にも喜ばれるかもしれませんね。
しかしほとんどが限定200本前後で発売するので、手に入れることが少し難しいのが難点です。気になる軸が発売されたらすぐにお迎えせねばなりません。
※キャップポストはできません。
ピウマ
スクリーボ 限定生産品 ピウマ アメティスタ(アメジスト) 万年筆 SCRIBO Piuma Ametista Fountain Pen
スクリーボ 限定生産品 ピウマ コルニオラ(カーネリアン) 万年筆 SCRIBO Piuma Corniola Fountain Pen
素材 | レジン、プラチナトリム | ||
キャップタイプ | ねじ式 | ||
ペン先 | 18K/14K フレックスニブ | ||
文字幅 | 18K:EF/F/M/B/BBB/1.4mm Stub 14K フレックス:EF/F/M/B |
||
インク方式 | カートリッジ・コンバーター両用式(コンバーター付属) | ||
インク容量 | --ml | ||
キャップポスト時の長さ | 約--cm | ||
収納時の長さ | 約14.45cm | ||
胴軸部の長さ | 約--cm | ||
最大軸径 | 約1.56cm⌀ | ||
重量 | 約30g | ||
その他 | 本革とコットン製のソフトポーチが付属 |
フィールよりもひとまわり小さく、細身なピウマ。フィールはピストン吸入式ですが、ピウマはコンバーター・カートリッジ両用式。
ややスポーティなデザインが魅力的です。
ニブはフィールと同じですので、吸入方法とデザインで選べばOKかなと思います。
やはりカートリッジ・コンバーター両用式は手軽で使い勝手が良いですね。
ラ・ドッタ(La Dotta)
一番新しいシリーズがラ・ドッタ。こちらの名前はボローニャの歴史に由来しています。
中世ヨーロッパ、イタリアの都市国家であったボローニャは「ラ・ドッタ」と呼ばれていました。
ラ・ドッタとは「学識ある人」のことで、これは当時からヨーロッパ中から最新の学術を学びに学生が集まってきた世界最古の大学、ボローニャ大学を擁する都市に向けられた呼び名です。
多面体カットされておらず、つるんとしたデザインです。
ほとんどフィールと同じ形で、重量も同様です。
カットされていない分、レジンの柄が目立ちますので、特殊なレジン、挑戦的なレジンを使用することが多いです。
ニブはピウマ・フィールと同じものが装着されています。
(ちなみに多面カットするコストの分、フィールのほうがやや高い値段になることが多いです。)
スクリーボ 限定生産品 ラ・ドッタ ジガント 万年筆 14Kフレックス/18K SCRIBO La Dotta Al Zigant Fountain Pen
スクリーボ 限定生産品 ラ・ドッタ オレフィチェ 万年筆 14Kフレックス/18Kニブ SCRIBO La Dotta Orefice Fountain Pen
素材 | レジン、プラチナトリム など | ||
キャップタイプ | ねじ式 | ||
ペン先 | 18K/14K フレックスニブ | ||
文字幅 | 18K:EF/F/M/B/BBB/1.4mm Stub 14K フレックス:EF/F/M/B |
||
インク方式 | ピストン吸入式 | ||
インク容量 | 1.42ml | ||
キャップポスト時の長さ | キャップポスト不可 | ||
収納時の長さ | 約148㎜ | ||
胴軸部の長さ | 約135㎜ | ||
最大軸径 | 約1.7cm⌀ | ||
重量 | 約37.5g キャップ:18g 本体:20.5g | ||
その他 | 本革とコットン製のソフトポーチが付属
キャップの長さ:約68mm |
まとめ
私が数々の万年筆に触れる中で比較してみても、質が非常に高いスクリーボ。
以下の記事でも書いたのですが、創業者のかたの並々ならぬ筆記への思いが伝わり…
真面目な方がやっているのだなあということがわかります。
ボローニャのイメージにも合致しますね。
日本人に合う、とても良いブランドじゃないかなと、思っています。
スクリーボは少量ずつの生産なので、いい色が出たと思ったらすぐ完売・・なんてこともしばしば。
気になったものがあれば、お早めにお買い求めいただいたほうが良いかもしれません。
そうは言っても販売ページだけを見て即決するって、なかなか難しいですよね。
せっかく買ったのに、こんなはずじゃなかった・・・なんて思ってほしくない!
そんな方のために、Il Duomoではご購入前のご相談もお受けしています。
スクリーボのことをもっと知りたい!という方。
ネットで万年筆を買うって不安・・・という方。
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